国民クイズ (下巻) (Ohta comics)

  • 太田出版 (2001年7月1日発売)
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872336009

感想・レビュー・書評

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  • 上巻が世界観説明と事件の端緒を描いたのに対して、下巻は怒涛の展開に圧倒される。

    国民クイズ体制を支えているシステムの裏を書く佐渡ヶ島共和国の暗躍と、それに乗るとも乗らずともわからないまま突き進む主人公たるK井K一というキャラクターのトリックスター的な魅力ときたら。ある意味整然とした大混乱のうちに群衆が集結するクライマックスは革命を描いた作品としても面白いし、その実それが革命ではないというのもとてもアイロニックだ。

    ある意味でバッドエンドともとれる大団円の後に来る一瞬の静寂、そして次の瞬間のあのラストカットは実に映画的だし、是非実写(アニメでも映えると思うけど)で観てみたい。

    混沌とした世界を生きていく意義を教えてくれる作品。

  • 設定が面白く、絵柄も迫力があって良い。
    あえて言わせて貰えば、終盤をもう少しじっくり描いて欲しかったかな。

  • 上下巻

  • 特異な、でも何か訴えるものがあるストーリー

  • テレビ番組、かつ、最高権力機関である「国民クイズ」の人気司会者、K井K一(主人公)を狂言回しとして、民主政以外の体制(「国民クイズ体制」)とその革命による崩壊を描く怪作。

  • 描かれている設定は極論だがそこに描かれている人間の際限ない欲求・欲望の熱狂的狂信的な様が妙にリアルでした。そして、物語は熱を持ったままにそんな異様な空間の世相を表しながらかもフェードアウトして行くが人間の飽くなき欲望がある限りこの個人主義の「国民クイズ」は無くならないのではと考える。だが、そんな体制をK井と佐渡島が潰すとしたらどんな極論な政治主義を発案し、熱狂的な革命が起きるのかという未来も想像しながら読了。

  • 【上巻感想の続き】
     しかし、ディストピアものというのは大体、結末に想像がつきやすい。
     ①体制を打倒しようとする革命家の勝利
     ②体制を打倒しようとする革命家の敗北
     ③多くの犠牲を払いつつ、一縷の望みが残される
     ――これはおおよそ③と捉えていいのかな(δ´ω`;)

  • クイズに正解し続け優勝すると願いが叶う、強攻的なテレビ番組が舞台。欲望の渦の中に家族愛が表現されたマンガです。それにしても、国民クイズ制度って恐いって思います。

  • スゴイ漫画を読んでしまった。
    1ページ1ページにおけるパワーの量が半端じゃない。

    アイディアの斬新さ。
    ストーリーにぴったりの画。
    読者をぐいぐい引き込んで離さない力。

    これが描かれたのは1990年代のバブル崩壊後
    とのことだったのだが、20年弱経った今読んでも
    古くないということは賞賛に値するのではないのだろうか。

    繰り広げられる権力闘争、
    私利私欲に突き動かされる大衆、
    それを嘲りながらも利用する人間たち。
    これこそが、今現在の社会を現わしている気がしてならない。

    国会で寝ている政治家たちも、
    寝てる暇があるならこれを読めばいい。
    そして少しは自分の立場を客観的に眺めてみるべきだ。

    あーおもしろかった。

  • クレイジーな内容が秀逸。
    雰囲気がナイス。

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