「力のある学校」の探究

著者 :
制作 : 志水宏吉 
  • 大阪大学出版会
4.29
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本棚登録 : 41
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872592535

作品紹介・あらすじ

教育格差が深まるなか、「効果のある学校」を研究してきた著者たちが、X県の学校の実地調査にもとづき、「すべての子どもたちをエンパワーする学校」(力のある学校)の可能性を探究する。

感想・レビュー・書評

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  • 2009年刊行。志水宏吉大阪大学大学院人間科学科教授が進めてきた「力のある学校」探求の集大成とでもいうべき一書。具体的な分析や、力のある学校の構成要素は本書を紐解いてもらいたいが(低学力者への集中的な学習支援、教師間・生徒間・教師生徒間の情緒的繋がりの重要性など)、本書から導き出される中核的結論は次のとおり。つまり、政策的支援は広く薄いものではなく、経済的に「しんどい」地域、「しんどい」家庭への集中的支援の方が効果・効用が高いということだ。

  • 夏休み、本県の教育事情がかなり芳しくないことを知り、学校全体で成果をあげている学校について調べて見た。
    結果的に、「力のある学校」という考え方を知り、実際に子どもの家庭環境をも超える実践を行っている学校があることを知る。
    あきらめたり、希望をなくしたりする前に、何ができるのかと考え、行動する教師のでありたい。そのための良書と言える。

  • 盛満弥生 学校・子どもの貧困エスノ、事例○、7章・10章 V中学校は「学びの共同体」実践校、9章 新保真紀子 エンカウンター、11章 エンパワメント、13章 インクルージョン、14章 貧困

  • 【概要】
    アメリカの教育学者であるColeman(1966)やJencks(1972)によれば、「社会的不平等を減少させる上で、学校の力は、家庭の力を上回ることはできない」という。しかし、学校にできることは、まだたくさん残っている。

    本書は、「力のある学校」の特徴を、小学校・中学校に分けて分析し8つの特徴にまとめている。また、「力のある学校」を実現していくための方法を、ケースという形で紹介している。詳細は【関連図書】のPDFを参照のこと。


    【TFJの活動に活用できる場面】
    ・TFJのビジョン共有
    なぜTFJというモデルが必要なのか、今までの学校の素晴らしい取り組みと、それに対してTFJがお手伝いできるところ、その両方を理解するのに役に立つ。


    【関連図書】
    スクールバスモデルの概要: http://www.bc9.jp/~machan62/schoolbusmodel.pdf
    本書の紹介資料: http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/085/shiryo/attach/__icsFiles/afieldfile/2011/10/25/1312364_01.pdf
    『公立学校の底力』志水 宏吉:http://booklog.jp/users/tfjkansai/archives/4480064478

  • 同じく教育行政学ゼミのレポートで読んだ本。図書館で借りたのがもったいなかった。次はamazonでしっかり購入したいお金はかかるけど手元に置いておきたい本。イギリスの「効果のある学校」モデルが学力低位の学校のみを射程としているの対して、これは全ての学校まで概念を拡張させた素晴らしき一冊。特に前半に提起されている「スクールバスモデル」は必読なのだ!

  • 「効果のある学校」研究の発展形である「力のある学校」研究。
    私自身、今最も興味のある分野なので、
    ものすごく中身がアカデミックで読み終わるまでの時間を要したが、
    決して難解な内容ではなく、現場教員にとっては内容のわかりやすい本であると思う。

    私は「力のある学校」を実践することができる立場にあるので、
    何とかしてこの思いを実践へと換えていきたいと常々思っているが、
    なかなかに困難な壁にぶつかっているのが現状。
    でも、だからこそ、前向きにふんばっていけるのだろうなと思いながら、
    これからもしっかりと前を向いて闘っていきたいなと思う。

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著者プロフィール

大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は教育社会学、学校臨床学。日本学術会議会員。主な著書は『マインド・ザ・ギャップ』(大阪大学出版会、2016)、『日本の外国人学校』(明石書店、2015)、『学校にできること』(角川選書、2010)など。

「2022年 『外国人の子ども白書【第2版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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