- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863112193
作品紹介・あらすじ
時空の狭間で語られる、奇妙で美しい7つの物語。
デパートの片隅でひっそりと営業している骨董屋・眼球堂(がんきゅうどう)には、
眼にまつわる品だけが集められている。
そしてそこは、彼方と此方をつなぐ場所でもあった。
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ある日、中学生の柚香(ゆずか)はデパートの片隅で
ひっそりと営業する骨董屋を見つけた。
眼球にまつわる品ばかりが集められたその店の名は「眼球堂」。
店主は柚香にこう言った。
「この店の骨董はどれもみな物語を持っている。君が物語を読み取れたなら、
その対価として私は君に健やかな眼球をあげよう」
店主の取引に応じた柚香はまず、ブリキの人形を手に取るが…。
感想・レビュー・書評
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殺人事件がメインのミステリーばかり読んでいると、たまにこういうファンタジーが読みたくなる。
眼球に特化したファンタジーで、なんだか目玉を取り出されそうでちょっと怖い気もする。これは私の勝手な思い。
骨董屋で主人公が人形などから7つの物語を読み取る。どれもほっこり幻想的というわけではなく、ぐっと迫ってくる物語だ。ちゃんと人間を描いている。
この作者の「利き蜜師物語シリーズ」も以前読んでなかなか面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
骨董品屋の品物についての話と、現実のストーリーが交互に進んでいく。
全体的にはファンタジーながら、主人公の母親のヒステリックさがリアルで怖かった。
そしてそれに対する主人公が我慢強くて驚く。
あと、美術部の少年についてもう少し情報が欲しかったかな。
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それぞれのお話が短編のようで読みやすくたくさん楽しめて贅沢な本だなと思った
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2020.09.20
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「革命の瞳」
義眼が無くては生きれない。
私欲の為に細工をし狙い通り革命は起きたが、そのせいで人生が狂い亡くなった者も居るとなると彼自身その情報を知った時どう思ったのだろう。
「左の目の悪霊」
浮浪者から買い取った瞳は。
産まれた直後に取り出さなければ幼い内に命に関わる事態になるからこそ、この様な風習が生まれたのであれば禁忌は犯すべきでは無かったな。
「眼目愛づる姫君」
ある日突然消えた者が戻り。
周りの皆が感じた通り彼女は居なくなった時点で誰にも知られず亡くなっていたうえ、再び生きた後も彼以外に看取られず二度目の死を迎えるなんて悲しすぎやしないか。
「妖精の瞳」
母と隣に住む老人だけ知る。
どこまで逃げようと相手は人ならざる者なのだから、いつかは見つけられ持ち主に返さねばならぬ日が来るのは分かりきっていても少しでも先延ばしにしたくなるだろうな。
「時の少女」
意識と共に途切れた物語は。
何年前の話か詳しくは分からないが、彼女の探し人の居場所すら分からないとなると逃亡が無事に成功し生きているのかも不明なままで不安だろうな。
「青の王妃」
魔神に願いを叶えて貰う為。
始めから欲していたのは綺麗な青い色だったのか、それとも彼女の気持ちの変化と最後に互いを護り合う二人を見て気が変わったのか分からないが失わず済んで良かった。
「瞳の力」
貰った眼鏡と彼女の想いが。
変わってしまったという彼には一体何者が憑いていたのか分からないが、彼女と接点を持った事により彼らの居場所が突き止められてしまったのだろうな。 -
面白い本に出会った
骨董品に絡んだ眼球にまつわる物語