地下で生きた男

制作 : 上岡 伸雄 
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784867930199

作品紹介・あらすじ

無実の殺人の罪を着せられて警察の拷問を受け、地下の世界に逃げ込んだ男の奇妙で理不尽な体験。
20世紀黒人文学の先駆者として高い評価を受ける作家の、充実期の長篇小説、本邦初訳。重要な中短篇5作品を併録した、日本オリジナル編集!

おまえは無実だが有罪であり、咎【ルビ:とが】はないが告発され、生きているが死ななければならない。そして、威厳ある人生を送る能力を持ちながら、屈辱の一生を生きなければならず、見たところは合理的な世界に生きているようでいながら、完全に不合理な死を遂げなければならないのである。
(「地下で生きた男」より)

感想・レビュー・書評

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  • 図書館のオススメの棚にあった作品。自分ではなかなか選ばないので読んでみた。アメリカ社会での黒人と白人、人種間の差別は、想像よりもはるかに根深く、自覚してないが深層心理では、実は差別意識を持っている人もたくさんいる。差別されている黒人達は、熱狂的なキリスト教信者となり神にすがる。神にすがってもどうする事もできないのに。人種のるつぼと言われているアメリカだが、黒人だけではなくアジア系を差別する人たちも沢山いる事を忘れてはいけない。
    地球人として誰もが認められる存在、人間としての尊厳を守られる世界になっていく事を願いたい。
    読後感がいいかというとそうではなかったけど、ドキュメンタリー映像を観ているかのように場面場面が想像できたし、理不尽な結末も差別意識が横行していた時代背景を考えると納得。

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著者プロフィール

(Richard Wright)1908-1960。ミシシッピ州生まれ。激しい人種差別のなかで育ったが、15歳のころに文学に目覚め、19歳で小説家を志してシカゴに出る。さまざまな職業に就きながら文筆の道を模索。主要作品に『アンクル・トムの子供たち』、『ネイティヴ・サン』、『ブラック・ボーイ』、『アメリカの飢え』などがある。

「2024年 『地下で生きた男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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