バンピー

著者 :
  • 静山社
3.43
  • (4)
  • (14)
  • (23)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 184
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863897274

作品紹介・あらすじ

母を病で亡くし、頼りの父は5か月前にふらっと家を出たきり行方不明。生活費だけは送られてくるものの、上から順に小5、小4、小1の妹たちの面倒を見ながら学校に通う、高校2年生の成。ある日、見知らぬ番号から着信が。それは近所のスーパーからで、妹が……えーー!? 不運、不幸、孤独、将来、不安、親ガチャ? ーーそれぞれにさまざまな思いをかかえながらも、人生のでこぼこ道を歩きだした若者たちへ、そしてすべての人へ、いまもっとも注目の児童文学作家が贈る応援歌。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「カーネーション」や「車夫」など、多くの作品で親子の複雑な関係を描いている作者ですが、ご自身の親への思いを物語で昇華させてるのかなぁなんて考えながら読んだりしていました。
    「バンピー」も爽やかに描きながら、弱い大人への強いメッセージを含んでいます。
    「オレたちは親にしばられなくていい。」
    主人公の高校生「成」君が、とても魅力的でした‼️

  • 主人公の高2の男の子、私以上に優秀な主婦っぷり。
    最初から謎が多く、読んでいくうちに少しずつわかってきますが、やや不完全燃焼。

    「心温まるストーリーを観て感動できる人って、そこそこ幸せな人たちなんだよ。信頼できる人がいてさ、ピンチのときはだれかが助けてくれて、周りの人みんなに大切にされて愛されてって、そういう主人公を見て勇気だの希望だのもてると思う?そんなわけないじゃん。もつのは殺意だよ」

    これは、結構グッときました。
    本当に辛い状況にあったら、本を読んだり幸せな映画やドラマを見る気にもならないんじゃないかと常々思っているので…

    朝日中高生新聞に連載されていたそうで、まさに「中高生向き」だと思います。

  • 母親は亡くなり、父親は行方不明。
    高校生の長男•成が、三人の妹を育てる日々に、新たな「妹」が舞い込む。

    自分の高校生活を後回しにせざるを得ない今の生活は、他の選択肢よりも、良いものなのだろうか。
    そのことを「成に甘えていた」とだけ言う、伯母の小春さんは、この小説にちゃんと出て来る唯一の大人として、どうなんだろうか。

    この作品のメッセージって、何なんだろう。

    親の弱さの皺寄せは、子どもに来ますということ?
    そうじゃないことは分かっている。でも。

    どこかで引っかかってしまう。

  • いとうみくさん、好きな作家さんの1人。
    児童書を主に書かれているが、大人の私にも十分に楽しめる!
    母親を病で亡くし、父親も家出中。
    長男高2主人公が家事を回す。
    よくあるストーリーであるが、途中、物語のアクセントとなるミステリアスな女の子が登場!

  • 児童書。 
    母親は病死、父親は家出。家事をしながら3人の妹の世話をする成。
    そこにさらに妹を名乗る女子高生が転がり込んでくる。
    さらっと描かれていて読みやすい。
    でも、そもそもの設定が過酷過ぎて、前向きな言葉もあまり入ってこなかった。

  • 家族の形はいろいろあるよ。人間って弱い生き物だよ。生きて行くってでこぼこ道を歩いて行くようなものだよ。って感じのメッセージ。登場人物に邪気がないので読みやすかった。

  • 母がなくなり、父も姿を消して5か月
    3人の妹を一人で世話している高校2年生の成(なり)の前にあらわれた高1の蛍が言った

    「あたし、成の妹」

    子どもの本からYA・青春小説まで、さまざまなかたちの家族をあたたかく描き続けるいとうみくの最新刊は、山あり谷あり、でこぼこ道(=バンピー)を歩かざるをえなくなった高校生の物語

    「朝日中高生新聞」の人気連載(2021.10.3〜2022.3.27)に加筆修正して単行本化、2022年10月刊

    「抱え込んでると先に進めないよ」

    転びながら、つまずきながら、前へ進んでいく勇気を与えてくれる

    〈だから、大丈夫。オレたちはきっと大丈夫だ。〉

    連載では明かされなかった謎も明らかに!──出版社サイトより

  • 地元の図書館で紹介されていたYA特集から手に取りました。

    全体として、一昔前のドタバタ家族ドラマにありそうな雰囲気の作品です。
    母が病死し、父が失踪したため、三人の妹の世話に追われる高校生の主人公・成。そこに高校一年生の「妹」が現れて、成の生活はますます混乱を極めてゆきます。

    「ヤングケアラ―」を取り上げた小説と言っていいのかわかりませんが(主人公が「負担」と感じているかどうかの描写が多くないため)、「人生は思うようにならないが、それでも生きてゆかなければならない」ということはある程度強いメッセージとして伝わってきたように思います。

  • 母は病死、父は家を出たまま、妹3人の世話をする高校生の少年のもとにもうひとりの妹が……。いわゆるヤングケアラーもので、わりと深刻な状況なのだが、そこまで悲壮感はなかった。

  • 父親が逃げたせいで、妹たち三人の世話を一人でする高校生の成。そんなバタバタの毎日に、さらに妹が現れて…?
    辛い話のはずなのに、出てくる人たちは明るく生きていて救われる。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

神奈川県生まれ。『糸子の体重計』で日本児童文学者協会新人賞(2013年)、『空へ』で日本児童文芸家協会賞(2015年)、『羊の告解』でうつのみやこども賞(2019年)『朔と新』で野間児童文芸賞(2020年)、『きみひろくん』でひろすけ童話賞(2021年)、『あしたの幸福』で河合隼雄物語賞(2022年)、『つくしちゃんとおねえちゃん』で産経児童出版文化賞(2022年)を受賞。そのほか、『かあちゃん取扱説明書』『二日月』『チキン!』『カーネーション』『ぼくんちのねこのはなし』『よそんちの子』など、話題作を多数発表している。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。

「2022年 『バンピー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

いとうみくの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×