- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872339062
作品紹介・あらすじ
大学三回生の春までの二年間を思い返してみて、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。-『太陽の塔』(第十五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作)から一年。無意味で楽しい毎日じゃないですか。何が不満なんです?再びトンチキな大学生の妄想が京都の街を駆け巡る。
感想・レビュー・書評
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薔薇色の大学生活のスタート。様々な選択肢が目の前にある。あのときあのサークルを選んでいたらどうなっていたのか…。私も何度か考えたことがあるあの問いの答えがここに。
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薔薇色で有意義なキャンパスライフを送れずいじけるいっぽうの数年を過ごした全ての人に読んでほしい。
この本を読んでいると自分が学部生だった頃を思い出して虚しくなる。しかも、なんだか自分もこういったことをやっていたような気がするから腹立たしい。
そこで、『あぁ、じつに、生き方に工夫が足りなかった。私はなんてまっすぐだったのであろう。』(p.30)などとほわほわ考え、「もし、あの時違う選択をしていたら」、「もし、もう少しだけ運が向いていたら」などと過去を振り返る。
そうは言っても、 『寺山修司はかつて、書を捨てて街へ出やがれと言ったと聞く。しかし街に出て何をしろというのだ、この私に。』(P.220)と思い直すと、結局自分に伝説の至宝「薔薇色のキャンパスライフ」を手に入れる事は出来なかったに決まっていると再びいじけてしまう。
つまり、この物語体験とは、どんな選択をしていたとしても結局代わり映えのしない数年間だっただろうし、自分は自分でしかなかったのだ、という過去・現在・近未来にかけての自己同一性について洞察する極めてE.エリクソン的ライフサイクル体験ができるSF小説なのかもしれない。
その他
『赤ちゃんがおしゃぶりをしゃぶるように箱庭の権力をしゃぶり続け、』(P.47)
『負けてたまるか。
人恋しさに負けてたまるか。』(P.54)
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成就した恋ほど語るに値しないものはない。
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なんだろう。大学生の、まあはちゃめちゃな生活、自堕落ぶりが展開する。四話体型であるが、同じ話が少しずつ広がりを見せて進んでいく。
これは、なかなかに、辛抱強くないと、ついていけないのか。まだ、修行が足らないと見え、最後までついていけない。 -
初の森見登美彦さんの作品。
私にはまだ早かったかなぁという印象です。
言葉の言い回し?が難しくてなかなか頭に入ってこない、、
それでも展開がおもしろくてどんどん魅入ってしまいました。
パラレルワールドというのにも気付いた時に感嘆しました。すごい小説を書くなぁ。
いろいろ小説を読んでからまた再読して、感想を書きたいなと思います。 -
森見登美彦の作品は何作品か読んだことあって、これのアニメ作品も大好きでよく見てたんですが、そういえば「四畳半神話大系」は原作読んだことないなーと思って読んでみました。
相変わらずの捻くれた文章にニヤニヤしながら読みました。
小津かわいい。 -
僕なりの愛ですよ