- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872751567
感想・レビュー・書評
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藤森さんが「生命に始まり、数学に行きついた」と表現する20世紀建築。その後の21世紀建築を担っていく若手建築家との対談。
6組の建築家たちがそれぞれどのように建築を考えているかがわかる本。その若い世代たちに対して、もう少し上の方から時代を眺めている伊東×山本×藤森の対談も面白い。
図面・写真
○スウェー・ハウス/アトリエ・ワン
○菅野美術館/阿部仁史
○光の矩形/五十嵐淳
○蟻鱒鳶ル/岡啓輔
○Base Valley/三分一博志
○屋根の家/手塚貴晴+手塚由比
対談
◎アトリエ・ワン
日本の都市の秩序感はその隙間、間のコミュニケーションで成り立っている。街中にある建物をベースにして1/1のスタディ模型として観察し、自分の建築でアウトプットするという建築感があまりにも新鮮。
○阿部仁史
皮膚感覚ではなく、手足の運動のような身体性に興味がある。それを喚起するのが斜面で、そうやって菅野美術館ができている。
○五十嵐淳
大工の家に育ったからか、設計と構造のイメージやディテールや素材の決定が完全に同時進行というのがすごい。
究極に心地よい温室度状態をどうつくるか?壁厚を極端に厚くしたり、、、この世の天国状態を目指す。
○岡啓輔
型枠工や鉄筋工などなど大工仕事をひととおりこなしたり、自転車で日本中の建築を見て回ったりしたあと、セルフビルドで自邸を建てている。そのパワーと情熱と、純粋な建築感がとてもすごい。
◎三分一博志
登り釜からみつけた、理想の建築のイメージ。地球のディテールという考え方。こんなに真摯に地球と向き合っている建築家はたぶん他にいないと思う。エコとか、共存とか、上っ面の取り組みではなく、本当に地球にちゃんと建築を存在させようとしている。
”自然エネルギーを利用し、生物と地球上のさまざまな物質の循環の中に知的な形で存在してこそ、建築と言えるのではないか”
「循環の中に」が、ミソなんだろうな。
○手塚貴晴+手塚由比
アメリカで学んで、イギリスで働いてから日本で建築家になった。イギリスでの生活が、彼らの建築感に大きな影響を与えている。本当の生活の豊かさというものをイギリスから学んだ。イギリスでは豊かな社会的資産があって、お金がなくても生活が豊か。そんなふうに、日本を捉えたことなかった。なるほど。彼らの理想が、ちょっとわかった気がした。
○伊東豊雄×山本理顕×藤森照信
藤森さんはゼロ点を目指す漸近線の中に、日本の現代建築の最先端、妹島や石上がいると最近いつもいっている。伊東さんは、すでにその動きは別の方向にシフトしていると言う。漸近線の最先端は妹島さんで、行き着くところまでいってしまったと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近のトレンドを掘り下げていった1冊。
藤森さんの独自の言語が使われており、
若干わかりづらい。
現在活躍している建築家がどのように分類でき、
それぞれどのような思想を持っているか。
さらに、具体的に6人との対談によって、
彼らの思考を探る。