マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代

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  • 幻戯書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864880855

感想・レビュー・書評

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  • 西洋の歴史から、美術をからめてミステリーの成立についていろいろ論じている。中世が「信じる」「多視点」であり、近代に向けて「見る」「単視点」「写実」に移行してゆき、産業革命に至って、ミステリーが誕生したとする。6作品について詳しく分析しており、特に文体に注目している。ミステリーが、「近代」というものの産物ということがよく分かる。
    「時の娘」(ジェフリー・テイ)
    「緋色の研究」(コナン・ドイル)
    「アッシャー家の崩壊」(エドガー・アラン・ポー)
    「荒野のホームズ」(スティーヴ・ホッケンスミス)
    「薔薇の名前」(ウンベルト・フーコー)
    「私の名は赤」(オルハン・パムク)

  • 図書館
    直木賞を受賞されましたな。ということで著作一覧を眺めていたところこちらが目に止まりました。
    ミステリには造詣が極めて浅いので、紹介されている作品もほぼ未読......『時の娘』『薔薇の名前』『私の名前は赤』『荒野のホームズ』などなど、気になる作品ばかりでした、いずれ読んでみたい。

    文章の視点についての話がとても興味深かったです。

  • 多分面白いのだと思うし、実際面白いと感じて読み進められたところもあったのだが、門井さんの「文体」が全然馴染まずで、ページが俄然進まずだった...!

    具体的に、「ここで展開するよ」を特に強調する改行(「ところで」「いや」など)や、そのテの記述手法がくる度に、「またー!」となってしまって、それのどこが気になるのか自分でもよくわからないのよくわからないのだが、とにかく読書体験として心地良くなかったようだ(涙)

    こういう本て、時々出会うなーと思いながらも手に取った責任を感じて読み切った。

    なんのこっちゃな人もいるはずなので、全くの主観からの星二つ。しかし、紹介されていた「わたしの名は紅」は興味深く、読んでみたいと思った。

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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