- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864780018
感想・レビュー・書評
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初心者の私。とっても勉強になりました!先日読んだ「アトリビューション/田中弦 他」と組み合わせたら結構概要はつかめる!
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DSP, RTB, Audience Targetingの解説から始まり、これらを利用した広告戦略のノウハウを提示する。
枠を売り買いしては打った気になる広告ではなく、属性に適した人に対して打つ広告という考えの基、話は進められる。
広告の目標(CV)にたどり着くまでの必要な段階や作戦を紹介し、同時に誤った方策も指摘している。
本当に「ユーザーの性質に応じる」という部分を最重要視していて、すっきりと内容が伝わってくる。
私はこれを読んで、実務適応可能かをずっと考えていたが、すべて内製するとしたら不可能に近い。しかし、本書でもよく現れるGoogle製品をフル活用していけば、なんとか辿り着くのではないか考える。
内容は以下のとおり。
【紹介】
Title: DSP/RTB オーディエンスターゲティング入門
author: 横山隆治、菅原健一、某田良輝
date: 2012/5/12
これまで広告は「枠」で売り買いがされてきたが、
「属性に応じた人」に対して打つ広告の方が効果的である。
属性の割り出しにはビッグデータを回収した上で、
分析に掛ける必要がある。
例えば、CVを購入とした際には、一緒に買ったもの、購入時間、
購入メディアなどを調査し、購入者の属性を定義する。
その属性に対して、広告を打つと効果が出る。
広告の打ち方を最適化するには以下の点を調査する必要がある。
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レスポンスの良い....
・媒体
・時間帯
・オーディエンス
・クリエイティブ
・回数
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またCV達成には段階を分けるとよい。
その中で、打つべき施策などもまとめたものが以下のとおり。
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1, 認知施策
【知らない→知っている】
集客の最も根幹
サイト訪問者/ブランドワード検索者/サイト訪問頻度の向上
★純広・オーディエンスターゲティング
⇒ブランド訴求
2. 欲求施策
【知っている→欲しがる】
販促の根幹
特定ページ訪問者/特定ワード検索者/特定ページ訪問頻度の向
上
★リターゲティング、純広、オーディエンスターゲティング
⇒サービス/商品訴求
3. 獲得施策
【欲しがる→購入する】
最終段階
購買件数/売上/利益の向上
★リスティング、リターゲティング、純広、オーディエンスターゲティング
⇒期間限定/価格訴求
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※参考【AIDMA】
商品認知から購入までの消費者の段階
1. Attention(注意)
2. Interest(関心)
3. Desire(欲求)
4. Memory(記憶)
5. Action(向上) -
デジタル広告配信の仕組みを初心者レベルから掴めるように書いてくれている。
非常にわかりやすい。 -
「DSPが入札し、SSPが応札する」と言っているけど「応札」って入札書を入札箱に入れる特定のフェーズを指す言葉で、応札=bid response だよ business-textbooks.com/nyuusatsu-ousatsu/
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ちょっと前の本。「枠」を買う広告から「人」を買う広告へ変わってきた現状、それを成し遂げたDSP/RTBの仕組みとともに解説。消費者の態度変容の中で、コミュニケーションはどうあるべきか、最後のクリックで語りがちなこの業界に、その手前でのAwarenessとしての効果も説く。
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金融工学が生み出したDSPなどのアドテクを紹介している。ADNW、Ad Excange、SSP、DPS、RTBなど、どのような背景で進化してきたのかが分かりやすく説明されていた。
単純に興味がありそうなユーザーに広告を配信すれば良いというわけではなく、ロードバケットを意識して、しつこいと思われない施策をする必要がある。
どの広告にも共通していえるのは、ユーザーが知りたい、求めている情報、または必要だと思わせる情報でない限り、広告はスパムになってしまいかねないということ。 -
DSP = Demand Side Platform (Digital Signal Processorではなかった!)
RTB = Real-Time Bidding
の略だが、そんなことも知らなかった自分でもよくわかった。実際にこの世界でビジネスをしている人の手による著作なので、技術や抽象論だけではなく現実のビジネスの状況まで解説されていて役に立つ。日本のネット広告ビジネスの過去の歴史まで触れられていて興味深いとともに、そのことが本の内容にも信頼性を与えている。非常におすすめできる本。
DSPとは結局、広告を出す側が都合の良い条件をもとに入札して、SSPが応札する、というもので、メディアとクライアントとの新しい関係がネット広告では構築されるということを意味する。広告の需要と供給を市場でリアルタイムにマッチングするシステムが常に動いているということである。おそらくそのシステムは広告の需要事態を創造しているともいえるかもしれない。さらに、できる限りその効率性を高めるために、アクセスするユーザのプロファイルや行動をもとに精緻なターゲティングが行われている。そのために必要なシステムがDMP (Data Management Platform)である。これがまた恐ろしく発展していて、Cookieなどを使ったネット上の行動だけでなく、リアルな行動まで総合的に把握して、より効果的な広告を打つことを可能にしている。これをオーディエンスターゲティングというらしい(これも初めて知った)。これが副題の「枠から人へ」の意味だ。たとえば、以前に自分のところで買物をしてくれた人を捕捉して、その人向けの広告を優先的に高い単価でビッドするようなこともやられているらしい(リターゲティングというらしい)。さらには同じ広告を複数のサイトであっても何度も見ないようにレスポンスを見て出し方も調整するらしい。もちろん認知を得るための広告と、購買行動につなげようとする広告とでも、あるべきロジックは全く違うものになる。
そういえば全然別のサイトでの行動がすぐにFacebook上の広告に反映されていて驚くことも多い。世の中まだまだ自分が知らないことが多い。
そういった中で、Googleなどの巨大アドエクスチェンジが発展しているのが現代だ。その大きな発展がゆえにGoogleはあれだけの巨額の利益を計上できているのだ。単にAdWordで検索文字に対して広告を出しているだけで儲けているわけではないということだ。Google MapsもGmailもAndroidもおそらくそのビジネスに我々が想像する以上に貢献しているに違いない。
とにかくネットでの広告の実情がものすごく進化しているということを理解する必要がある。PVとかCTRだけの話ではなく、深い話になっている。それはとりもなおさず、CPUとネットワークがものすごく進化をした結果だ。広告の動的な価格付けには高度な金融工学が利用されているとのことだが、リーマンショックで多くの金融関係での失業者が流れ込んできて一気に発展したというのも面白い。
著者は、マーケティングメディアをPaid Media、Owned Media、Earned Mediaの3つに整理して再構成して考えないといけないという。その先にはかなり大きなビジネスが広がっているんではなかろうかと思った。まだまだ歴史の浅い業界だけに、広告の世界とネットの世界の両方を知っている人材が重要になってくるんだろうな。
スマートTVにも少しだけ言及されている。テレビ業界への影響も当然ながら大きいんだろう。意識しとかないとな。 -
近年のネットワーク広告の概要を、システム・ビジネスのモデルと交えて解説。
ネットワーク広告についてほとんど知らなかったこともあり、色々と知ることができました。 -
まあ、ふ〜んって感じ。
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koboで読了。
仕組みが複雑でなんとなくしか理解できてなかったDSPについてのお勉強用に購入しました。
日本のネット広告業界のパイオニア的な方の本なので、
単純にDSPの仕組みの説明が分かりやすいのはもちろんのこと、
それを実際のマーケティングにどう落としこむかといった部分や
広告業界やマーケティング論のへの位置づけ方なども把握できたのが良かった。
DSP、RTBだけでなく、
アドネットワーク、第三者配信、DMP、オーディエンスターゲティング、アトリビューションなどなど、
最近のアドテク周りのトピックを一通り扱っているので、
マーケティングや広告に関わる人はぜひ読んだ方が良い一冊です。
以下は備忘用メモ。
・リターゲティング拡張
⇒広告主の特定のページに訪問したユーザと同じようなユーザを探す技術。自社のCVページに到達した人と同じような行動(ページ遷移など)をした人が見つかれば、その人はCV期待値が高いといえる。実際には自社の内部オーディエンスデータを利用してDSPがそれと似た人を類推し、広告配信する。注意点は、内部データを元に外部から探すことになるので、行動が同じだとしてもあくまでも「ブランドを知らない」ユーザであり、認知施策から始める必要があるということ。
・Look-alike
⇒外部オーディエンスデータのリストの中にCVした内部オーディエンスデータが含まれているかを調べることで、CVした人がどういうオーディエンスだったのかを知ることができる。
内部外部のオーディエンスデータを利用する点ではリターゲティング拡張と似ているが、似ている人を探すのではなく、CVした人が外部オーディエンスのどこに所属していたかを知る手法であり、オーディエンス名を知ることができる点が特徴。これによって、これまで知り得なかった顧客像を知ることができる。
(語学学習サービスのCVデータを調べたところ、「育児」「女性」というデータが見つかり、従来のMBA取得や外資系のために英語をというビジネスマン像以外に、育児の合間に資格取得を目指す女性という新たな顧客増を発見、など)
・ロードバケット
⇒フリークエンシーの調整に関して、フリークエンシーに反応と時間の概念を加えた考え方。一度広告に反応し、しばらくは広告に反応しないユーザにもある一定の間隔を経過した後に広告を表示する手法。
フリークエンシー10回で設定した際に、10回配信したユーザにはそれで終わりとするのではなく、一定期間をおくことでパフォーマンスの改善をはかり、ブランドを忘れずにいてもらうために行う。
・マーケティングの3STEPとDSPの位置づけ
⇒潜在顧客を「認知」「欲求」「獲得」の3段階で管理する。
1:ブランド(商品)を知らない人に対して認知施策(知ってもらう)
2:ブランドを知っている人に対して欲求施策(欲しいと思ってもらう)
3:欲しいと思っている人に対して獲得施策(買う方法を提供する)
マーケティング施策を構築する際には、顧客のステータスをしっかりと管理し、認知から獲得まで途切れないようにコミュニケーションを行う必要がある。
DSPはこの3STEPの中で一番重要な知っている人が欲しい人になるためのコミュニケーションを担うことができる。
・第三者配信のメリット
1:媒体を横断した統一のカウントと統一のレポート作成
2:媒体ごとの比較
CT、impの情報を媒体横断で得ることができるため複数媒体のユーザ重複率などを出すこともできる
3:クリエイティブの最適化
複数画像のローテ配信、効果比較後の選別などを任意に行うことができる。また画像だけでなくリンク先も変更可能。
4:グローバルフリークエンシーとシーケンス配信
グローバルフリークエンシーとは複数媒体にまたがるフリークエンシーの総計。
シーケンス配信とは表示した回数によって広告画像の切り替えを行うこと。例えば1~5回は認知、6~10回は商品訴求(欲求施策)、それ以降は他の商品、など。もちろん平均から外れるユーザに回数判定だけで商品訴求に移っても効果が無い場合もあるが、内部オーディエンスデータと掛け合わせサイト訪問などからステータス管理も同時に行う必要がある。
・日本の第三者配信
⇒日本で普及の遅れた原因の一つは日本最大の媒体ヤフーがタグ入稿を受け入れなかったこと。
また、広告主もアドサーバ利用料の負担を嫌い、バナーのクリック後のデータのみを効果として扱った。そのため掲載面のパフォーマンスばかりを突きつめることとなり、ポストインプレッション(クリックはしないが広告表示を見ることでサイト訪問に至った効果)を測定することができず、クリエイティブパフォーマンスの努力が薄れていった。