思考力の方法 ―「聴く力」篇

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  • さくら舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865810066

作品紹介・あらすじ

「聴く」ことから「思考する力」が身につく!

「聴く」と「聞く」。「聴く」は注意深く聴くことで、単なる聞こえることとは違う。注意して聴きつづけることはかなり疲れるため、講演会でもつい居眠りしてしまう人は多い。大事なことを聴いて頭に入れる力が弱っているのである。思考の流れについていくのが下手な人が多い日本は、「耳バカ社会」になっている。

知性とは「聴く」「話す」「読む」「書く」の4つがすべて揃って養われる。「読む」「書く」が重視されている現代だが、「聴く力」=人の話をよく聴くことから「思考力」が深まっていく。
思考力の方法としての「聴く力」について考える。

感想・レビュー・書評

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  • 「聴く」ということに興味を持たせて頂いた本です。耳は賢い!まず最初に発達するのは耳!「読み書き」よりも「聴く話す」まさにそうだなと感心するばかりです。この本に出会えたことに感謝です。

  • 思考力の大家、外山先生の耳学に関する話。
    読み書きでは目を使って思考するが、そうではなく講演を聴く。そして考えるという論を展開される。
    たしかに英語4技能で最近注力されているのもスピーキングやリスニングだったりするので、この発話、聴く力周りは重要だと思われてきている。
    よく、壁打ちという形で誰かと対話しながら思考力を深めることがあると思うが、講演を聞きながら考えるというのも振り返ってみるとよくあったかもしれない。
    どうしてもそこでメモやわかったことを書いてしまう癖があるが、それはそれで良いのではないかと思っている。
    ただ、ちょっと上から目線感のある論調は読んでいて疲れる。

    ■目次
    I 耳バカ社会
    II 基本は「聴く話す」
    III 「読む書く」重視の欠陥
    IV 日本語の大問題
    V 知は「聴く話す」「読む書く」生活から

  • 「聴く」ことから「思考する力」が身につく

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=086545

  • 聴くことの重要性を再認識しました。
    関西の魅力等々、分析に納得するところが多々ありました。

  • 日本語、特に話し言葉について書いた本。英文学者である著者だが、日本語についての、また日本語での思考についての著書が面白い。
    印象に残ったことをメモ

    そもそも言語は書き言葉の前に話し言葉なのだが、教育されるのは書き言葉。思考は耳言葉が支えている。
    3ふんのスピーチは難しい。一時間の方が楽?
    音読と黙読、中身のわかっていないものは音読したら理解できない。
    そもそも文法というものが西洋のものからきていて日本語に合うのか?主語+述語であったり人称の概念、日本語ではしっくりこないところも。一人称や二人称でいうと失礼になる言葉も。命令語も、、これはどの言語でもその傾向はあるが、、



    目次◆思考力の方法
    Ⅰ 「聴く」が聡明のはじまり
    講演は聴くべきもの
    耳バカ社会
    消えた"耳学問"
    耳で考える
    本格的講義
    ノートはとらない
    方言消えて国滅ぶ
    聴き分けのいい耳
    外山と富山
    耳は賢い

    Ⅱ 思考を深める「聴く話す」
    「読む書く」の前に「聴く話す」
    耳のことばが思考を支える
    四十ヵ月の暗黒
    耳を育てる
    のんびり屋の耳の訓練
    笑いは知的
    心の糧は耳から
    三分のスピーチ
    話し上手は大物
    文字信仰へのとらわれ

    Ⅲ「読む書く」重視の落とし穴
    音読と黙読
    日本語の難点
    既知の読み、未知の読み
    「読む書く」偏向教育
    小さなことば
    話せない先生
    ギリシャ型と中国型
    推薦入試の盲点
    日本語は正直か
    書くのはむずかしい
    書かれたものにはウソがある

    Ⅳ 日本語の大問題
    ことばの距離感覚
    向き合いたくない
    悪魔のことば
    「象は鼻が長い」という大問題
    彼女柳
    敬語への偏見にもの申す
    敬遠するこころ
    命令形はきらい
    翻訳というもの
    エンエンと続く
    パラグラフがわからない
    △型と▽型

    Ⅴ 知となる「聴く話す」
    ことばの西高東低
    思考を生むもの
    耳が弱いと困ったことに
    生活の知見
    亭主元気で留守がいい
    「聴く話す」「読む書く」生活
    思考力の源

  • 基本的な部分では頷けるのだが、現代教育への苦言の箇所で引用されている例が古い気がする。初出がどこか見つけられなかったけれど、内容は著者の様々な著作と同じ。言葉は悪いがつぎはぎ・焼き直しの感が否めない。

  • 学んだこと
    ①黙読だけではなく、声に出すことで頭に印象として強く残る
    ②聴く、話す、読む、書くすべて行うことで人間的に成長する
    ③日記と予定表を両立させることで偏りなく読む、書くを行うことができる
    アクション
    ①読書のなかでの学びを声に出して読む
    ┗読書で学んだことを1度声に出して音読する
    ②聞いた話、読んだ知識をメモに書き、人に話す(本は朝礼の場、聞いた話はランチタイムなどでの雑談)
    ③夜は業務日報メモ、朝はタスクスケジュールを作り1日の行動を可視化できるようにし、ファイルに入れいつでも見返すことができるようにする

  • 今日、食事の帰りに本屋へ寄ったとき見かけて買いました。タイムリーな内容でした。聴く力。
    電車内の騒音の中で人の声のみを人の耳が聞き分ける力。病気の子供を付きっきりで看病する母親がウトウトしているとき、大きな物音がしても起きないのに子供がぐずる声にはパッと反応する。

    自分の心の中の声は、相当大きな音で、かつ親和性も高い。聴くときには相当集中していないと。話すときはその声に負けないくらいにハッキリと喋らないとイカンのだなと。

  • 本の帯はすぐに破棄してしまう私だが、今回は外山先生のお顔が載っていたので、敬意を表してつけたまま読み進めた。
    いつも以上に軽快な文章で読みやすく、それでいて奥が深い。今回はエッセイのような要素もあり、楽しめた。中でも、外山先生が小学校の作文の添削コメントで酷評され、自信を失ったというエピソードには驚いた。
    この本は、「聴く力」の大切さが説いてはあるものの、思考力すべてに言及している。歴史的な知識を深め、日本語の面白さも発見できる名著だと思う。

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 「読み」の整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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