- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784866809311
作品紹介・あらすじ
やさしく、やわらかく、面白く、日本経済に警鐘を鳴らす本。
■それは信者8000万人の巨大カルト
「大蔵省(現財務省)の奴隷だった」という自身の実体験をもとに、
宗教を通り越してカルト教団化する財務省の実態をあばき、
その教義を守り続けて転落し続ける日本経済&国民生活に警鐘を鳴らす、森永卓郎による警世の書。
~旧大蔵省時代を含めて、財務省が40年間布教を続けて
きた「財政均衡主義」という教義は、国民やマスメディア
や政治家に至るまで深く浸透した。つまり、国民全体が財務省に洗脳されてしまったのだ!(本文より)~
感想・レビュー・書評
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初版2023年。
森永卓郎は癌で今年の春の桜が見られないかもしれなかったらしい。まだ存命であるので、少しでも長く生きてほしい。
題名のザイム真理教とは、財務省をカルト教団オウム真理教とかけている。財務省は旧大蔵省で、日本の官僚組織のトップ集団である。
この本に通底している考え方は、「財政均衡主義」。
税収範囲内で財政支出をしなければならないという理念は、われわれの暮らしになぞらえると、至極当然のことだと理解しやすいからだ。しかし、国全体の財政、特に自国通貨を持つ国の財政にとって、「財政均衡主義」は誤っているどころか、大きな弊害をもたらす政策だ(p4)、というもの。
森永は、「p23(財務省の人間は、)ずっと周りの人から、チヤホヤされて、自分の一言で、思い通りに人が動く経験を重ねていくと、やがて人間は、全知全能の神であると勘違いしてしまう。そこにザイム真理教の源流があるのだ。」と言う。
→人間は傲慢になる性質がある。
財務省は消費税増税にこだわる。
財務省にとって税収が増えることは、収入が増えることに直結している。
財務省にとって、安倍政権ほど素晴らしい政権はないとも言えます。結局、消費税を二度増税し、経済成長で税収も増やしたわけですから。(p117)
→消費税は迷惑な存在であると、庶民はもっと主張してよいはず。
なぜ日本は30年間成長できなかったのか。
日本経済が成長できなくなった最大の理由は「急激な増税と社会保険料アップで手取り収入が減ってしまったから」だ。
使えるお金が減れば、消費が落ちる。消費が落ちれば、企業の売上げが減る。そのため企業は人件費を削減せざるを得なくなる……という悪循環が続いたのだ。
ザイム真理教は、国民生活どころか、日本経済まで破壊してしまったのだ。(p135)
→失われた30年ということをよく耳にするが、要するに税によって人々の収入が落ち込みお金の巡りが悪くなって、最終的に日本経済は低迷が続いた。
もっと公平な税制を作ろうと思うのであれば、消費税を廃止し、税制の特例を廃止し、すべての所得を総合課税することが望ましいことは明らかだ。(p166)
カルト教団の多くでは、富裕層やエリート層が、一般信者と異なる待遇を与えられるのはよくある話だ。ザイム真理教でもその構造はまったく同じだ。庶民は教団の集金のターゲットとしてしか扱われない。(同上)
→消費税を廃止し、総合課税を導入する。不平等な世界を変革し、公正な世界を築こう。
消費税を廃止し、税制を改革することが大事。財務省は官僚のトップ機関であることを利用して政治家を操り、国民に重い税負担をかけ結果的に国が30年間低迷することになった。構造的に改善しにくい国の機関運営の現状。
これらのことは、今まで多くの人が分からず、また権力に逆らう構図であるので言い出しにくいことでもあったと思う。しかし、森永卓郎が勇気をもって難しくて見通せない現状を分析し、この本の出版に漕ぎ着けたことは称賛に価する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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◆均衡財政主義の妄信解く[評]中野剛志(たけし)(評論家)
<書評>『ザイム真理教』森永卓郎 著:東京新聞 TOKYO Web
https:...◆均衡財政主義の妄信解く[評]中野剛志(たけし)(評論家)
<書評>『ザイム真理教』森永卓郎 著:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/263323?rct=shohyo2023/07/18 -
森永卓郎の新刊『ザイム真理教』刊行を、大手出版社が断った「大人の理由」 – ニッポン放送 NEWS ONLINE(2024-02-07)
h...森永卓郎の新刊『ザイム真理教』刊行を、大手出版社が断った「大人の理由」 – ニッポン放送 NEWS ONLINE(2024-02-07)
https://news.1242.com/article/4935962024/02/09
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日本て何処か政治の話はタブーという風潮がある。
本は私にとって窓だ。知らなかったでは済まされない事を教えてくれるようなもの。
ニュースも知れば不快に思うこともあるが目を背けてても始まらない。批判だけでも始まらない。
知れば考えることができる。どう動くかも決めることができる。
消費税率の引き上げが賃金の上がらない理由という氏の意見に深く深く頷いた。
そして、非正規雇用が増えたことも、勤労意欲を奪う原因になってると思う。 -
最初の方は
私がすでに6冊読んだ人気の「日記シリーズ」風で、
「なるほど、三五館シンシャか」。
森永さんが昨年末から今年初めにかけて骨格を作り上げた大傑作なのですが、大手出版社数社に軒並み断られ、三五館シンンシャだけが引き受けてくれたそうです。
けれど、「日記シリーズ」風はごく最初のほうだけで
けっこうその後は難しいかなあと思いました。
タイトルも工夫していて表紙は親しみやすく
本も思いのほか小さくて薄く
「これは楽勝」と思って読み始めたのですが…。
もっと丁寧にわかるように説明するとしたら
本が分厚くなって、近寄りがたくなるかも?
いえ、森永さんがわかるように解説しているのは
痛いほどわかります。
こういう問題ってある程度知識教養が必要ですよね。
仏陀やアッシジのフランチェスコみたいに裕福な家庭に生まれ育った人でこそ、こういう活動ができ、一般人に広めることができるんですよね。
(森永さんもその一人)
けっきょく元々教養もお金もない人たちは現状で満足するか、
もっと儲けたいと思ったら
詐欺強盗闇バイトを選択してしまうという…。
少なくともこういう本を読もうとは思わないかと。
森永さんの考えに同意して、積極的に扇動してくれる人が現れ、世の中がもっと良くなるといいなあと思いました。
ジャニーズ問題みたいに。
(私にその運動をする元気はありません) -
日本国民必読。日本のヤバさが痛いほど伝わる本書。国民のために政治をしない財務省や政治家の裏側が知れ、納得いかない国政のニュースの背景がイメージしやすくなったと思う。
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森永卓郎さんがわかりやすい言葉で書いているので、経済に明るくなくても読みやすい。章ごとに分かれているので、理解しやすいところと難解なところがあった。
財務省に対する批判が非常に強く、少々偏っているかなという印象。全てに共感は出来なかったが、財務省や消費税について知らなかったことをたくさん知ることができた。
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自民党のパーティ問題で税務署が動かないのを見てると、この本に書かれていることを納得しちゃったりします。
ザイム真理教をカルトとするなら、反ザイム真理教もそうなるのかな?
私は信者になっちゃったのかな?
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なぜ、そんなに頭のいい財務省の人達が財務真理教の信徒になってしまうのか?がよくわからない。そこを説明してくれる本に出会ったことがない。
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確かに、もはや宗教レベルとさえ思わせる財務省の悪行を、ズバリ書き記しているので、広く知られて欲しい。