オールアラウンドユー(定価1980円税込)

著者 :
  • ナナロク社
4.47
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本棚登録 : 830
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784867320167

作品紹介・あらすじ

詩の神に所在を問えばねむそうに答えるAll around you

歌人・木下龍也、待望の第3歌集。

一輪挿しの花のような短歌123首を、布張りの本に大切に納めました。
初版は表紙の布の色味が5種類あります。色はご指定できません。

特別栞として「詩人・谷川俊太郎との対談(抄録)」を挟み込み。



収録歌より7首

昔より優しくなった死にたさに「どうしたんだ?」と問いかける夜
波ひとつひとつがぼくのつま先ではるかな旅を終えて崩れる
はなびらはやさしい地雷 踏むたびに胸のあたりがわずかに痛い
雪だったころつけられた足跡を忘れられないひとひらの水

目を上下上下上下と動かして百年前の詩をうすくむく
ひっぱってくれるタイプの犬だったときおりぼくにふりむきながら

鈴を手で包んでそっと揺らしたらちいさくにぶいぼくだけの音

感想・レビュー・書評

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  • 木下龍也さんの第三歌集。

    初版はうす緑色、煉瓦色、黄色、青色、灰色から選べる。
    「墨田織」という布で作っているそう。
    初版本を制作するにあたり、1色の布では足らず、複数の色が必要と分かり、お気に入りの色味を5色選んで作られたそうだ。

    私は10秒ほど迷った末、青色をチョイス。
    ネット書店から届いた本書はそれはそれは美しく可愛らしいもので、読む前からお気に入りの一冊に。

    装丁だけではなく、中身も素敵な本だった。
    花の歌から始まって、花の歌で終わる。
    帯の花の写真は、薔薇だろうか。
    葉元にある一本の棘が、この本のある側面を象徴しているような気もする。
    優しさに溢れた歌集なのだけれど、時折強い皮肉も感じられる歌もあり、うっとりしていた目が覚める。

    死を連想する歌も点在している印象なので、

    「詩の神に所在を問えばねむそうに答えるAll around you」

    が、「死」の神でもあるように思えてくる。←たぶん、違う。

    あと「くちづけ」を歌う歌もわりと多く感じる。
    木下さんにとって「くちづけ」とは、どういう意味があるのだろうと考えてしまった。

    あとがきも余韻があって素晴らしい。

    きっとこの歌集は、読者の手汗を吸い涙を吸い部屋の空気を吸い交わされた言葉を吸い、いつのまにか、この世でたった一冊の私の/あなたの本となるように生まれてきたのでしょうね。

    • 111108さん
      5552さん、ベルガモットさん、こんばんは。

      あらためてお二人のあげてる歌を読み返していました。気がつかなかったけど、私は割と観念的な?歌...
      5552さん、ベルガモットさん、こんばんは。

      あらためてお二人のあげてる歌を読み返していました。気がつかなかったけど、私は割と観念的な?歌が好きだったみたいで、「くちびる」とか「手汗」とか具体的に言ってる歌をさらっと読んでたので、また新鮮な気持ちです。

      あー、私もガサガサくちびるとガサガサな手で読んでました 笑
      リップとハンドクリーム必須!
      2022/11/27
    • 5552さん
      111108さん、ベルガモットさん、こんばんは。

      そうなんですよねー。
      本って読む人によって全然違うんですよね。
      読むときによって...
      111108さん、ベルガモットさん、こんばんは。

      そうなんですよねー。
      本って読む人によって全然違うんですよね。
      読むときによっても印象が違う場合もあるし。
      歌集だったら、気になる歌、好きな歌もコロコロ変わるし。

      それにしても、くちびる、くちづけ、キスに反応する自分がちょっと恥ずかしい…

      2022/11/27
    • ☆ベルガモット☆さん
      5552さん、111108さん、おはようございます。

      本屋さんは短歌専門に置いてあるところで、こじんまりとしたところです。1色2冊ずつ...
      5552さん、111108さん、おはようございます。

      本屋さんは短歌専門に置いてあるところで、こじんまりとしたところです。1色2冊ずつ揃えてありました。
      「読み終えてややふっくらとした本にあなたの日々が挟まれている」
      私もこの歌好きです!本への愛情がたっぷりですよね~
      「風だけが似ている街でGoogleに本屋の場所を教えてもらう」
      とか素敵ーっ

      リップで盛り上がり、ハンドクリームまで登場☆
      キスの歌、発見!いろんな視点でまた楽しめるのでありがたいで~す
      ぬりぬりして乾いた体に潤いを、心には木下さんの歌で潤いを補充しましょうかね♡
      2022/11/28
  • もったいないと寝かせてたけど待ちきれずに。アンソロジーや共著や「情熱大陸」でしか知らない木下さんの短歌をまとめて読めて幸せ。身近な事を普段使う言葉で詠んでいるのに、何かに気づかせてくれるような感じ。対談抄録と読者ハガキまでも素敵。

    • 111108さん
      ベルガモットさん、コメントありがとうございます!

      読んじゃいました〜これで皆さんのレビューも薄目でなくてじっくり読むことができます♪

      読...
      ベルガモットさん、コメントありがとうございます!

      読んじゃいました〜これで皆さんのレビューも薄目でなくてじっくり読むことができます♪

      読書はがきの「小社と木下龍也さんとで大切に読み、励みといたします」と書いてあるところなんか、歌を読んでじんわりきてたのに、もう‥うるうるとなりそうでした。対談抄録もほんわか良かったですね。
      2022/11/12
    • fukayanegiさん
      111108さん、ベルガモットさん

      短歌だけでなく、谷川俊太郎さんとの対談抄録まである本書、興味津々すぎて、今日地元の図書館で人生初め...
      111108さん、ベルガモットさん

      短歌だけでなく、谷川俊太郎さんとの対談抄録まである本書、興味津々すぎて、今日地元の図書館で人生初めてリクエスト(近隣図書館からの取り寄せ、あるいは購入も)なるものを行ってきました。
      そこまで読みたいなら買えばいいかなとも思ったんですけど、ねだってなんとかなるものならその方がいいかなとw
      もし購入してもらえたら1冊しかなかった木下さんの本『つむじ風、~』の横にもう1冊並ぶことになるので、それもまたよしですし。

      早く読んで自分も薄目開けたいですー。
      2022/11/12
    • 111108さん
      fukayanegiさん、ベルガモットさん、おはようございます。

      fukayanegiさん、「ねだってなんとかなるものなら」w
      本当に...
      fukayanegiさん、ベルガモットさん、おはようございます。

      fukayanegiさん、「ねだってなんとかなるものなら」w
      本当に図書館に木下龍也さんの歌集が並ぶのも素敵ですよね!
      みなさんのお近くの図書館は歌集充実してるようですね。うちの近くの図書館は穂村さん俵万智さん世代以降の歌集が少ないので、うらやましいです。

      早く薄目開けて読める日がきますように!
      2022/11/13
  • この歌集は装丁にバリエーションがあるときいていますが、私のところへきたのは、杢グレーの布製の表紙、春らしい薄いピンクの裏表紙で綴じられ金色の題字、青と茶の二本の栞がついたお洒落な本でした。

    中に入っている花の歌と相まって春気分、満喫でした。



    以下に特に好きだった歌を載せます。



    ○風にだけ読める宛名が花びらに書かれてあってあなたへ届く

    ○雨、ぼくはぼくよりも不憫なひとが好きで窓から街を見ている

    ○未来って読めないけれどきらめいて涙でにじむネオンみたいだ

    ○声にして意味の重さを与えれば音も私も壊れてしまう

    ○鎮火してもらうつもりでくちづけを求めたけれど、けれど、全焼

    ○たんぽぽに生まれ変わって繁栄のすべてを風に任せてみたい

    ○かなしみの森をあなたのろうそくの火で台無しにしてほしかった

    ○てのひらに雨を受ければかなしみをどれほど数えたかも忘れる

    ○春なんて根こそぎあげるその代わりずっと消えない夏をください

    ○春がまた大人に夢を見せながら叶えないままただ過ぎてゆく

    ○詩はすべて「さみしい」という4文字のバリエーションに過ぎない、けれど

    ○生きなくちゃ 会う約束をしたために暗に生まれる会わない日々を

    • まことさん
      なんか、このレビュー、タイムラインに反映していないような気がするので、自分でいいね!押します。
      なんか、このレビュー、タイムラインに反映していないような気がするので、自分でいいね!押します。
      2023/03/03
  • 大好きなブルー地にゴールドの題字という素晴らしい装丁に即買い。

    栞 谷川俊太郎と木下龍也の対談抄録まである。

    どれも優しく心にスッと入ってくる。
    センスが良いのは彼自身の持ち味なのか…。

    風にだけ読める宛名が花びらに書かれてあってあなたへ届く

    声にして意味の重さを与えれば音も私も壊れてしまう


    一輪のどうしても手に見える葉の二枚は残し西日に飾る


    帯にも素敵な歌があったが、あえて好きな歌を載せた

  • 住んでいる街の図書館、隣の市の図書館(こっちの方が近い)、通勤途中の図書館(蔵書数ピカイチ)の3つを渡り歩いている自分。
    どの図書館にも置いてなくて、でもどうしても読みたくて。
    買えばいいのだろうけど、それをきっかけにのめり込むわけにもいかないので、人生で初めて住んでいる街の図書館で”リクエスト”なるものをしてみた。
    近隣の図書館からお取り寄せ、又は購入、又はごめんなさいとなるとのことだが、今回めでたく購入してもらえることに。
    急に地元の図書館に愛着が湧くw

    そして届いたぴっかぴかの本書。
    なんか「やってやったぜ」とこの時点で満足感が溢れそう。

    が、おや、対談抄録はどこだ!?
    Amazonの本書の紹介文を読んでみると、”栞”。。。
    当然読者はがきも見ることは叶わず、あぁやっぱり買うべきだったのかな(泣)。

    ただ、この無念を差し引いても中身はやっぱり素晴らしい。
    読めて良かった。
    花の歌が多いというのはあとがきで著者自身にも触れられているところだが、愛情の歌も多いなという印象。

    木下さんの歌の良さ(といっても他の方の歌はほとんど読んでいないのですが。。。)はその情景を容易に頭に思い浮かべることができて、気づかなかった新鮮な、そして往々にしてユーモラスで優しい解釈を与えてくれるところ。
    そしてその解釈から湧き上がる感情は、もうほかのどの言葉でも説明できなくて、その31文字そのものがその感情のように思えてしまう。
    だから、何度も読み返してしまうし、何度読み返しても飽きない。

    付箋をはがすのが大変でした。


    〇都会にもあるけど帰りたくなるよ金木犀が写メで届いて

    〇かなしみは洗練されてゆくだろう胸にしまえる鈴のサイズに

    〇くちづけのあとも敬語を続ければあなたの森で迷わずに済む

    〇雪が雪で白を更新する道にペヤングの湯でハートをえがく

    〇海馬にはおならを泡で見せ合った湯船が今も沈まずにある

    〇ひっぱってくれるタイプの犬だったときおりぼくにふりむきながら

    〇母さんの入院中に父さんはチキンラーメンばかり煮ていた

    〇もうすこし眠っててくれ目覚めたら君を泣かせることばかりある

    〇ひとつめの扉を閉じているような祖母の運転免許返納

    〇読み終えてややふっくらとした本にあなたの日々が挟まれている

    • ☆ベルガモット☆さん
      fukayanegiさん、こんばんは!

      地元の図書館にも木下さんファンがきっと増えますね(^^♪
      届きたてほやほやですよねっ
      たっ...
      fukayanegiさん、こんばんは!

      地元の図書館にも木下さんファンがきっと増えますね(^^♪
      届きたてほやほやですよねっ
      たった三十一文字なのに湧き上がる感情、どうしましょうって思います
      111108さんの言葉のように、また読み返そうと思いまーす
      2022/12/17
    • 111108さん
      fukayanegiさん、ベルガモットさん、こんばんは。

      対談抄録の行方は気になりますが(書庫に保管?)図書館に木下さんの歌集が並ぶことわ...
      fukayanegiさん、ベルガモットさん、こんばんは。

      対談抄録の行方は気になりますが(書庫に保管?)図書館に木下さんの歌集が並ぶことわくわくしますね!

      今日は寒いのであったまる歌を探してみます♪
      2022/12/17
    • fukayanegiさん
      ベルガモットさん、111108さん、おはようございます。

      図書館の棚に並んでたら、並んでたでニンマリしちゃいますし、並んでなかったら、...
      ベルガモットさん、111108さん、おはようございます。

      図書館の棚に並んでたら、並んでたでニンマリしちゃいますし、並んでなかったら、あ、誰かが手に取ってくれているんだなと思ってニンマリしちゃいますね。

      今日も寒そうですのでご自愛ください。
      2022/12/18
  • 『空席がすばやく埋まる東京でだれが消えたか思い出せない』

    『ちぎれない身体のせいでぼくたちはひとつの愛を選ぶしかない』

    『生きてみることが答えになるような問いを抱えて生きていこうね』

  • こどもの頃、詩や俳句や短歌は退屈だった。
    でも半世紀を生きた今、なんて面白いんだろうと思う。

    心の奥底にくゆる思いを、自分の中の辞書から一番見合うことばを拾いあげて紡いでゆく。
    いくつものことばを選んでは捨て、また選ぶ。
    そのひとにしか選べない、少ないことばだけで表現する。

    誰かにぴとっと寄り添うことばもあるし、ちょっと違うのもある。
    感性のまま、ひとの心に触れるのは面白い。

    素敵な装丁が歌の世界に導いてくれる。

  • ブク友さんの告知で情熱大陸に出演された木下龍也さんについて、穂村さん大好き短歌同好会の皆さんと視聴感想を交換するという素敵な時間を過ごすことができて早数週間。この本ができるまでの様子のドキュメンタリーだったので、手にしたときは感慨深いものがありました。
    よくいく本屋さんで秋色の表紙をレジに持っていくと、サイン入りの同じ表紙の本が一冊たった今キャンセルされたからと店員さんから勧められ迷わずそちらを購入!
    犬らしきイラスト付き♡
    1ページに一首ずつ、じっくりミニシアター、プロモーションビデオ(?)を観ているような行間。部屋の一輪挿しに花を絶やさないようにしているそうです。だから花を詠んだ歌が多くて美しいです。付箋だらけになりました。皆さんにも読んでほしいので紹介するのは厳選して少しだけ。
    ねむれないおまえのためにできるのは灯りをひとつひとつ消すこと
    (不眠がちの人にはじんわりしみいる歌なのではないか、こころに灯りがともります)
    波ひとつひとつがぼくのつま先ではるかな旅を終えて崩れる
    (海とは一言も書いていないのにあのさざ波が見えてくるよう繊細な描写 暗記!)
    またわたしだけが残った、そう言って花瓶は夜の空気を抱いた
    (夜の花瓶を洗う状況を直喩でこんなに寂しく切なく表現する歌はみたことない 句読点の効果も絶大)
    すずらんをたくさん轢いた罰として薄く輪切りにされてゆくバス
    (バスのお題でこの情景を表現できることに驚嘆 花弁が舞い散る場面がフラッシュバック)
    花を嗅ぐひとときだけは許されたような気持ちでマスクを外す
    (コロナ禍を詠った歌はあるけれど、ああ、花の香りを嗅ぎたくなるあの一瞬が蘇る)
    読み終えてややふっくらとした本にあなたの日々が挟まれている
    (本好きの皆さんならあるあるの場面、これは覚えておきたい歌)
    生きなくちゃ 会う約束をしたために暗に生まれる会わない日々を
    (熱い思いが込みあげてくる 会えない日々をこんな風に感じたら救われる何かがある この歌も覚えておきたい歌)

    • ☆ベルガモット☆さん
      張飛さん こんばんは!

      今回の歌集は今までよりも多くの人の心に届きそうな素敵な歌ばかりでしたよ~ 難しい言葉を使っていないのにこんなに...
      張飛さん こんばんは!

      今回の歌集は今までよりも多くの人の心に届きそうな素敵な歌ばかりでしたよ~ 難しい言葉を使っていないのにこんなに日本語は豊かになるんだなあとしみじみ 対談も情熱大陸の中以外のやりとりがあり、このように私たちの手元に届くというありがたみを感じました☆
      張飛さんのレビュー楽しみにしていますよ
      2022/10/31
    • 5552さん
      ベルガモットさん、こんにちは!

      わあ、いいなあ、犬のイラストつきのサイン本!
      もう、一生ものですね。
      木下さんの短歌はやっぱり素敵...
      ベルガモットさん、こんにちは!

      わあ、いいなあ、犬のイラストつきのサイン本!
      もう、一生ものですね。
      木下さんの短歌はやっぱり素敵ですね。
      あげていただいた数首を読んだだけで、目がうるうるしてきました。
      ドライアイに優しい木下さんの短歌!
      心もフクフクしてきます。
      情熱大陸で、苦しんで短歌を生み出されている姿を目にすると、ほんと、生んでくれてありがとう!って気持ちになりますね。
      2022/11/07
    • ☆ベルガモット☆さん
      5552さん、こんにちは!

      そうなんですよ、犬のイラストだなんてお茶目な木下さんも楽しめます♪
      5552さんの言葉通り、目がうるうる...
      5552さん、こんにちは!

      そうなんですよ、犬のイラストだなんてお茶目な木下さんも楽しめます♪
      5552さんの言葉通り、目がうるうるドライアイに優しいです、目も心も潤いまーす
      5552さんが告知してくれたおかげです、ありがとうございます!!情熱大陸を観たあとのこの歌集は、更に感動マシマシです☆
      2022/11/08
  • ベルガモットのレビューを読んで一刻も早く読みたくなり、3週間ほど前に購入。じっくり読んだ。

    初版はカバーの色が5種類あるみたいだが、本屋にあったのは薄緑色で、落ち着いた雰囲気が気にいっている。肌触りもとてもいい。

    みんなのレビューを読んでハガキを初めて読んだ。「町の名前はお好きですか」っていう質問が面白い。

    選んだのはかなり迷ってこの5首。

    “波ひとつひとつがぼくのつま先ではるかな旅を終えて崩れる”
    “雪だったころつけられた足跡を忘れられないひとひらの水”
    “まわれ右してかなしみを背景にすれば拍手のなかの幕開け”
    “人間へ まだ1割の力しか出してないけど? 消費税より”
    “一輪のどうしても手に見える葉の二枚は残し西日に飾る”

    本の制作過程をテレビで見てから買うというのは、初めての経験で忘れられない思い出に残る1冊になった。

    • 111108さん
      張飛さん、お返事ありがとうございます!

      私は大型書店で買った時、青色と煉瓦色だったので秋らしい煉瓦色選びました。そうそう、どの色も落ち着い...
      張飛さん、お返事ありがとうございます!

      私は大型書店で買った時、青色と煉瓦色だったので秋らしい煉瓦色選びました。そうそう、どの色も落ち着いてシックな雰囲気ですね。

      ハガキの質問「服を選ぶような感じ」なるほどですね〜!
      本当にハガキや装丁含めて楽しい歌集、新しい感じがしますね♪
      2022/11/27
    • ☆ベルガモット☆さん
      張飛さん こんばんは!

      おお、城を構えているとはお見事です!
      ハガキの設問、読み直すと「町の名前は好きですか」も驚きだし
      「あなた...
      張飛さん こんばんは!

      おお、城を構えているとはお見事です!
      ハガキの設問、読み直すと「町の名前は好きですか」も驚きだし
      「あなたはどのような方ですか」もどうしましょう?!
      PRに使うこともあるとか、気合入れて記入しなくちゃですね。
      肌触りの良さ、また確かめちゃいました~
      2022/11/29
    • 張飛さん
      よう、ベルガモット!コメントありがとう!

      城といっても2DKの小さな城だぜ。あまりでかすぎると曹操にばれちまうからな。

      「あなたはどのよ...
      よう、ベルガモット!コメントありがとう!

      城といっても2DKの小さな城だぜ。あまりでかすぎると曹操にばれちまうからな。

      「あなたはどのような方ですか」は張飛として書くとしたら、1万人に匹敵する武勇を持つ三国志の英雄、ってとこだがさすがに本当の事は書けねえから、石井啄也として無難に書いたよ。

      質問の内容がほんわかしてて、面白いからこんなハガキだと書きたくなるなぁ。
      2022/11/30
  • 表紙は5色の中からお好きなものを。
    桜色の見返し。
    角丸のページに、1首ずつそっと置かれた歌。
    スピンが2本、茶色と紺色で。
    谷川俊太郎さんと木下さんの対談栞も、さりげないプレゼントのようで嬉しい。
    隅々まで素敵な歌集だ。

    序盤の歌は深海に向かって静かに沈んでゆくような感覚だった。
    まるでアンモナイトが見る夢のように、遥か彼方を懐かしむような。
    かつて◯◯だった頃を思い出す、ような。

    そのまま、水深が深くなるにつれ、歌の対象の輪郭がハッキリとしてくるように感じた。
    キラキラした青春の一幕のような歌もあり。
    たまに濃密で荒々しい素振りを歌っていたり。
    けれど、どの歌もとても優しい。
    茶目っ気が見えても、離れてゆく感情が見えても、それは同じ。
    その分、悲しみや無念さを歌う歌は、とても静かなのに鮮明だった。
    悲しみに直撃された瞬間って、感情が大きく波打つけれど、その気持ちのままに感情を歌にして投げられると、受け取ったこちらもそれなりに辛いし悲しみが連鎖する。
    けれど木下さんの歌は、大きく波打ったであろう瞬間を越えた歌に思えて、悲しみの最中に居ながらも、静かな温もりが感じられる。
    悲しくてたまらなくても時は経過してゆくので、コツコツと日常のすべき事をしなければならない。
    その淡々とした様が見えて、読んでいる私の、別の悲しみにさえ寄り添ってくれるようだった。

    凄いなぁ。
    誰もが知っている言葉を使って日常を歌っているのに、
    気付かなかった景色を見せてくれる。
    氷が溶けただけでも物語が生まれる。
    鳥が降り立ったのは瞬時なのに、スローモーションで見える。
    当たり前だとスルーしてしまう事柄を掘り下げる、しかも違った角度から。
    きっとご自身の心の機微を見逃さず、自分自身のことも対象のことも見つめて見つめて、言葉を選び抜いているんだろうな。

    とってもデリケートで、それなのに赤裸々で、ちょっぴりセンチメンタルで、大人の色気もあるのに悪戯っ子の少年のようで、
    あとがきまでも愛おしくなる歌集だった。

    ハガキどうしよう。
    すごーく送りたいのに5首になんて絞れないし
    感想が簡潔に纏められない 笑

    • 傍らに珈琲を。さん
      111108さん、ベルガモットさん、こんばんは。

      短歌や俳句、詩や音楽って、その日の気分や天気や季節によって、そばに置きたいものが変わりま...
      111108さん、ベルガモットさん、こんばんは。

      短歌や俳句、詩や音楽って、その日の気分や天気や季節によって、そばに置きたいものが変わりますよね。
      切り花もそうですね。
      そう思うと、好きな歌人の短歌を5首選ぶって、とっても贅沢な行為♪
      木下さんの歌集を手にするのも素敵なことなのに、
      それに加えて選ぶ時間もくれるなんて、とことん楽しませて貰ってるなーと思うのです。

      今日選んじゃうぞ!って決めないと、日ごと違う歌が寄り添ってきて、永遠に選べなさそうです 笑

      表紙は淡い方のブルーを購入しました。
      2022/11/23
    • 111108さん
      傍らに珈琲を。さん、ベルガモットさん、こんにちは。

      木下さんとお二人をまねて、私もお花飾ろうと思います♪
      傍らに珈琲を。さん、ベルガモットさん、こんにちは。

      木下さんとお二人をまねて、私もお花飾ろうと思います♪
      2022/11/24
    • 傍らに珈琲を。さん
      111108さん、こんばんは

      お花飾ることにしたんですね♪
      ベルガモットさんもお花を飾ると仰られてましたし、皆さん思い付かれることが素敵で...
      111108さん、こんばんは

      お花飾ることにしたんですね♪
      ベルガモットさんもお花を飾ると仰られてましたし、皆さん思い付かれることが素敵ですね。

      お二人を真似て…とありましたが、私は違いますよ~
      違うというか、山野草とクレマチスにハマっているので、私は鉢植え栽培です。
      詳しくは「園芸家12ヶ月」と「NHK趣味の園芸 クレマチス」のレビューをご覧ください(←宣伝 笑)
      特に山野草の可愛らしさといったらたまりません!
      大文字草、スカビオサ、山紫陽花、オダマキ、ホトトギス…
      咲いた花を剪定して小さな一輪挿しに飾ることもあります。

      お花、いいですよね。
      お世話してると暮らしが丁寧になるというか。
      お花屋さんに寄るってウキウキしますし♪
      2022/11/24
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著者プロフィール

一九八八年山口県生まれ。歌集は『つむじ風、ここにあります』『きみを嫌いな奴はクズだよ』(ともに書肆侃侃房)『あなたのための短歌集』『オールアラウンドユー』(ともにナナロク社)。その他、短歌入門書や共著歌集がある。

「2024年 『現代短歌パスポート3 おかえりはタックル号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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