新版 焼かれる前に語れ 日本人の死因の不都合な事実

  • WAVE出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866213699

作品紹介・あらすじ

2007年刊『焼かれる前に語れ』(WAVE出版)に、2011年の震災、児童虐待の冤罪、そして新型コロナによる死についてなどを加え、「死因究明法案」提出後の我が国における死体の司法解剖の実情を改めて世に問う。

日本は諸外国と比較して変死体の司法解剖率が極端に低く、それは本書が刊行された2007年当時から14年経過した現在もほとんど改善されていない。
死体が解剖できていれば多くの連続殺人を未然に防ぎ、冤罪を証明することにつな
がるにもかかわらず……。
医療先進国と言われる日本の、驚くほどずさんで脆弱なシステムと、腰の重い国や組織に正面から向き合い、改善を訴え続けてきた司法解剖医が、声なき死体と残される遺族のためにもう一度強く警鐘を鳴らす。
あなたにとっても決して他人事ではなく、生命保険や損害賠償、類似事故の再発防止など、現実に関連しうる身近な問題が数多くあることを知ってほしい。"

変死体の死因「病死」を疑え!

感想・レビュー・書評

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  • 警察、医師、司法が死因特定に関していかに良い加減か。

    事なかれ主義の蔓延。責任を取りたくない。

    法医学者からの真剣な問いかけ。

    読了60分

  • 『焼かれる前に語れ」の再刊行とは知らずに購入したのですが、再読するような気分で読みました。当時から多少改善がみまれるもののいまだに、日本で死因を確認するプロセスは明確になっていないようです。今後も岩瀬さんの発言に注目していきたいと考えています。

  • 3/21
    『2007年の『焼かれる前に語れ』(小社)刊行から14年――。当時から多くの問題が露呈していた我が国の死因究明のあり方は、流れる月日とともに大きく改善されただろうか。
    否、である。
    国も警察も相変わらずこの問題から目を背け、ほとんど何もしないでいる。この間、我が国は東日本大震災という未曾有の災害にみまわれ、今は新型コロナウイルスという未知のウイルスの脅威にさらされている。国民一人ひとりが、否応なく「死」と向き合う日々を過ごしているのだ。
    だがもし、その死因に信用が置けないとしたらあなたはどう思うだろうか。自身や身内、あるいはニュースで見聞きする事件や事故の遺体が、どのような扱いを受け、処理をされるのか知っているだろうか。
    日本の変死体解剖率は、先進国の中でも最低レベルだ。コロナウイルスによって亡くなったのに因果関係の証明もなく違う死因にされているかもしれない。殺されたのに自殺とされているかもしれない。本当の死因は解剖しなければ永遠にわからないままだ。
    医療先進国と言われる日本の驚くほどずさんで脆弱なシステムについて、生命保険や損害賠償、また類似事件の再発防止など私たちの生活に関連しうる身近な問題が数多く潜んでいることについてもっと知ってほしい。 腰の重い国や警察組織に正面から向き合い、改善を訴え続けている司法解剖医が、声なき死体と今を生きる日本人のためにもう一度強く警鐘を鳴らす!』
    (「WAVE出版」サイトより)

    目次
    序論に代えて 法医解剖は何のためにあるのか
    まえがき
    第1章…あまりにお粗末な「死因究明」の現状
    第2章…本当の死因はどこに? ~千葉大学・CT検視への取り組み~
    第3章…遺族の思い、法医学者の使命
    第4章…見逃される保険金・薬毒物殺人
    第5章…もの言えぬ乳幼児の死因解明と「法歯学」
    第6章…さまざまな「死」を考察する
    第7章…医療事故死はどう扱われていくのか
    第8章…日本の「死因統計」は信用できるか
    あとがき


    『新版 焼かれる前に語れ 日本人の死因の不都合な事実』
    著者:岩瀬 博太郎, 柳原 三佳
    出版社 ‏: ‎WAVE出版; 新版
    単行本 ‏: ‎216ページ
    発売日 ‏: ‎2021/9/18
    ISBN‏ : ‎9784866213699

  • 2月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    http://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003590572

  • 日本は変死体解剖率が先進国中最低レベルである。そのため事件性があるものを見逃したり、または冤罪を生じさせる可能性が多々あることを指摘する。死因は決して外見からは確定的なことは言えないのであり、せめて全てCT撮影によるスクリーニングが必要だ。縦割り行政やら、低予算による弊害は回り回って我々の日常に大きな損害を与えるのではないかとの意を強くした。

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著者プロフィール

千葉大学大学院医学系研究院法医学教育研究センター長
東京大学大学院医学研究院法医学教室教授

1993年東京大学医学部医学科卒業。1998年医学博士号取得。東京大学大学院医学系研究科法医学講座(助教授),千葉大学大学院医学研究院法医学教室(教授)を経て,2014年より現職。日本法医学会理事。おもな著書,『焼かれる前に語れ~司法解剖医が聴いた,哀しき「遺体の声」』(WAVE出版),『法医学者,死者と語る~解剖室で聴く 異状死体,最期の声』(WAVE出版),『死体は今日も泣いている 日本の「死因」はウソだらけ』(光文社新書)など

「2023年 『こども法医学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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