- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862529138
作品紹介・あらすじ
犯罪史上に類を見ない"殺人ヤクザ一家"の次男・北村孝紘被告が獄中で綴った「人殺し半生」。人はなぜ殺人を犯し、そして死刑になるのか?社会の歪みと暴力が生んだ凶悪事件、その真相に迫る犯罪ドキュメント。
感想・レビュー・書評
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── 鈴木 智彦《我が一家全員死刑 20101106 コアマガジン》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4862529135
── 鈴木 智彦《全員死刑: 大牟田4人殺害事件「死刑囚」獄中手記 20171107 小学館文庫》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4094064753
20040916 孝と孝紘は高見さんの次男の穣吏()を絞殺、遺体を川に遺棄。
20040918 家族4人で共謀、知人の高見 小夜子さん()を絞殺
(20190127)(20240213)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
死がなんでもない現実の世界になる。そこには日常と変わらぬロジックがある。やはりそうか!という気持ち。日常の一般人と変わらぬ優しさ、常識的には狂人のような犯行。これらはなんら矛盾しないのである。俺が書きたい世界でもある。
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どうも書名に偽りがあるようだ。
手記には「男三人女二人の五人兄弟」とあるし,【終わりに】にも「犯罪にまったく無関係だった家族」が存在することに言及されている。 -
死刑廃止論者の皆様方に読んでい頂きたい1冊。冤罪の恐れがあるからとか、国に人の命を奪う権利はない云々と色々廃止についての意見はあると思いますが、こいつらどう見ても100%犯人だし、このような人間を生かしておく事が平穏に生きている人達(私もね)にとって恐怖となるし、国がやらねば誰がやるって感じで、死刑反対の人権団体のみなさん文句があるならどうぞ彼ら一家を養ってやって下さい。
まあ、子を持つ親の身としては徹底して甘やかすと持ち手カードが全部クズのロイヤル(クズ)ストレートフラッシュが見事に完成してしまいますよという参考書としてはよろしいんではないでしょうか。。。我慢を覚えさせるのは親の役目。これ絶対ですね。ほんと見事に性善説を否定する良書です。
あと、ちらりと相撲界と暴力団の繋がりを感じさせるあたり旬な本ではないでしょうか。ぜひ! -
家族で共謀し、友人一家を皆殺しにしたうえ、たまたま居合わせた長男の友人まで撃ち殺し、強盗と殺人、死体遺棄罪で父母と息子ふたりが死刑判決を受けて上告中という特異な事件「大牟田一家4人殺害事件」の実行犯、北村孝紘の獄中記。孝紘は北村家の次男で、すべての殺人はかれの手によるものだ。まず孝紘は家族ぐるみで親しくしていた高見家の次男、穣史さん(当時15歳)を兄にいわれるまま絞殺し、遺体にブロックを括りつけて川に遺棄、それからまた父にいわれるまま世帯主である小夜子さんの首を絞め殺害、死体を車に乗せたまま長男の龍幸さん(当時18歳)の帰宅を待ち、最終的にその友人まで手にかけた。どの犯行も兄や父に操られるまま躊躇なく事に及んでいる。動機は逆恨み。そして金。しかし、鉄砲玉の孝紘にはいずれも関係なかった。本書はその奇妙な一部始終を本人の手により記した、いわば告白。友だちだった龍幸さんをこれから殺そうというとき、その最後のドライブで別れを惜しむように昔話に花を咲かせ談笑するくだりや、談笑しつつもこれから行う殺人に少なからず興奮をおぼえたとの記述が衝撃的だ。なにもしらない龍幸さんと思い出を語り合う場面はとくに、理解不能すぎて具合がわるくなる。とはいえ、つたないもののわりとよみやすい文章で、すらすらと一気によめてしまう。ただ、著者の解説は個人的な感想が多くてちょっと辟易するし、もうすこし掘り下げた取材をしてほしかった。でも「おれは殺人を楽しんだ」などとことさら快楽殺人を強調するのは孝紘の虚勢かも、という指摘は実際その通りだとおもう。