骨董屋・眼球堂

著者 :
  • 産業編集センター
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863112193

作品紹介・あらすじ

時空の狭間で語られる、奇妙で美しい7つの物語。

デパートの片隅でひっそりと営業している骨董屋・眼球堂(がんきゅうどう)には、
眼にまつわる品だけが集められている。
そしてそこは、彼方と此方をつなぐ場所でもあった。

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ある日、中学生の柚香(ゆずか)はデパートの片隅で
ひっそりと営業する骨董屋を見つけた。
眼球にまつわる品ばかりが集められたその店の名は「眼球堂」。
店主は柚香にこう言った。

「この店の骨董はどれもみな物語を持っている。君が物語を読み取れたなら、
 その対価として私は君に健やかな眼球をあげよう」

店主の取引に応じた柚香はまず、ブリキの人形を手に取るが…。

感想・レビュー・書評

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  • 殺人事件がメインのミステリーばかり読んでいると、たまにこういうファンタジーが読みたくなる。
    眼球に特化したファンタジーで、なんだか目玉を取り出されそうでちょっと怖い気もする。これは私の勝手な思い。
    骨董屋で主人公が人形などから7つの物語を読み取る。どれもほっこり幻想的というわけではなく、ぐっと迫ってくる物語だ。ちゃんと人間を描いている。
    この作者の「利き蜜師物語シリーズ」も以前読んでなかなか面白かった。

  • タイトルと表紙の雰囲気が良かったため読んでみた。

    主人公の眼球を軸にした現実世界の話と、現実世界にリンクした7つのファンタジー短編がうまく取り込まれている。
    短編もすべて眼球にまつわる話で構成されており、SF風短編からアラビア風な短編、古典文学風な短編...と設定が多岐にわたるため、何冊も読んだような気分になれた。
    ただ、途中からは「現実世界を鑑みるに短編もこんな結末だろうか?」と予想できてしまうのが勿体無い。

    終盤までは現実感と異世界感がうまく調和しているが、結末で一気にファンタジーに舵を切る形へ。
    途中からの流れを汲んではいるがあまりに突飛なため、置いてきぼりにされてしまったように感じてしまった。
    続編に興味を持たせるという観点で言えば良い締め方だろう、機会があれば続編も読みたいと思う。


    読みやすい文で書かれているため一気に読み切ってしまった。

    7章構成になっているので、1日1章ずつ読むなど、細かく区切って読んでいっても良いと思う。
    読書が苦手な方にもおすすめの一冊。

  • うーん、つまらない事もないけどちょっとティーン向けかも。

    時空の狭間にある骨董屋って言うのはかなり惹かれる。
    骨董屋に売られたものから物語を見るとか素敵やけど、その物語はまあまあな内容であまり印象に残らない。

    雰囲気はすごい好きやけど記憶に残らないなー

  • 物語を骨董品から、読み取り話を紡いでいく
    ファンタジー小説。

    骨董品の店主はどこか掴めない人だったけれど、好感を持てました。

    少女の主人公も、店主も出会いから人生が変わったようで、人との出会いは宝になりうることが、あると思いました。

  • 骨董品屋の品物についての話と、現実のストーリーが交互に進んでいく。
    全体的にはファンタジーながら、主人公の母親のヒステリックさがリアルで怖かった。
    そしてそれに対する主人公が我慢強くて驚く。
    あと、美術部の少年についてもう少し情報が欲しかったかな。

  • それぞれのお話が短編のようで読みやすくたくさん楽しめて贅沢な本だなと思った

  • 「目」にまつわるエピソードが面白かったです。
    エピソードずつ話が分かれているので、読みやすかったです。
    ファンタジーが好きな方にお勧めです。
    第2巻を読んで見たくなりました。

  • 2020.09.20

  • 「革命の瞳」
    義眼が無くては生きれない。
    私欲の為に細工をし狙い通り革命は起きたが、そのせいで人生が狂い亡くなった者も居るとなると彼自身その情報を知った時どう思ったのだろう。

    「左の目の悪霊」
    浮浪者から買い取った瞳は。
    産まれた直後に取り出さなければ幼い内に命に関わる事態になるからこそ、この様な風習が生まれたのであれば禁忌は犯すべきでは無かったな。

    「眼目愛づる姫君」
    ある日突然消えた者が戻り。
    周りの皆が感じた通り彼女は居なくなった時点で誰にも知られず亡くなっていたうえ、再び生きた後も彼以外に看取られず二度目の死を迎えるなんて悲しすぎやしないか。

    「妖精の瞳」
    母と隣に住む老人だけ知る。
    どこまで逃げようと相手は人ならざる者なのだから、いつかは見つけられ持ち主に返さねばならぬ日が来るのは分かりきっていても少しでも先延ばしにしたくなるだろうな。

    「時の少女」
    意識と共に途切れた物語は。
    何年前の話か詳しくは分からないが、彼女の探し人の居場所すら分からないとなると逃亡が無事に成功し生きているのかも不明なままで不安だろうな。

    「青の王妃」
    魔神に願いを叶えて貰う為。
    始めから欲していたのは綺麗な青い色だったのか、それとも彼女の気持ちの変化と最後に互いを護り合う二人を見て気が変わったのか分からないが失わず済んで良かった。

    「瞳の力」
    貰った眼鏡と彼女の想いが。
    変わってしまったという彼には一体何者が憑いていたのか分からないが、彼女と接点を持った事により彼らの居場所が突き止められてしまったのだろうな。

  • 面白い本に出会った
    骨董品に絡んだ眼球にまつわる物語

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著者プロフィール

小林 栗奈(Kurina Kobayashi)
1971年生まれ。東京都多摩地方在住。中央大学文学部で図書館情報学を学ぶ。 表の顔は地味で真面目な会社員だが、本性は風来坊。
欲しいものは体力。 2015年、第25回「ゆきのまち幻想文学賞」長編賞受賞。 2016年『利き蜜師』で第三回「暮らしの小説大賞」
出版社特別賞を受賞し、『利き蜜師物語 銀蜂の目覚め』(産業編集センター)として刊行。
他に『利き蜜師物語2 図書室の魔女』『利き蜜師物語3 歌う琴』『利き蜜師物語4 雪原に咲く花』『骨董屋・眼球堂』
『西新宿 幻影物語』(すべて産業編集センター)がある。

「2020年 『骨董屋・眼球堂2 エディス・グレイの幻の絵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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