音楽

著者 :
  • ナナロク社
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本棚登録 : 398
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784867320075

作品紹介・あらすじ

岡野大嗣、第3歌集『音楽』。約300首収録。 音楽は水だと思っているひとに教えてもらう美しい水

感想・レビュー・書評

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  • 人が大好きな犬のような、犬が大好きな人のような歌集。
    テレビ番組で自身の短歌を読者に「生活用品みたいな歌」と、言ってもらえて嬉しかったと語っていた、岡野大嗣さん。
    「〜だね」「〜よ」と言った、肩の凝らないフランクなことば遣いで、まるで久しぶりにあった古い友人な懐かしさと親しみやすさを感じる。
    『音楽』のタイトル通り、音楽と、ときどき犬、たまに猫。
    特に犬は、出てくる度に嬉しくなってしまう。
    日常が、ほんわか体感温度が上がるような、目に見えるすべてのものがほうっと光を帯び息づくような、そんな優しい気持ちになれた。

    ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

    短歌関連でうれしいことがありました!
    新聞歌壇に掲載された歌とラジオ『ほむほむのふむふむ』で紹介された短歌を載せさせてください!

    [世の中がどんなスピードでも君は自分の速度で袋詰めする]

    [アバターのわたしが母と喋りおり心は遠く彼岸へと泳ぎ]

    選者のおふたりには多大なる感謝を!

    いつも読んでくださっている方にも感謝します。

    • 5552さん
      ☆ベルガモット☆さん、こんにちは!
      おお!ほむほむのふむふむ、お聴きになったんですね!
      ☆ベルガモット☆さんの耳でしかと聴かれたとのことで安...
      ☆ベルガモット☆さん、こんにちは!
      おお!ほむほむのふむふむ、お聴きになったんですね!
      ☆ベルガモット☆さんの耳でしかと聴かれたとのことで安心しました。
      夢ではなかった…!
      穂村さんと笹さんの仲の良さと、笹さんのお話が興味深かったです。
      「アバター」の上句はするする出てきたのですが、下句はけっこう難産でした。
      組み合わせを褒めていただき、嬉しいです。
      「世の中が」世界中のみなさんが自分のスピードで生きられればいいですね。
      一生に何度もない貴重な体験ができて良かったです。
      もう一回、聴きに行こーっと♪
      2024/03/07
    • 111108さん
      5552さん、☆ベルガモット☆さん、まことさん、またまたこんばんは♪

      ほむほむのふむふむ聴きました!5552さんの仰ってたように、あの笹さ...
      5552さん、☆ベルガモット☆さん、まことさん、またまたこんばんは♪

      ほむほむのふむふむ聴きました!5552さんの仰ってたように、あの笹さんが介護の歌を‥という新鮮さと、自分ももう間近にそういう立場になるなという思いからとても身に染みました。『シン・短歌』も穂村さんが取り上げたQ&Aがまさに「ふむふむ」となる内容で、これは購入したい!と思いました。
      そして、5552さんの「アバター」の歌は、私も穂村さんのような受け取り方をしたので、泣いていいのか笑っていいのか‥という感じでしたが、5552さんの解説を読んでなるほどーそれは私もあるある!と、自分の体験にも結びつきました。「世の中が」の歌も見ていたのに気がつかない世界を教えてくれますね。短歌は正解がいくつもあっていろんな解釈できるところも懐深くいいですね♪
      2024/03/07
    • 5552さん
      111108さん、おはようございます!

      ほむほむのふむふむ、お聴きになったんですね!
      笹さんのお話、経験者の言葉なので重みがありますよね。...
      111108さん、おはようございます!

      ほむほむのふむふむ、お聴きになったんですね!
      笹さんのお話、経験者の言葉なので重みがありますよね。
      そんな中でも、「短歌があってよかった」とおっしゃられたのには、希望がありますね。
      読む、詠むことで、何か気持ちがすくわれるものがあるのがあるのでしょうね。
      『シン・短歌』も、面白かったですよ〜。ぜひぜひ。
      「アバター」の歌は、111108さんにも、穂村さんのおっしゃっていたように思えたんですね。やはり、「彼岸」ですかね。木下龍也さんが、短歌で「自分の思い描いた光景と読者の思い描いた光景を同じにしたい」と、おっしゃっていたのを思い出しました。私などは限りなく不可能に近いと思うんですけれどね。木下さんならできるかも知れません。
      「世の中の」の店員さんは一回しか接客していただいてないけれど、お礼を言ってみたいですね。いや、怖いだろうから言いませんけれど。


      2024/03/08
  • 先日木下龍也さんと一緒にトークイベントされた岡野さんの第三歌集。イベントで購入した共著歌集が良かったので、後日こちらを購入。運よくまたもサイン本。帯には、「忘れたくないものを忘れても平気になるために短歌を作っている。今はそう思っている。」通常歌集より一回り小さいサイズなので持ち運びしやすい。
    カラオケやライブや音楽を聴いている時間、生活感のある風景など等身大の歌が多く、じんわり優しい気持ちになれる。ライブに行きたいな、音楽の歌つくってみたいな。ニルヴァーナの歌にはテンション上がった!

    残念ながら次が最後の曲ですと残念をみんなで抱きしめる
    (カラオケあるある、とても楽しい時間もいつかは終わるという場面の切り取り上手い)
    持ってるしいつでも聴ける曲やのにラジオで流れるとうれしいね
    (ああ、ラジオ聴いていて自分の好きな曲が流れるときの心情)
    試聴機のボタンの効きづらささえも愛せたCDショップだったな
    (視聴する前のあのドキドキ感含めての音楽だった)
    10000回きみが聴いたという曲の10001回目をきみと聴く
    (きみが好きな曲を共有するという贅沢!)
    耳がまだライブハウスにいる夜道うまく心を動かせなくて
    (ライブの後の興奮冷めやらぬ状態、耳に注目するのが凄い)
    つぶれてたクリームパンを鞄から出す今日ずっとたのしかったな
    有名なパンが手提げに入ってるときどき覗きながら帰ります
    (パンがあるとなんであんなに楽しい気持ちになるのでしょう、おにぎりも好きだけどパンだから生きる高揚感)

  • 時間の捉え方、今が過去になる瞬間を捉えるのがうまいと思った

    .
    音楽は水だと思っているひとに教えてもらう美しい水

    開場から開演までの2時間を飼いならせないうれしさを待つ

    しっぽだけぶれてるphotoのそうやってあなたに犬がそばにいた夏

  • 素敵な音楽に触れた日や、時を忘れるくらいに素晴らしいライブを観た日に読む本にしたい。

  • うわ〜、めっちゃ良かった


    寝る前に少しずつ大切に読んだ

    この本を買うときに初版本だけ表紙の色が違うんですよって教えてくれた本屋の店主さんとの会話も思い出

  • 短歌の雰囲気も本そのもののデザインも軽やかでかわいい本。

    音楽用語に次いで犬という単語の使われている短歌が多い一冊。犬そのものを語るというよりは犬という単語がよく出てくるなぁという印象で、それがちょっぴり気になりました。


    好きだったもの↓

    夜はもう下手したら冬やねと言うあなたのひとたまりもない手首

    忘れものがあなたを思い出すときにあなたは忘れものを思い出す

  • 岡野さんらしさが出ている歌集だと思った。

  • 色々な現代短歌を読んでみて、この人が好き!と思ったのが岡野さんでした。図書館で借りるより、手元に置いておきたいのが歌集です。

    あとがきや帯にあるように、「忘れたくないものを忘れても平気になるために」作られた短歌たち。買ってすぐに読み切ってしまったけれど、これからも何度も開いて、そこに書かれている言葉に触れるだろう。

    ふだんなにげなく目にしている日常のワンシーンの、素朴な疑問や、小さな感動を切り取ってくれるのが短歌だと私は思う。うまく言葉にできないことを、代わりに表現してくれるような気がして、日常を大事にしたいと思える。私は岡野さんの歌う希望が好き。

    生徒には短歌はよくわからないと言われる。読み方なんてあるのかしら?と思う。作者が見た景色をみなくてもいいじゃない。もっと自由に短歌を読んでほしい。たくさんある短歌の中から、小さくて綺麗な宝石を見つけるみたいに、心に響く短歌を見つけて大切にしてほしいと思う。そんな短歌との関わり方ができそうな作品でした。

  • ★Y.Tさんからのおすすめコメント★
    あなたに響く、言葉がきっとある
    好きなうたを探すだけで少しだけ豊かな1日を。

    「きみが好きだったシーンを語るのを映画の続きみたいにみてる」
    『「夏ちょっと花火みえるよ。みにおいで」
    「行くよ、みえてもみえへんくても」』
    「お湯になるまでに流してしまう水
     涙にもその段階がある」

    武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000247807

  • 日常の何気ない一瞬が何気なく切り取られていて、自分にも思い出せることが多くあることに気づける。

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著者プロフィール

一九八〇年大阪府生まれ。歌集に『サイレンと犀』『たやすみなさい』『音楽』『うれしい近況』。共著に『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』『今日は誰にも愛されたかった』。がんサバイバー当事者による、闘病の不安に寄り添う短歌集『黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える』を監修。

「2023年 『現代短歌パスポート2 恐竜の不在号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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