世界を変えた100日

  • 日経ナショナルジオグラフィック社
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863130500

感想・レビュー・書評

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  • 日経ナショナルジオグラフィック社発行のビジュアル現代史…。1851年の第1回万国博覧会開催の写真から2005年のハリケーン・カトリーナまでの写真が掲載されている。

  • 19世紀中ごろから2005年までの世界史上の事件を、写真をもって解説しているも写真集。翻訳ものらしく、そこは我慢が必要ですし、歴史観についても若干違和感がある箇所はありますが、それはともかく、写真には魔力があるというのを実感します。

    つまり、人間は、自分の身の回りにある、直接体験できる・体験したような事実以外に関する問題点については、想像力を発揮し、或いは論理的に思考することで結論を出すしかありません。それは当たり前のことなのですが、想像を利用して結論を出している場面が多いということを意外と我々は意識していないようにも思えます。それはともかく、(憲法学的な視点は措いておくとして)たとえば自衛戦争を肯定しない人はあまり多くないでしょうし、今や集団的自衛権の話について肯定する人もいます。そして、論理的に、或いは想像力を持ってこのような問題点にとりくみ、答えを出すということは、それが具体的に体験されたことに基づきだされた結論ではないがため、本質的に非現実的なものとなります。
    しかし写真や映像は従来なら体験できなかった事実を一瞬にして視聴者に伝えるという意味で、疑似体験をもたらします。そうなると、答えを出すに際して、人間は従来より具体的な判断をすることができるようになります。その一方で、それらのインパクトの大きさは、劇薬と同じく、使い方によっては冷徹な判断・論理的な帰結を妨げる可能性を含むものです。また、刑訴の話ではないですが、撮影者の主観の介入や捏造の可能性がありながら、事実として受け入れられがちということもあります。

    まあ魔力というのはそういうイメージですが、いずれにせよ、我々が様々な問題を考える際には、自分が意識している以上に「想像」が関わっているということは意識しておかなければならないでしょう。

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