「陸軍中野学校」の教えー日本のインテリジェンスの復活と未来

著者 :
制作 : 森 秀治 
  • ダイレクト出版株式会社
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本棚登録 : 78
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784866221175

感想・レビュー・書評

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  • 宣伝サイトから割安購入したため、思想が偏った内容と予想していたが、見事に裏切る内容であった。
    一次参考資料は一般購入書籍ばかりだが、設立から戦後までの陸軍中野学校卒業生がかかわった作戦が網羅されていた。陸軍中野学校は証拠や記録を残さない組織の宿命で、これ以上の確実な裏付けがは出ててくることは期待できない。しかし、元陸上自衛隊で大使館駐在武官の経験ある著者が、現代的に補足されており良書であった。
    若干の中野陸軍学校礼賛も気にならない。そして著者の警鐘や同校卒業生による寄稿文も貴重。

  • 寄付として購入。

    人物のエピソードは興味深かったが、全体的にあまり面白くはない。
    よく考えると、成功した工作活動なら、結果はともかくプロセスの詳細を「気づかれずに」実行できたから成功と言えるのであって、そういう面白い話が書けたらそれは小説になってしまう。

    ミッドウェイ海戦の暗号解読では「わざと平文で偽情報を流して『MO』の特定に成功した」話をよく聞くが、そうしたエピソードを意図的に流して「そこに」注意を向けさせること自体が一つの工作ではないか。(そういう派手な話ではなく、無線送信のキーを叩くスピードの違いから送信手を識別してグループ化して... といった地味な話の方が信ぴょう性があるし面白いのだが)

    玉音放送阻止失敗のエピソードも、仮にも工作員があんな素人でも「本当か?」と考えるような機転に騙されるとは到底思えず、末期でロクな訓練を積めなかったのか、焦って余裕がなかったのか、この話自体が創作なのかとか想像してしまう。

    ヨルムンガンドの日野木一佐が「闇のものは闇の中で、日の当たるものも闇の中へ」と紹介されていたように、本当のことはきっとわからないのだろう。

    いくら情報を上げても活用できない上層部は本当に情けないが、見方を変えると「情報を活用したところでどうせ負けてしまう」と考えるから情報が握りつぶされるわけで、「いつも通りに戦っては勝率は3割しかないが、情報(だけでなくあらゆるリソース)をフル活用して勝率をせめて6割にしたい」と思考できるような地ならしが必要なのだろう。
    やはり国内の足を引っ張る反日マスゴミとサヨクの殲滅が必要だ。

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著者プロフィール

福山隆 ふくやまたかし
一九四七年長崎県生まれ。防衛大学卒業後、陸上自衛隊幹部候補生として入隊。九〇年外務省に出向、大韓民国駐在武官として朝鮮半島情勢のインテリジェンスに関わる。九三年、連隊長として地下鉄サリン事件の除染作戦を指揮。陸将補、西部方面総監部幕僚長、陸将を歴任し、二〇〇五年退官。ハーバード大学アジア上級客員研究員を経て、現在、広洋産業株式会社顧問。

「2022年 『ロシア・中国・北朝鮮が攻めてくる日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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