新・国債の真実

著者 :
  • あさ出版
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866673165

感想・レビュー・書評

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  • 流石に我々マーケット参加者にとっては常識的な話がほとんどではあるが、高橋さんの統合バランスシートの話は、何年かに一度は確認しておきたい。

    こういう人が、財務大臣や日銀総裁になってくれると良いんだけど、、、

  • コロナ感染者が減少してきて緊急事態宣言も解除となりました、あまりもの急激な感染者数の減少で少し戸惑い気味でもありますが、日常生活を取り戻しつつあると感じています。昨年から今年にかけて政府は様々な給付・融資を行なってきていますが、それを行うことに異議を唱えませんが、そのお金はどこから調達するのだろうと思うと、やはり国債ですよね。そしてこの国債発行の増え方が私から見ると以上な増え方をしていて、果たして将来大丈夫だろうかと心配していました。

    そんな折に、一貫して「現状での国債保有により財政破綻は起きない」と説明されてきた本書の筆者である高橋氏により出された最新本(2021.10現在)です。この本においても今までと同様の結論であり安心しました。そうであれば売上減少に苦しんでいる人達は上手に補助金や融資を活用して、このコロナ禍を乗り切って欲しいという思いを強くしました。

    冒頭に書いてある、国債は借金だからダメ、というのは、緊縮財政になって景気が悪くなってもイイ、あるいは、増税されてもイイ、と言っているのと同じである(p19)ということは理解すべきことのように思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・国債は借金だからダメ、というのは「緊縮在世になって景気が悪くなってもいい」あるいは「増税されてもいい」と言っているのと同じ(p19)

    ・歳入に占める割合、所得税:17.5%、法人税:8.4、消費税:19%、国債:40%(うち建設国債:5.9)である(p21)

    ・日銀が民間金融機関から国債を買うと、その代金は民間金融機関が日銀に持っている「日銀当座預金」に振り込まれる、このままではただのお金なので、それを利子収入を生むお金に変えるために、企業に積極的に貸そうとする(p32)国債の利子は政府から日銀に支払われることになる(p35)日銀が得る国債の利子収入を「通貨発行益」と呼ぶ、日銀はその発行益を丸々国に収める、これを「国庫納付金」と呼ぶ(p36)

    ・日銀券には本来利子はつかないが、白川日銀総裁時代に日銀券は無利子だが、日銀券と代替する日銀当座預金は0.1%の利子をつけることになり完全無利子の状態で亡くなった(p39)2016年1月に日銀当座預金の超過準備金を超える一部にマイナス金利が課せられることになった、しかしマイナス0.1%の金利はごく一部であり、大部分についてはまだ0.1%の利子がついている(p41)

    ・経営難になった会社の本当の問題は、莫大な借金があることではなく、借金を返せるだけの資産がなかったことである(p51)

    ・国債は金融市場において「お金」あるいはかつての「コメ」のような役割を果たしている。これが政府の借金・国債のもう一つの顔である、すぐに他の商品と交換できる、非常に使い勝手の良い金融商品である(p55)

    ・国債は発行されすぎではない、金利は上昇していない及び、破綻時に損失保証するCDS保証率が低い(p91)という現状を見れば、現時点での発行残高には何も問題がない(p59)国債の利子は「支払い義務がない」のでなく「政府から日銀へは国債の利子が支払われるが、それは納付金として戻ってくるから、財務上の負担にならない」となる。政府には国債の償還義務があるが、そのために新規国債を発行しているので、財務上の負担にならない、となる(p64)

    2021年10月17日作成

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。数量政策学者。嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授、株式会社政策工房代表取締役会長。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(首相官邸)などを歴任。小泉内閣・第1次安倍内閣ではブレーンとして活躍。2008年に退官。菅義偉内閣では内閣官房参与を務めた。『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞を受賞。著書はほかに、『正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方』(マガジンハウス)、『高橋洋一式「デジタル仕事術」』(かや書房)、『国民のための経済と財政の基礎知識』(扶桑社)、『理系思考入門』(PHP研究所)、『国民はこうして騙される』『プーチンショック後の世界と日本』(徳間書店)など多数。YouTube「高橋洋一チャンネル」でも発信中。

「2023年 『日本の常識は、世界の非常識! これで景気回復、安全保障は取り戻せるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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