永遠よりも少し短い日常

著者 :
  • 書肆侃侃房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863855373

作品紹介・あらすじ

わたくしをすべてひろげて丁寧に折りなほす青い鶴となるまで

『リリカル・アンドロイド』に続く第七歌集。



日常の中に隠されているきらりきらりと輝くひかりを、そっと集めては両手で包み込んで微笑んでいる姿が目に浮かぶよう。なんでもない一日こそがきっといつか大切な日になる、荻原さんの歌にはそんな日々が詰まっています。
  ―熊谷由佳(丸善ヒルズウォーク 徳重店 名古屋市)

荻原裕幸との出会いは『青年霊歌』発表、ニューウェーブ前夜と記憶は朧。その時の新星は本作では見事に輝度を放ち、オールドスクール的存在は次世代をも鼓舞する。私はモートン・フェルドマンBGMに読み確信。
  ―古田一晴(ちくさ正文館書店 名古屋市)


【収録歌より】
三十三間堂あらたまのああこれは市川春子の線だとおもふ
元は天使なのかも知れぬ亡き父の冬天だけを撮つたアルバム
暁美ほむらが眼鏡をやめた経緯ほど寂しくもなく咲く桐の花
ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である

感想・レビュー・書評

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  • 『去年のわたしに何をどれほど加へたか木犀の香りのなかをゆく』

  • 「私」という器からこぼれた数えきれないわたしを拾い集めていくように詠んだ歌。細片回収する場所がわたしにとって馴染みのあるところが多く、それぞれの歌と自分との距離の近さを楽しんだ。
    《次はリューグーつて聞こえた名鉄のドアがひらけば夏の龍宮》
    今さらなんだけど、わたし毎日、海の上が終点の電車に乗ってたんだ。ジングウマエで乗り換えても、リンクウトコナメに行けるよね。赤い車両と青い海の鮮烈なコントラスト。日々の延長線上の透過する景色が、ふいに目の前に立ち現れる瞬間。ありふれた日常をありあまる幸福に変えてもらった気分。

  • ふとした日常がユニークに詩になっており
    クスッと笑えました。
    特に奥様の事を読まれた句は愛情を感じずにはいられませんでした(笑

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著者プロフィール

1962年生まれ。名古屋市在住。愛知県立大学卒。90年代のはじめ、朝日新聞に掲載された歌論の反響をきっかけに、ニューウェーブと呼ばれる。第30回短歌研究新人賞受賞。名古屋市芸術奨励賞受賞。第11回中日短歌大賞受賞。歌集出版企画「歌葉」プロデュース、総合誌「短歌ヴァーサス」責任編集、等、フリーな立場を活かした活動を続けている。歌集に『青年霊歌』『甘藍派宣言』『あるまじろん』『世紀末くん!』『永遠青天症』『リリカル・アンドロイド』がある。「東桜歌会」主宰。同人誌「短歌ホリック」発行人。

「2022年 『永遠よりも少し短い日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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