神宮道西入ル 謎解き京都のエフェメラル (ことのは文庫)

著者 :
  • マイクロマガジン社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784867160022

作品紹介・あらすじ

法律家を目指す女子大生・高槻ナラと、ぐうたらなくせにやたらイケメンな探偵・春瀬壱弥が織りなす京都が舞台のライトミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • たまたま見つけた新しい京都もの。イケメン男子と若い女性と云うパターンは定型やけど、推理物としてもしっかりしている感じ。次も読もう

  • 祖父が事務所を構えていた場所は
    今は別の人物が探偵事務所を開いている。

    3篇入っているのですが、ミステリーというより
    確かに謎、という感じ。
    しっとりしているような内容でした。

    いなくなった友人、母の指輪の行方
    行方不明の猫の飼い主。
    自分の生活が基準になるので、最初の話については
    双方仕方がない、というべきか。
    まったくそこを考えなかった片方が微妙というべきか。
    ふたつ目は、最後がすごい展開になってましたが
    拗らせた人は、なかなか大変だな、と。
    最後の話も、双方の認識が…というものでしたが
    人はともかく、猫はどうしようもない話。

    そして微妙な過去の話。
    ここもここで謎ですが、語られず、でした。

  • 風景の描写が丁寧で、実際の京都の地名や名所を多く説明してある。登場人物たちも和装、お茶、和菓子や和歌と、日本の伝統と関わりが深く、作品全体に「日本の伝統」の雰囲気がある。
    といっても、作品のイメージは軽やかで、ライト文芸という呼び方がしっくりくる。風景も全般にふわっと明るいイメージ。内容も事件そのものは些細で、関わった人たちの心のありようがメイン。
    たぶん、実際の京都の風景を知っているとより楽しめる。

  • 少し文章が読み辛いかなと思いましたが、内容はゆったりした事件物で楽しく読めました。日常というかあるひと時のシーズンを切り取った感じで、話としてはするりと抜けてしまうのですが、雰囲気に合っているのでそれも良いかなと思います。ただあちこちに点在している伏線なのか背景なのかがそのまま取り残されていて消化不良気味。

  • なんかこれまで読んだ京都ものと違うなあと思ったら、これまで読んでいた小説は男性は京都弁でも、主人公(女性)は標準語だったのです!この本は(初めて?)主人公も京都弁を話すのですが、(主人公目線の)語りの部分は(当たり前だけど)標準語で、ふと、実際の京都の人はどういう言葉で考えているの?と思ってしまいました。続編で二人のこれからが見たいと思う一方で、探偵さんの忘れてしまった過去が甦るのがこわいような気もするのです。

  • 京都寺町シリーズとカブるなぁ。

  • 金銭的には寧ろ損になるようなことでも、それが誰かの心の救いになるのであれば、彼は依頼を引き受ける。
    そして依頼者が頼んでいないことにまで足を踏み込んで、心の蟠りを解いていく。
    そこまでしなくてもいいだろうにと思わなくはないが、ただ依頼を終えただけでは解けなかった誤解や心の淀みが依頼者や関係者から消えているのをみると、そういう探偵がいてもいいのかもしれない。

    京都が舞台ということで、登場人物は自然と京都弁を喋っている。
    生きた京都弁がそこここに溢れていて、会話を読んでいるだけでも京都のあの雰囲気が伝わってきて楽しかった。

    事件の内容は上記の通り、最終的には依頼者たちの心の中にまで踏み込むため、重かったり切ない話が多い印象。
    中には暗号を解いて宝物を探し当てるようなワクワクする話も。
    非常に難解な謎解きではあったが。

    探偵業は凄腕だが、家事全般は全くできないという残念男が文字通り探偵役で依頼を解決していくが、彼の過去もまたなかなかに重い。
    元兵庫在住、両親を一度に亡くす、(約)25年前。
    作中で直接的な答えは出てこないが、彼が過去に記憶をなくすほどショックを受けたこの出来事は、関西以西暮らしの人ならすぐピンとくるだろう。
    そして、彼の過去が見えてくれば、彼が依頼者の心まで救おうとする理由もまた見えてくるのではないだろうか。

    前述通り、そこまでしなくてもと思わなくはない。
    場合によっては余計なことを依頼者の反発を招くかもしれない。
    でも、この作品の京都には、依頼者の心の問題ごと引き受けてくれる心優しい探偵がいる。
    そういう存在が救いになることも、きっとある筈だ。

    そして、そんな探偵の心を支えてくれる存在が、これからもそばにいてくれることを願ってやまない。
    彼の代わりに家事をするという名目で、よく探偵事務所に訪れるナラの存在は、きっと彼女自身が思っているよりは探偵にとって大きなものだと思う。
    彼は素直に認めはしないだろうが。

  • たった一言が後悔を生む。誰もが経験あることだが、その後悔を拗らせてしまう人が意外と多い。人間関係は硝子細工よりも脆いものだから簡単に壊れてしまう。身近な人であればあるほどその時の溝は深くなってしまう。そんなときに壱弥のような探偵がいてくれたら、どんなに心強いことか。切なくも心温まる3つの短編で構成される本作。静かな残り火のような温さが心地よかった。

    #謎解き京都のエフェメラル #NetGalleyJP

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