新訳 老人と海

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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865283341

作品紹介・あらすじ

ノーベル文学賞受賞作家アーネスト・ヘミングウェイの世界的名作が第一人者による新訳でよみがえる。
マカジキと対峙する老人は、「老い」と「弱さ」に向き合うひとりの人間だった。
老人と漁を共にする「boy」を、「少年」ではなく「若者」と解釈することで、老人の「弱さ」を浮かび上がらせ、世界的名作に新たな光を当てる。
老人・サンティアゴのモデルとなった人物を訪ねたエピソードをおりまぜた、訳者・今村楯夫氏による解説も掲載。
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サンティアゴとマノリンの関係を「老人対少年」でなく「老人対若者」とみなすと、対話する言葉のみならず態度もかなり違って見えてくる。老人のサンティアゴはマノリンという屈強な頼り甲斐のある若者に日常生活においても精神的にも、かなり依存している。自らの「老い」を認識しているがゆえに、その「老い」にまさる強靭な精神性を求めてい ると言えよう。(訳者解説より)
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感想・レビュー・書評

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  • 老人と非力さと孤独を感じる作品。
    死闘の末に仕留めたカジキが鮫に蹂躙される様は老人の非力さを際立てており、見てられない気持ちになりました。

    老人の独り言も印象が強く、死闘の中で繰り返し呟かれる『あの若者がいてくれたらなあ』という気持ち、帰宅の途に着く際の『何に敗けたわけではない。』『遠くに行き過ぎたのだ』が、とても印象的でした。

  • 初めて「老人と海」を読んだ。「boy(この本では若者)」の解釈に、論争があったとは。確かに、この本を読んだからだが、「少年」と訳されると、家の事をよく手伝っている、よく言えば健気な少年というイメージになる。反対に「若者」だと、老人が大好きなことは同じだが、尊敬という感情はこちらの方が伝わる気がする。翻訳とは難しいものである。
    ストーリー自体は、本当にシンプルであるので、何回も読まないと真の面白さは感じないだろうなとは思う。頑張ってもう1回読んでみたい。

  • 一度読んだら忘れられない。
    何年か経つとまたきっと読みたくなる。
    おばあちゃんになっても読んでいる自分が想像できる本。

  • 電子書籍

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50303648

  • 少し前に、光文社の古典集で読みました。
    その時に読んだ内容をあまり覚えていなかったようです。
    新鮮な感じで読めました。
    描写に引き込まれる感じを再度味わった感じです。

  • 図書館の新着に載っていてずっと気になっていたので読んでみた。
    老人が1人で海に出ているシーンは、1人にも関わらず全く孤独を感じさせず、周りのもの全てと会話しているような壮大さを感じた。
    魚を仕留めるところまでで話が終わると思っていたので、仕留めてからの展開に驚いた。

  • マノリンは少年か若者か?すごい昔一度読んだのは恐らく新潮文庫の老人と海だったと思う。そういう見方があるのか!奥が深いんだなと思った、訳者の解説も後ろになんだかついていて、読み終わった後もとても勉強になりました。

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著者プロフィール

Ernest Hemingway
1899年、シカゴ近郊オークパークで生まれる。高校で執筆活動に勤しみ、学内新聞に多くの記事を書き、学内文芸誌には3本の短編小説が掲載された。卒業後に職を得た新聞社を退職し、傷病兵運搬車の運転手として赴いたイタリア戦線で被弾し、肉体だけでなく精神にも深い傷を負って、生の向こうに常に死を意識するようになる。新聞記者として文章鍛錬を受けたため、文体は基本的には単文で短く簡潔なのを特徴とする。希土戦争、スペインでの闘牛見物、アフリカでのサファリ体験、スペイン内戦、第二次世界大戦、彼が好んで出かけたところには絶えず激烈な死があった。長編小説、『日はまた昇る』、『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』といった傑作も、背後に不穏な死の気配が漂っている。彼の才能は、長編より短編小説でこそ発揮されたと評価する向きがある。とくにアフリカとスペイン内戦を舞台にした1930年代に発表した中・短編小説は、死を扱う短編作家として円熟の域にまで達しており、読み応えがある。1945年度のノーベル文学賞の受賞対象になった『老人と海』では死は遠ざけられ、人間の究極的な生き方そのものに焦点が当てられ、ヘミングウェイの作品群のなかでは異色の作品といえる。1961年7月2日、ケチャムの自宅で猟銃による非業の最期を遂げた。

「2023年 『挿し絵入り版 老人と海』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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