- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872572865
感想・レビュー・書評
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アグネスデジタルの天皇賞制覇を機に書かれた本で、日本競馬がかなり暗い時期。新潟三条が廃止され、北海道も危機の最中。このあと北関東3場が廃止される。
そんな中で、馬産地を巡って色々な人に聞き取りをした、画期的な本。安定扱いのメジロ牧場は既になく、マギーファーム小寺氏についてはネット上に変な噂話が載っている。マイネル岡田氏が勝負を賭けたカームとマイネルエクソンの結果も出ている。
ゼロから聞き込みをしているのが、かえって読みやすく、読者も作者と一緒に勉強している気分になれる。日本時代の若き吉田直哉氏の話などもあって、こういう時代に様々な方々の話の記録が残っているというのは本当に貴重だと思う。
どこまで作者の儲けになったのかわからないが、こういう本を書ける作者は素晴らしいし、あとに続いてほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ホームページに感想を書きました。
「「裏」JRA賞馬事文化賞作!!」
http://www.ne.jp/asahi/behere/now/newpage040.htm -
競走馬育成の、牧場部分にスポットを当てた一冊。
不況の折、大変なんだ。なんて一言じゃとても済まない、この現状が、ツライ。
と、馬産地とは無関係な私でも思ってしまうほど、リアルなルポでした。 -
関係者面して偉そうなことを書く輩が多いこの業界であるが、この人は自分の足で歩き回り、きちんと取材しているのが読みとれて好感が持てる。不況の影響をモロに受けている馬産地ビジネス。競馬を楽しむ人は、その裏側にある苦悩を知っておくべきだと思う。
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著者が脚で稼いだインタビューにもとづく、馬産地の今を伝える秀逸なルポタージュ。
発売から3年立っていますが、この本の内容と、その後の3年を俯瞰すると、競馬の行く末が見えてくる・・・かも。
国民の余暇であるギャンブルの上に、これだけの産業が成立し、衰退の危機に面しているのも、経済が厳しい昨今、1競馬ファンとしてはいろいろ考えさせられます。 -
一時期FPの会の掲示板でも話題になりました。面白いことは面白いのだけど・・・今だったら岩崎徹先生の『馬産地80話』の方がおすすめ。
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競馬場では役者は変われど日々舞台が行われている。
サラブレッドはその中を颯爽とターフを駆け抜け、勝利した馬は喝采を浴び主人公となり、敗れた馬はひっそりと去っていく。
普段私たちがみる競馬が舞台の上だとすると、この本は舞台裏描いた物語です。
その舞台裏では様々な試行錯誤で挑戦している人々や、時代の流れで苦悩している人。
そんな人々が今何を感じているかに迫った労作です。
競馬が好きな人は一度読んでみると、次からは競馬場にいる馬たちが違って見えるかもしれません。