ひとさらい 笹井宏之第一歌集

著者 :
  • 書肆侃侃房
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本棚登録 : 583
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863850460

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  • えーえんとくちからえーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい

    思い出に降ってる雨を晴らそうとまずは蛇口を閉めてまわった

    「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい

    真水から引き上げる手がしっかりと私を掴みまた離すのだ


    鞄からこぼれては咲いてゆくものに枯れないおまじないを今日も

    くぎ抜きで君を抜いたらそのあとの愛が縦穴状で鋭い

    「とてつもないけしごむかすの洪水が来るぞ 愛が消されたらしい」

    美術史をかじったこたで青年の味覚におこるやさしい変化

    いつもより遠心力の強い日にかるくゆるめたままの涙腺

    からだにはいのちがひとつ入ってて水と食事を求めたりする

    「いま辞書とふかい関係にあるからしばらくそつまおしておいて。母」

    にぎるしめる手の、ほそい手の、いひとがすべて子どもであった日の手の

    影ふみのつよい人にはたくさんの影をあたえて踏ませればよい

    果樹園に風をむすんでいるひとと風をほどいているひとの声

    好きな歌は多々あれど、やはり1番初めの
    えーえんとくちから…は秀逸
    若くして亡くなった作者、
    彼の作った歌をもっと読みたかったなあ。

    読後感は、
    優しい透明感みたいなものに包まれたように
    感じる。


  • 楽しい

  • 2009年26歳で亡くなった歌人の第一歌集。みずみずしい力にあふれた歌の数々。短歌のイメージがかわるかもしれませんよ。
    (一般担当/はるさめ)

  • 初めての詩集。
    すごく、すごく、優しいものも、
    なんだか表現がグッとくるものも、
    少し怖いものもあって、
    だけど、言葉がポツポツ落ちてくる感じでよかった

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000124890

  • 2017年4月9日に紹介されました!

  • #笹井宏之 #短歌 えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力ください #返歌 むげんえんどこまでいってもむげんえん無碍ん縁たら空回りする #加藤治郎 編

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著者プロフィール

1982年佐賀県生まれ。2004年より作歌をはじめる。2005年、連作「数えてゆけば会えます」で第4回歌葉新人賞を受賞。2007年、未来短歌会に入会、同年度の未来賞を受賞。2008年、第一歌集『ひとさらい』(Book Park)刊行。2009年1月24日、自宅にて永眠。2011年、『えーえんとくちから笹井宏之作品集』(PARCO出版)を刊行。第二歌集『てんとろり』刊行、併せて『ひとさらい』再刊(ともに書肆侃侃房)。2018年、その早逝を惜しむ声を受けて、書肆侃侃房が短歌新人賞として笹井宏之賞を創設。第1回受賞者が2019年2月に短歌ムック『ねむらない樹』vol.2にて発表される。ブログ「些細」http://sasai.blog27.fc2.com/

「2019年 『えーえんとくちから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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