超約版 論語と算盤

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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863102354

作品紹介・あらすじ

指針なき混迷のポストコロナ時代に求められるリーダーの資質とは?―「近代化の父」渋沢栄一の不朽の古典が「超約」スタイルで復刻!

幕末から明治という日本の大転換期に文字通り「一生で二世」を生きた渋沢は、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように高い志を持って未来を切り開き、「日本近代資本主義の父」と呼ばれるまでにいたった。生涯にわたり500近くの企業を育てあげ、同時に約600の社会公共事業にも関わった。晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補にも二度選ばれている。

そんな渋沢を幼少期から生涯を通して貫いてきた行動指針こそ「論語」であり、経営、労働、人材育成などの核心をついた独自の経営哲学・人生訓にも論語の精神が貫かれ、渋沢の著作はいまなおビジネスパーソンを中心に広く長く支持されている。
本書は、代表的な著作で不朽の古典とされる『論語と算盤』を、子孫であり作家・経営者でもある渋澤健氏が、「超約」スタイル(現代語抄訳)で、指針なきポストコロナ時代を生きるビジネスリーダーや将来をに担うビジネスパーソンにわかりやすく解説していくもの。

感想・レビュー・書評

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  • サラッと読めましたが、コアとなる骨太なメッセージは確かに伝わってきました。今流行りのSDGsに通ずるものがありますね。

  • 大河ドラマ「渋沢栄一」が発表されたあたりで読んだ一冊。

    なぜ商売と論語が関係するの?を次の一説で説明してます。
    もともと「資本主義」や「実業」とは,自分が金持ちになりたいとか,利益を増やしたいという欲望をエンジンとして前に向かっていく面がある。しかし,そのエンジンはしばしば暴走し,大きな惨事を引き起こしていく。だからこそ栄一は,「実業」や「資本主義」には,暴走に歯止めをかける枠組みが必要だと考えた。「どのようにして振る舞うのが人として格好良いのか」を学ぼうとするときの教科書が「論語」であると考えた。
    論語とは,孔子とその弟子たちの言行録。

    ダイハツの問題や政治資金裏金問題など、
    渋沢栄一がこのような報道に触れたら何を思うだろう?

  • 論語と算盤を著者が現代の状況に置き換えて分かりやすく解釈を説明する本。論語と算盤の入門としておすすめ。

  • 利己精神と利他精神はどちらも欠けてはならない。
    利益を求めることと、社会に尽くすことは相反するようだが、二兎を追う必要がある。

    受身の思考停止人間への警笛が随所にあり、
    刺激を得られた。

    ①早く成長させるために苗を引っこ抜いてしまった
    ②孵化しようしている卵の殻を割って雛を殺してしまった
    →人の行為は内面の良心でなく、行為(外見)で判断される。

    商人にこそ武士道を
    「終始自力を本位として、道に背かぬことに専念し、そのうえで豊かになる努力を怠らぬことが人間の意義」

  • 渋澤健氏が要約してくれてんのかな?
    うーん。なんか目次と副題みたいなのをひたすら眺めた感じだった。

  • ビジネスだけじゃなくて生き様を説いている。“客観的人生観”、”組織を作る日々の習慣”、“境遇は自ら招く”、”道理と欲望“
    渋沢健さんが教えてくれた”四海兄弟“も、グローバルに仕事していくうえで大事なこと。
    論語勉強したいなぁ。。

  • 要約されていたので非常に読みやすかった。
    裏返しにいうと内容はなんとなく分かったが、あくまで分かったのは内容だけど渋沢栄一が本当に言いたかったことに触れるには不向き。
    これをステップに原本を読むべきか。
    しかし、なんとなくだが論語と算盤って、明治から昭和初期時代版の自己啓発書なんじゃないかなと思ってきた。
    結局は回り回って、古典の論語の解釈の一つだったりして。

  • 偉い人とまったき人
    →すとんとなっとくできた!私はまったき人になりたいよ

    智情意
    →これいいな、そういう人になりたいよお

  • 適切な場所に適切な人材を、適材適所の思想は人材登用の上で参考になります。
    また、自分の利益ばかりに追われ、全体での成長、日本が真の意味で豊かになるためにら何が必要なのか、そのような広い視野をこの時代に持っていたという点で渋沢栄一氏は改めて素晴らしい人間だと感じました。
    一方で、この本が今世に広く出されていること、評価されていることが遅すぎるのではないか?と感じる点がありました。教育制度の批判や、道徳修身の大切さなど、30年前にもっと注目されているべき書籍であると感じています。

  • ・著者は渋沢栄一の玄孫(5代目)
    ・富の追求には道徳が必要。モラルなき経営は続かない
    ・情熱もビジネスセンスも、論語で養える。道徳抜きのビジネスは成功しないから
    ・士魂商才:人が世間で活躍するには、まずは武士的精神が必要であるが、それのみに偏って商才というものがなければ、経済の上から自滅する。ゆえに士魂とともにビジネスセンスがなければならぬ。
    ・できるかできないかよりも、やりたいことを貫く
    ・己の分をわきまえて決断のタイミングを図る
    ・精神の向上を、富の蓄積と共に進めることが必要である。
    ・小事を粗末にするような人物に重大事を成功させることはできない
    ・とにかく社会の複雑であることを前もって十分に知っておき、いかに用意していても実際には意外なことが多く起きる。
    ・智情意。強い意志を持ち、その上で聡明な知恵を加え、これを調整する情愛をもってする。この三者を適度に発達させていって、初めて完全な常識が得られる。
    ・利益を求めることと、仁義道徳の道理を重んずることの2つをうまく並び立てることによって初めて、国家は健全に発展し、個々の人もみな相応しい立場を得て、真実の富が蓄積されていく。片方だけではどちらダメ。
    ・よく稼ぎ、よく使って、富の循環を促す
    ・趣味をもって事業に取り組む
    ・尊敬できる師であっても道理を譲ることはない
    ・競争が進歩の母というのは事実だが、この競争には善意と悪意があるようだ。よい工夫をして、知恵と勉強をもって他人に勝とうとするのは善の競争だ。他人の評価がいいから、まねてかすめとってやろうとするなら、それは悪の競争である。
    ・自他相利、相愛忠恕
    ・あるものとないものを融通し合うのが経済の原則
    ・仕事に忠実で仁愛をもて。それが幸運のもとになる。
    ・天命は人間が意識しようがしまいが、四季が順当に巡っていくように、すべての物事の間に降り注いでいくものだということを理解し、これに対する恭、敬、信を持って望むべきものなのだ。そう信じていれば、「人事を尽くして天命を待つ」という語のうちに含まれている真の意義が、初めて完全に理解できる。
    ・順境も逆境もない。境遇は自分から招く
    ・失敗を恐れていては、新しい事業などできない
    ・一時の成功や失敗は、長い人生における泡沫のようなものである。一時の成功にこだわらず、運命を自ら開拓する
    ・「メイド・イン・ジャパン」→「メイド・バイ・ジャパン」→「メイド・ウィズ・ジャパン」

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著者プロフィール

渋沢栄一:1840(天保11)年2月13日、現在の埼玉県深谷市血洗島の豪農に生まれる。幕末はのちの将軍・徳川慶喜に仕え、家政の改善などに実力を発揮し、次第に認められる。 27歳のとき、慶喜の実弟・昭武に随行し、パリの万国博覧会を見学するほか、欧州諸国の実情を見聞し、先進諸国の社会の内情に広く通ずることとなった。帰国後は「商法会所」を静岡に設立。その後、明治政府に招かれ、のちの大蔵省の一員として国づくりに深くかかわる。1873(明治6)年に大蔵省を辞した後は一民間経済人として活動。第一国立銀行の総監役(後に頭取)として、同行を拠点に、株式会社組織による企業の創設・育成に力を入れた。また、「論語と算盤」として知られる「道徳経済合一説」を説き続け、生涯に約500もの企業にかかわった。さらに、約600の教育機関・社会公共事業の支援や民間外交に尽力。実業家のなかでは最高位となる子爵を授爵する。1931(昭和6)年11月11日、多くの人々に惜しまれながら、91歳の生涯を閉じた。

「2024年 『渋沢栄一 運命を切り拓く言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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