ラフマニノフ: 明らかになる素顔 (ユーラシア・ブックレット No. 180)
- 東洋書店 (2012年10月1日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (63ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864590693
作品紹介・あらすじ
虚実入り混じる伝説に覆われたラフマニノフのほんとうの姿。近年急速に進んだ研究の成果により大音楽家の伝記を書き改める。
感想・レビュー・書評
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日本語で書かれたラフマニノフの評伝としては最新のものであるだけに、最も信頼に足る内容と言えるのではないかと思う。じゅうらい基本文献のように扱われてきたバジャーノフによる伝記がじつは多分に創作を含んでいたらしいという例からもわかるように、ラフマニノフについては外国語文献の内容や本国ロシアにおける研究にも混乱が深かったため、これまで人口に膾炙していたような生涯の事蹟や逸話等にも実際は不正確な点が多いのだという。一方で本書は可能な限り最新の資料や研究動向に基づいた客観的・正確な記述が目指されているようで、たとえば交響曲第1番初演失敗の原因についても、グラズノフの落ち度という従来説の紹介とそれに対する批判のあと、ラフマニノフとは微妙な関係にあったペテルブルク派閥にハメられたのではないか(大意)という新説も紹介されており説得力がある。
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従来の説で誇張され過ぎている点などが指摘されていて面白かった。
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