住む・棲む (シリーズ人間科学8巻)

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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872596250

作品紹介・あらすじ

「住む」と「棲む」の二重性を生きる――。

この世に人間としてあることは、必ず環境との関連のなかで、ある場所に「住む/棲む」ことを前提としている。それは身体をもつ生物的な存在である人間が生存し続けるための必要条件であるだけでなく、環境や場所にもとづく文化・家族形態を表し、そして、科学技術の進化を伴う時代をも表している。建築や空間における「住む」だけでなく、環境や土地、人間関係の結束点としての「棲む」。「住む/棲む」ことなしに人間が生を送ることはできない。
 本書では、人間科学にかかわるさまざまな学問から、「住む/棲む」に切り込む。まずは近代的建築様式と「住む」の相関性、「建築」としての住居にこだわらない可能性を論じるほか、認知症高齢者の暮らしと住まいを考える。さらに、さまざまな場所で他者とともに生きる人間社会の関係性としての「棲む」、「棲息する」、「棲みつく」といった事象を検討し、家庭内での暴力と棲み処としての「イエ」、移民の事例から「住まうこと」の意味、アーティストにとって生活・上演活動・儀礼がリンクする場としての住居を考察する。
一方、インターネット空間あるいは仮想世界も「住まう」場所となり、学校や職場以上の居場所として存在意義を持ちつつある。ネットに住まうことと現実との関係性を改めて問い直す試みも可能であろう。さらに視点を変えれば、人間にとどまらない生物全般の活動による産物として地球環境を見直すことで、地球に棲まうこと、自然とはなにかを考える。
住居・建築・テクノロジー論にとどまらず、建物に「住む」ことと、場所や人間関係や環境において「棲む」ことの交点を掘り下げる。

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  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000060672

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著者プロフィール

檜垣 立哉 1964年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。大阪大学名誉教授、専修大学文学部教授。哲学・現代思想。著書に『生命と身体』(勁草書房)、『日本近代思想論』『ヴィータ・テクニカ』(青土社)、『バロックの哲学』(岩波書店)、『日本哲学原論序説』(人文書院)、『ベルクソンの哲学』『西田幾多郎の生命哲学』(講談社学術文庫)、『哲学者がみた日本競馬』(教育評論社)、監訳書にN.ローズ『生そのものの政治学』(法政大学出版局)ほか。

「2023年 『ニューロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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