時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。

著者 :
制作 : 小川淳也(取材協力) 
  • 左右社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865280456

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    政治に関してはずぶの素人である和田さんと、現職の国会議員である小川さんとの政治問答。内容が「政治」とあって難しそうに見えるが、決して形式ばったディスカッションではない。むしろ小学生の社会科見学のように、疑問と驚きを交えながら政治の世界を覗いていく、そんな一冊だ。

    筆者である和田さんは結構な大人(50才)でありながら、政治経済に関しては本当にぺーぺーである。税金や社会保障のことなんて、「良く分からないけど、高いので嫌いです」というレベルの知識しかない。
    対する小川さんは立憲民主党の現職議員である。保守政党の自民党よりはだいぶリベラルだが、立民の中では割と中道寄りとのこと。市民の生活に即した感覚を持った、バランス型の議員と言えるだろう。
    インタビュー当時は、自民党政権のコロナ対応がお粗末だったこともあり、対談する中で現政権のかじ取りに対して語気を強める場面が目立つ。特に和田さんはこの年までずっと苦しい生活をしてきたこともあり、自民党に対する怒りの気持ちを隠さない。対して小川さんも自民党に対してはもちろん批判的なのだが、ただの罵詈雑言で終わるのではなく、むしろ「彼らを支持する人たちの中にも、きっと苦しい人はいるはずだ。それを考えてみよう」と、歩み寄りの気持ちを持っている。日本を良くするのは、特定の誰かと戦うことではなく、弱さや無知などの構造的な背景と戦うことだ。小川さんはそれを重々理解している議員であり、揚げ足取りや過度な批判だけでお茶を濁すことはない。必ず「こういうことから変えていきましょうよ」という建設的な意見をくれるのだ。

    小川さん「安倍さんの支持者には確信的な支持者もいれば、知らないまま流されて支持している人もいる。そして支持者の多くはもしかしたら生活に人生に失望している、さまよえる人たちじゃないか。その人たちを自分とは違う人たちだと除外していいのか、考えてみてはどうだろう?」

    そんな対照的なコンビだが、これが不思議とカッチリとハマり、いつの間にか面白い対談ができあがっていく。中学生レベルの和田さんに対しても、小川さんはずっと並走してくれており、素人質問にも「たくさん考えていて素晴らしいです」とほめてくれる。そのうち和田さんの「なんだかよく分からない」がきれいに解きほぐされていき、いつの間にか民主主義を語り合う「政治対談」ができあがっていく。

    本書で凄いと思ったのは、筆者の和田さんがみるみるうちに政治を語ることができるほど成長してくことだ。そもそも最初から和田さんは「がんばる人」だった。無知のまま現役国会議員に質問するなんて、普通じゃ怖くてできない。でも、「わからないのは恥ずかしいことじゃない」というスタンスで、何度も何度も質問を繰り返す。いくら聞いてもすんなり飲み込めないものを、必死でかみ砕いて嚥下し、自分の中に消化していく。そうした「ゼロからはじめる勇気」は普通、いい大人が持てるものじゃない。そんな勇気をもって毎日夜の3時まで政治の勉強を続けていたら、いつの間にか言いたいことが自分の言葉で言えるようになっている。

    そして小川さんも、議員の鑑と言っていいぐらい本当に真摯な御方だ。手間をかけ、時間をかけ、今の政治の問題を和田さんに解説していく。しかも相手は知識のない素人だし、感情的な議論を持ち出してもくる。原発のときの話なんて喧嘩一歩手前の雰囲気だったが、そういうふうに議論が激しくぶつかっても、丁寧に説明を繰り返していく。まず目標として2050年までに再エネ100%を達成しなければならない、すると年間3%のシフトが必要だが、そのためには化石燃料に課税しつつ、ある程度原発を稼働しなければならない。反対する人も確かにいるが、ゴールから逆算すると、原発を今すぐ停止しては成り立たなくなる。きちんと実現可能な道筋を立てることで、この国のやるべきことが見えてくる。

    不可能な青写真をばらまいてポピュリズムに走るのではなく、きちんと現実を見つめた上で、現在の居場所と問題を提示し、解決方法を二人三脚で探っていく。

    そう、政治ってそういうものなのだ。どこか遠くに感じる人口問題や社会保障の問題を、国民一人ひとりが消化しきれるぐらい噛み砕いて、自分ごとに落とし込んでいく。そのプロセスを通じて身の回りの社会を少しずつ見つめ直すことで、「こんな国に住みたい」と自分の言葉で言えるようになる。こうした地道な試みが、「民主主義」の第一歩なのだ。

    ――私が「日本の問題が何か少し分かってきたら、別に何も変わってはないけど、不安がちょっと減ってきたと思う」と言うと、小川さんがたいそう喜んだ。「その言葉が希望だ」と言う。「小川さんが最初にそう言ったじゃないですか」と言うと、「みんながそう思ってくれることが願い」だと。国の問題を政治家と一緒に考え、悩み、理解すること。「それをする人が一人でも増えれば、将来に向けて問題はほぼ解決したに等しい」ことになるという。

    ――――――――――――――――――――――――――
    【まとめ】
    0 まえがき
    筆者は衆議院議員の小川淳也氏(立憲民主党)に、日本の抱える政治的問題についてインタビューする。昨日までの今日が、明日もまた確実に続く、その時代を確かに手にするための仕組みを知りたい。その思いから、共同で本を作ることを決めた。
    しかし、筆者は政治の知識がゼロで、何がわからないのかがわからない。小川さんと一緒に、広大な政治の世界をそろりそろりと歩くことから始めていった。


    1 最大かつ最難関の「人口問題」
    日本が抱える一番大きな問題は、やはり「人口問題」である。これは人類が歴史上初めて向き合う課題であり、世界中で同じ課題を抱えた国がたくさんある。日本はその先頭を走っている。
    人口が減少し続ければ、経済が成長することを前提に政策の基本を置くことはできない。社会保障、インフラといった、従来の社会構造の基盤を根本から作り変える必要がある。そのため、今の政治家は、長らく上昇曲線の中で作られた政治と社会を、下降曲線に耐えられるものにリビルドするという、歴史的な使命と世代的な宿命を背負っている。

    国家の屋台骨を作る基礎が「統計」であるが、2018年に、厚生労働省が統計を不正に歪めていたことが発覚する。2014〜2017年、安倍政権下で統計不正が行われていた当時のニュースを思い出すと、アベノミクスは成功し、賃金は上がり、個人消費は回復していると喧伝されていた。でも、そんなことは実感できなかった。暮らしは日々苦しくなり、不安は大きく膨らむばかりだった。社会は不景気にどんどん傾いていた。不安を大きくしたのは、政治だ。

    小川さん「安倍政権が作った日本社会を定義すると、対外政策、外交、安全保障政策は明治の日本を目指し、経済、社会政策は昭和の日本を目指していたと思います。もうちょっとかみ砕くと、明治の日本は明治憲法のもとで、天皇主権の貴族社会。富国強兵で軍事力に相当力を注ぎ、植民地経営まで行う独立国家でした。安倍さんはそういうタカ派(武力行使も辞さない強硬な姿勢)外交安全保障政策を目指していたと思います。一方で経済、社会政策では、昭和の高度成長を前提とした、豊かで強い成長する日本を目指していましたね。ただ、実際にやれたことは、憲法解釈の変更と集団的自衛権の容認だけ。それから金融緩和。目指したものにくらべると、小さかったかもしれません。」

    この20年で格差が広がり、人と人とが分断させられてきた。そのことが、いろいろな生きづらさの原点にある。


    2 借金まみれの財政と伸び悩む経済
    日本の借金は1000兆円を超えており、その大部分は社会保障費。その中でも高齢者向けの社会保障費に、われわれの税金が充てられている。現役世代に向けた社会保障費は、他の先進国に比べてほぼ半分と言われており、バランスを欠いている。
    小川さんは、基礎年金はみんなに7万円〜20万円程度の金額を、それぞれの現役時代の年金の掛け金に応じて保障するという制度設計がちょうどいいと考える。最低保障額を大幅に増額して一人7万円程度にまで引き上げ、同時に高齢でも自前で一定の収入、現役世代の平均収入の50%以上がある人には、一部我慢してもらう。我慢を強いられる人からしたら「とんでもない」話だが、今まさに国のかたちを変えるべき事態なのかもしれない。
    何より必要なのは、国民負担を真正面から議論できる政治である。「将来のためにはここでやるしかない」と決断し、その理念を国民が納得できるよう説明する政府である。

    他国では政府が無償、ないしは安価で提供するような財・サービス――例えば住宅、教育、育児・保育、養老・介護等――の獲得に必要な資金を、日本では減税で還付してきた。つまり日本は「減税」することで、「自ら働き、自ら助ける社会」を築いてきた。増税を拒否し、減税に喜びながら、実は自助に追い込まれてきたのだ。

    小川さんの描くインフレ政策は、消費税を段階的に上げていくという常識とは真逆の発想。ただし、上げたぶんを全て社会サービスと現金給付で国民に返し、金を循環させていく。加えて法人税、相続税も今より上げることを見込んでいる。

    小川さんは、社会構造を変化させる方法については、「トータルのプランを提示したら、最終的に国民投票にかけたい」と述べている。「国民自身の手で決めてくれと。誰かがいつのまにか制度を整えてくれるという世界観ではもはやないので、自分たちの手で乗り越えたという経験的な厚みと社会制度の変革を、同時進行でこの国にインストールできたらいい」

    これからの社会保障を立て直すには、政治家と私たちが共に侃侃諤諤、話し合うことは必須だ。政治家側に任せるだけじゃなく、私たちも、その責を負ってこそ、解決に向かう。その実感は大切だ。自ら汗することなく、この大きな局面を乗り越える力は湧いてこない。


    3 硬直化する労働市場
    硬直化した雇用市場を柔軟に作り変える。そのためには、
    ・退職金の優遇税制を段階的に見直す。退職控除と退職金そのものを少しずつ縮小し、浮いた額を小分けにして給料に上乗せさせる。
    ・最低賃金を1500円まで上げ、扶養控除を撤廃する。正規と非正規の区分けをなくす。その代わり、パートも時給から社会保険を払うようにする。

    鍵は、一人の人生を一つの企業に一生縛り付ける文化を変えることである。正社員だけが年功序列文化のメリットを受け続ければ、非正規との格差が広がるばかりだ。社会制度上で不利や齟齬が生まれないように、社会の変化に対するダイナミズムをつけなければならない。


    4 政治をどう考えるか
    小川さん「原発もそうだし、化石燃料もそう、辺野古もそう。指導者が都合のいいことを言うけど、それ以外は隠し立てしてウソをつくか、そうじゃないこともきちんと説明して、説得することに少なくとも努力をするか、それによって抱えている問題も見え方が変わります。指導者の能力と覚悟次第で、風景を変えられる可能性はあると思います」「今、権力者の側からすると、オリンピックを国民がああだこうだ言おうと、物言う国民を反日呼ばわりして押し切ってしまえば問題ないと考えています。彼らは少々横暴を働こうが、さぼろうが、『オレたちは政権交代させられることはない」という慢心、油断の塊みたいになってるんですね』

    日本には政治の選択肢が1つだけしかない。現政権を諸手を挙げて賛成とは誰も思っていないが、我慢せざるをえない。それは国民の責任ではなく野党側の責任でもある。

    民主主義とは、人間の尊重ということにほかならない。
    豊かさと平和を担保して、人々の心と暮らしに少しの余裕とゆとりを芽生えさせ、民主主義がもたらす手間とコストを引き受ける用意と決意を求める。それはかなり長期戦になるかもしれないけど、その覚悟もあわせて求めていきたい。そのための脱成長であり、再分配だから。逆を言えば、民主主義をとると決意することは、絶対にこの平和と豊かさを保持すると決意することだ。

    明日の幸福を築くには、政治が欠かせない。たとえ新たな不安が芽生えても、不安の原因を探り、原因が分かれば、そこに解決の道筋が見え、不安が縮んでいく。私というひとりの不安が解消されていくことは、日本に住む多くの人の不安が解消されていくことだ。私の不安は決して私だけの不安じゃない。私は不安をそのままにせず、不安を解決するよう、政治を考えることを続けたい。当事者として、あきらめることは、止める。これから先、私は、私なりの幸福にあるのだ。

  • 【無料公開】はじめに/和田靜香『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』より|左右社|note
    https://note.com/sayusha/n/neaef2e3f526b

    時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。 | 左右社
    http://sayusha.com/catalog/books/p%E6%99%82%E7%B5%A6%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%A4%E3%82%82%E6%9C%80%E4%BD%8E%E8%B3%83%E9%87%91%E3%80%81%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%A3%E3%81%A6%E7%A7%81%E3%81%AE%E3%81%9B%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆人思い泣ける感性こそ政治に
      [評]高橋秀実(ノンフィクション作家)
      時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。...
      ◆人思い泣ける感性こそ政治に
      [評]高橋秀実(ノンフィクション作家)
      時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。 和田靜香著、小川淳也取材協力:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/137090?rct=shohyo
      2021/10/18
  • 【意見が異なる人と、どのように関わるか】

    むーん、面白かった! 読み応えあった!
    2020年から2021年半ばという、新型コロナウイルスによって社会が激動した日々が、ギュギュっと詰め込まれている本です。
    そうそう、こんなことあって悔しかった、私はいつも何かにすごく怒ってた、と、言葉にできなかった気持ちを、形にしてはっきり見せてもらえた気がします。

    特に印象深かったのが、「分断はそれぞれの心の中にある」と題されたコラムで書かれていた、「寛容」と「不寛容」、それから「他者の合理性」という言葉。
    私は、普段はどちらかと言えば、もっと人それぞれ自由なあり方が認められる社会になってほしいなあ、と思っているけれど、反面、それを制限する意見やその持ち主がいたとして、その制限の対象が自分に向けられている時は特に、自分から線を引いて閉じこもってしまうことがあるなあ、と。
    でも、薄々わかっているけれど、自分の自由を守ることは大前提とした上で、極端に相手に拒絶感を持って関係を断とうとするのではなく、冷静に意見を伝え合う関わり方ができたら、もっと強くなれる気がする。

    文中で紹介されていた、
    「淡々と、冷静に、あるいは世俗的に認め、そこに合理性があるということを理解し、隣人になる」
    「特定の誰かと戦うんじゃなくて、弱さとか無知とか、構造的な背景と戦う」
    という考え方について、もっと知識を深めて、拙くても自分なりに実践してみたいなと思いました。

  • タイトル付けがとても上手い。とても気になって買わずにはいられなかった。

    内容としては政治に関心のなかった50代の女性が立憲民主党の議員さんに政治の質問をするというもの。質問の内容は税金やジェンダー問題や環境問題など様々なジャンルにわたる。

    正直に言えば内容は初歩的な部分も多い。それは筆者も認めるところで、本書はかなり入門書のレベルだと思う。しかしこれまで政治について考えてきてこなかった読者にとっては、まるで筆者とともに政治について再入門できるような、そんな良書に思えた。

    個人的にいいと思えたのは、巻末の参考図書一覧。そこには20冊以上の書籍がリストアップされている。とても興味深いものが多く少しずつ消化していこうと思った。

  • ここのところ、小川淳也さんが熱い。映画「香川1区」を見て驚いた。政治家ってこんな感じなの?生徒会長みたいな青臭さ。生真面目さ。こんな人が魔窟のように見える政治の世界でやっていけるの??と。

     この本はライターの和田静香さんが素朴すぎる疑問を国会議員である小川淳也さんに投げ、対話をする本だ。選挙に行って投票しても何も変わらないじゃないか。いつも税金は高いじゃないか。若くないと働けないじゃないか。環境問題、エネルギー問題、人工問題ってでかいことばかり言うけど、私の明日の暮らしはどおしたらいいの?こんな感じの私も思ってる素朴な疑問に小川淳也さんは丁寧に答えたり、時には議論したり。小川さんが知らなかった事には「勉強不足でした。ごめんなさい」と謝ったり。

     最終章である「不安をそのままにしないための政治」での2人の対話がとても好きだった。政治って何に向かっていくの?やっぱり幸せになるため、幸せを継続するためだよね。幸せって?という質問に答える政治家ってあんまり見たことない。でもその幸せの形が自分と近い人に、代表になってもらい、政治をおこなってほしい。そのためには、私たちも選挙という形で政治に参加する。参加したからには、一緒に考えたい。お互いにどうしたいか、どうしたらいいかを考えて議論して進めていくことが大切なんじゃないか。と、思わせてくれる対話だった。

  • 政治には疎い、56歳のフリーライターの女性が衆議院議員の小川純也さんに面談。あれやこれやと素人目線で質問をくり返しながら政治の問題点を身近に引き付ける。
    「人口問題」「税金」「社会保険」「年齢差別」「移民問題」「原発問題」「沖縄基地問題」・・・すべての問題が私の周りで渦巻いているが、一向に改善の兆しもないままに時間だけが過ぎ去っていく。

    「一人ひとりの幸福を追求するための土台を作っていく作業を『政治』と呼ぶ」政治学者の中島岳志さんの言葉。

  • 対話相手の政治家の財政論などについては賛同しづらい点はあるものの政治や社会問題に対して考えるとっかかりとするには非常に良い本だと思う。
    巻末の参考書籍を読み進めて理解を深めていきたい。

  • 「世界のおすもうさん」で
    和田静香さんという稀有なノンフィクション作家を知り。
    「なぜ君は総理大臣になれないのか」で
    小川淳也さんという稀有なる政治家を知る。
    どちらも
    じんわり心に沁みてくる作品たちでした。

    その作品のお二人が
    がぶり四つに組んで
    ああでもない
    には こんなこともある
    こうでもない
    には こんな考え方も

    と「問題」「疑問」を
    ほぐして 読み解いて
    真摯に受け答えがされていく

    「言葉」に「真(まこと)」がある
    やり取りには
    読み手の「良心」まで
    引き出されてくる
    そんな感じがする

    すてきな一冊です

  • めちゃくちゃ面白い。
    政局のごちゃごちゃ、誤魔化しではなく、正面からちゃんと政治のことを考える。

  • 勉強不足な自分にもとても分かりやすい。
    著者と全く同じではないのだが、一般市民目線からの質問、著者の物語に共感できるため感情移入して読んだ。

    小川さんは20〜30年後をターゲットに限界のこの国を変えていきたいという目線。大きな視点からの見方は勉強になる。
    法律部分と、文化(感情と言い換えてもいいかも)の部分で、何かがすぐにドラスティックに変わる事はない。
    この両輪が必要というのは非常に納得感がある。
    それに全ての人が納得いく都合良い社会はできない。
    政治が、都合の悪い事も全てを曝けだした上で、間違いは謝り、国民と対話して少しずつ変えていきたいという事。

    分かった、分かったよ。誰もが全く痛みなくは無理ってことね。。こんな心ある、そして耳障りのいい事だけでなく、長期的に解決策までも言える人がいるっていうのがまず驚き。どうしてこういう人の声は聞こえないんだろう。まず国民に謝る人、隠し事をしない人がいないし、政治不信は相当なもの。
    それでもトランプ政権をひっくり返したのは選挙に行った人が増えた事。期待も、そして負担を感じる事もしすぎず、それでも1票は1票なので選挙に行くのは大前提。
    参院選前に読めてよかった。

    減税で還元されて、その分自助で生活して行っているのが今の形。国が負わず、企業が負って終身雇用だ年功序列だ、があったけれど、それは成長局面での話。
    増税と聞くだけで、はぁ?って思うけど、その分、公助で生活への不安感をなくすと言われたら…まあそれが本当ならと思うけど…今までの不信感が強すぎてなかなか難しい。

    経済的、そして時間的余裕がないと、みんな他者に優しくなれない。誰もが尊重されて自分の幸せを追求できる社会、本当にそういう風になったら良いけど…。
    どうしても、「けど」ってついてしまうな。

    人口減少、環境対策が関連して喫緊の課題。成長局面の幻想を捨て、思考の大転換が必要。
    まだ読み砕けていないと思うけど
    今読めてよかった。

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著者プロフィール

1965年生まれ。相撲・音楽ライターにして、政治ジャンルで『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』(左右社)の2冊を上梓。異例のヒットとなり、累計3.6万部を突破する。今後は市民がつながるためのおしゃべり会を、公民館でやるつもり。

「2023年 『50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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