- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865780505
作品紹介・あらすじ
7月に逝去した哲学者の絶筆を収録! 稀代の“不良少年”哲学者の核心にあった「弟」性を如実に示す姉・鶴見和子への率直な感謝と思慕、高野長英、安場保和、後藤新平、鶴見祐輔という自らの系譜へのアンビバレンスを超えた清澄な視線、そして、岡部伊都子、石牟礼道子、金時鐘、小田実、吉川幸次郎ら、戦後を共に生きた友人・先人への思いを綴る、珠玉の文章を集成。
感想・レビュー・書評
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石牟礼道子さん30代の手紙発見 鶴見さんに水俣病への思い | 共同通信
https://nordot.app/868802452437106688?c=39546741839462401
鶴見俊輔『「思想の科学」私史 まなざし』書評 往時の授業風景に思いがいった|好書好日(2016年02月07日)
https://book.asahi.com/article/11605732
まなざし 鶴見俊輔 藤原書店
https://www.fujiwara-shoten-store.jp/smp/item/9784865780505.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
博覧強記の著者からどんな話が出てくるのか興味を持って繙いたが、祖父の後藤新平は知っていたが、曾祖父安場保和は横井小楠の高弟だった由.小楠は熊本で幕末の人材に多大な影響を与えたが1869に暗殺されている.勿体無い.著者はいろんなジャンルの人と交際して、数多くの書物を出しており参考になるものが多い.著者のような人材が育つ環境は失われてしまった感じがしている.
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哲学
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いいなぁ 鶴見俊輔さん
ご自分から「不良少年」とおっしゃっておられるけれど
「不良」なるものは、鶴見さんを「不良」の位置にしてしまう
周りの者たちの方で、こんな時代になってしまおうとしている
いまだからこそ、余計に鶴見さんの言葉はますます輝いてくる。
昨日のラジオから流れてくる話の中で
アフリカのウガンダ(だったと思う)の山に登ったという話だった
そこは、ナイル川の源流の一つにあり、全くの手つかずの原生林におおわれていたそうな。もちろん、まともな山道などは無く、そこにあるのはうっそうと茂った原始の森があるだけ。そこでは、地位や名誉や性別や人種などは全く意味がない
とにかく、ひたすら前に向かって歩くだけである。
そんな話だった。
かなり厳しい山行であったらしい
反面、一人の生物としての我が身を強烈に自覚させられるとともに
なんと自分は自由なのだろうとも感じたそうな。
普段、私はいかに多くのものに縛られながら暮らしているのだろう、と思った。
そんな話だった。
鶴見さんの この本に出てくる言葉、対談の時の話
自分の感覚で 自分の言葉を紡ぎだしていく
なにものにもとらわれない 自分の思想、言葉。
ラジオの話が妙にかぶって聴こえてきたのでした。 -
稀有な人だったと再認識。合掌。
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今年お亡くなりになった。著者の追悼として
出版された本。
その関係者や近親者に関しての記述や対談集。
高野長英
曾祖父安場保和
祖父後藤新平
父鶴見祐輔
姉鶴見和子
本人が姉に向けて書いた『話の好きな姉をもって』
姉が弟のことを書いた『同じ母のもとで』
姉弟の関係については、鶴見姉弟とは違いますが
姉との関係はやはり少し似た部分というか
親や社会から守ってくれる存在であるのは
同じ感じがします。