広い世界と2や8や7

著者 :
  • 左右社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865280050

作品紹介・あらすじ

穂村弘絶賛!!
口語短歌の金字塔と言われた第一歌集『日本の中でたのしく暮らす』から8年。
ゼロ年代の短歌シーンを代表する歌人・永井祐、待望の第二歌集。
どこにでもあるような都市の風景、仕事、人間関係。それを切り取る永井祐の手つきによって、世界はこんなにも広々と私たちの前に立ち現れる。

永井祐の登場によって短歌が、
目の前の世界の見え方が、
変わってしまった。
もうもとにはもどれない。
なんてことをしてくれるんだ! ー穂村弘

【収録短歌より】
よれよれにジャケットがなるジャケットでジャケットでしないことをするから
雪の日にカレー屋に行く雪の降る地域の人になってみたくて
5000円あっという間に交通費でなくなってPASMOが光ってる
春はとっくにどこかとおくに行っていてテレビとデッキリモコンちがう
真夜中はゆっくり歩く人たちの後ろから行く広い道の上
体当たり猫がしている 猫が体当たりしている 光の会話
アイスサンドというアイデアの出所を不思議に思う人思わない人
「ヤギ ばか」で検索すると崖にいるヤギの画像がたくさん出てくる
セロテープカッター付きのやつを買う 生きてることで盛り上がりたい
午前中に雨 30分LINEする それでは令和でもよろしくね

感想・レビュー・書評

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  • ぬるくてゆるくて軽くて。
    でも、この常温、常態を保つにはものすごく胆力と覚悟がいるんだろうな、と感じた。
    楽しくても辛くても鼻歌でちゃうんだよ、と云うひとにおすすめの歌集。

    [流れ込むように電車にのるときに入り口付近にたまりたくなる]

    [お賽銭箱に十円を入れてみて空気をつたわっていくいい音]

    [冬のなか立体的に見えてくるきみとビスケットを選びたい]

    [今年だな去年じゃなくて エレベーター気づいたときに十階に着く]

    [1月が何回も来てほこりのようにかさなる友達のエピソード]

    [年が明ける 配信サービスのせいでむしろあかるいTSUTAYAへ向かう]

    [あらゆることがノーオフェンスでやってくる かがむと猫が近づいてくる]

    [仕事にいく途中に柿の木があって実がなっているいつ見たときも]

    [言わないと伝わらないということが不思議なような天井がつづく]

    [カートリッジを替えたみたいに金髪がきれいになっている朝の人]

    [翅があるのにはやく走っている虫はうけると思う 九月は熱い]

    [その夜のラゾーナの三階からのながめはさびしかったから覚える]

    [暗くしてパソコン画面を特別な四角だと思って映画見る]

    [二百年生きるペースで生きていく 玄関に階段がある家]

    [電車の中がなんだか変でうずくまった話をしっかり受けとめる]

    歌集は一番最後から読む癖があるので、引用歌が本の後半に集中してます。
    図書館で借りたのですが、手元に置きたい。

    追記
    あと、何となく、オダジョーの声で朗読してもらいたい…。

    • まことさん
      5552さん。
      55527さんと、打ち間違えましたm(_ _)m
      5552さん。
      55527さんと、打ち間違えましたm(_ _)m
      2023/12/29
    • 5552さん
      まことさん

      おお、そうだったんですか。
      まことさんはちゃんと書いてらっしゃったんだけど、私が間違えて記憶してたんですね。失礼しました。
      同...
      まことさん

      おお、そうだったんですか。
      まことさんはちゃんと書いてらっしゃったんだけど、私が間違えて記憶してたんですね。失礼しました。
      同じ日本でも雪国はパラレルワールドだなあ、と思っていました。

      いえ、私はわかるというより、「なんか…好き!」と、感覚で分かったつもりになってるだけだと思います。
      歌人の方の評を読むと難しくてよくわからなかったりする場合もあるので。
      でもま、好きだけでいーじゃん!と思ってます。
      でも、もっと理解したい気持ちもあります。

      『おやすみ短歌』枡野浩一さんが携わっているアンソロジーですね!
      私も思い切って買いました。まだ読んでませんが、頑丈な装丁の本ですよね。
      ところで、解説付きの短歌の本といえば、東直子さんの『短歌の時間』はお読みになりましたか?
      読者からテーマを決めて募った短歌を東さんが選んで講評する東さん版『短歌ください』です。
      こういう短歌、詠んでみたい!と、憧れます。

      『おやすみ短歌』のレビュー楽しみにしています♪
      2023/12/29
    • まことさん
      5552さん♪

      『おやすみ短歌』のレビューは、引用ばかりで、たいしたレビューではないので、期待しないでください。5552さんも、持っていら...
      5552さん♪

      『おやすみ短歌』のレビューは、引用ばかりで、たいしたレビューではないので、期待しないでください。5552さんも、持っていらっしゃるのなら尚更です。

      東直子さんの『短歌の時間』は解説付きなのですね!
      本棚登録させていただきます。
      ご紹介ありがとうございます!

      2023/12/29
  • 体当たり猫がしている 猫が体当たりしている 光の会話

    あのときああでよかったなっていうような今だといいなと思うと思う

  • 少し難しい印象を受ける歌集。
    とても有名な歌人さんなので少しこなれているような印象を受けるかもしれない。
    自分にはまだ早い…かもしれない…。

  • 詠嘆とかそういうのではない歌だ

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著者プロフィール

永井祐(ながい・ゆう)
1981年生まれ。
2000年ごろに短歌をはじめる。
学生のときは早稲田短歌会に所属。
2001年、北溟短歌賞次席。
2004年、歌葉新人賞最終候補。
2012年、歌集『日本の中でたのしく暮らす』(BookPark)。
2019年から笹井宏之賞選考委員。
2020年、歌集『日本の中でたのしく暮らす』短歌研究社より再刊。
ブログ「短歌のピーナツ」。
ガルマン歌会などで活動。

「2020年 『広い世界と2や8や7』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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