トラクション ―スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル

  • オライリージャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784873117225

作品紹介・あらすじ

ITスタートアップの顧客獲得について、19のチャネルを紹介!
39人のベンチャー創設者の経験談を盛り込みながら、ITスタートアップの顧客獲得について、19のチャネルを使いながら解説します。この19のチャネルを自分のビジネスに当てはめれば、顧客獲得を具体的に学習することができます。

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  • ・ スタートアップの多くは、なじみのあるトラクションチャネルだけを検討の対象とする。そして、ある種の製品を扱う企業は、ある特定のチャネルを使うべきであると信じて疑わない。つまり、山ほどのスタートアップが同じチャネル(SEMやPR)に集中してしまい、ほかの有望なチャネルに気づかない
    ・ 製品開発の3フェーズ
    ① 初期:人々が望む物を作る製品中心のフェーズ
    ② 成長期:人々が望む物をマーケティングするフェーズ
    ③ 成熟期:ビジネスを拡大するフェーズ
    ・ 各トラクションチャネルの分析には、最低でも顧客獲得単価と、顧客生涯価値を含むようにしてください。
    ・ バイラルマーケティングで効率的にトラクションを獲得するためには、最初にバイラル係数とバイラルサイクル時間を計測しておく必要があります。※バイラル係数:新規ユーザをひとり追加することで追加獲得が見込まれる新規ユーザの数。 バイラルサイクル時間:潜在ユーザの招待から新規登録までの時間
    ・ 人がやりたいことをただ助けるのです。人がどのように共有し、コラボレーションやコミュニケーションを行っているかを理解したら、あなたの製品でそれらをどう改善できるかを考えます。そして次に新規ユーザがあなたの製品をほかの新たなユーザに拡散し、それをさらに拡散できるようにするフローを考えだし、それから初めて最適化を行います。
    ・ バイラルの失敗:バイラル性を製品戦略の一部ではなく、単なる施策として考えている
    ・ テレビに出たければ、もはやCNNに直接売り込む必要はありません。より簡単行き寺を掲載してくれて、その記事が大手目エィアにピックアップされるような小規模サイトに売り込みます。
    ・ もうひとつの規格外PRは顧客への感謝をアピールすることです。この種類のPRはパブリシティスタントよりも継続的に、そしてより計画的に行われます。「顧客にとって『魅力的な存在』であれ」という言葉の実践です。
    ・ 顧客への感謝を示す一般的な方法はプレゼントやコンテストの開催、そしてすばらしいカスタマーサポート。
    ・ サイト間のリンクはSEOにおける貨幣であり、ページのランキングを大きく左右する要因です。
    ・ コンテンツマーケティング:スタートアップ前にブログで顧客をつかんでおく
    ・ ユーザがトライアルを登録する際、ライフサイクルメッセージを利用してそのユーザにとって理想的な体験を創り出します。そして、理想的な体験に至らないユーザがたどる可能性のある全ての経路を把握しておきます。そこにもメールを用意しておいて、道から外れてしまいそうなユーザをつかんで、理想的な経路に戻れるように支えるのです・
    ・ フリーランサーのためのプロジェクト管理ツールplanscopeのブレナン・ダンは毎週の売上レポートを顧客に送信します。そのメールがいらない顧客がいるでしょうか?顧客の調子の善し悪しを伝えるようなコミュニケーションはとてもうまくいく可能性が高いのです。
    ・ リターゲティングも売上のために使えるツールです。例えば、ユーザがショッピングカートに品物を入れたまま離脱した場合、1日〜2日たってから、カートに入っている品物のスペシャルオファーをのせたターゲティングメールを送ります。
    ・ メールはパーソナルであるという特性を持っているため、顧客から見込み客への紹介を促す用途に適しています。新製品を楽しんでいるというメールを友達から受け取ると、Facebookのニュースフィードに一瞬だけ流れた商品よりも、実際に試してみる確率ははるかに高いでしょう。
    ・ ツールはなるべくシンプルにすること。明らかな問題をひとつだけ解決するようなツールがベスト。自分のWebサイト上の、ユーザがすぐ分かる場所においておき、検索エンジンが読み込めるようにしておく
    ・ エンジニアリングリソースをマーケティングに利用するような場合は、比較的少量の投資で開発したツールが長期的に効果を発揮する資産となると強力。
    ・ SPIN(situation question / problem question / implication question / need-payoff question
    ・ 営業チームとタッグを組むマーケティングチームの主な仕事は二つあります。
    ① 知識武装させること。営業が契約を効果的に勝ち取るために、必要となる全ての情報を与えます。プレゼン資料やROI計算、競合分析などがこれにあたります。
    ② 狙いを定めること。営業が集中的に取り組むべき目標を定めます。緊急性の高い見込み客とそれ以外を分類します。
    ・ 効率的に取引を成立させるには、特定のアクションや決断を行うスケジュールに関して、顧客に同意してもらうこと。それぞれのポイントで予定通り取引成立に向かっているかを確認できる。
    ・ アフィリエイト参加者を探すべき最初の場所は、既存顧客です。既にブランドや製品に親しみを持ち好意的である(と思われる)ので、比較的簡単に参加してくれます。
    ・ スペシャルフィーチャー戦略:一手先を考える必要がある。アップルやグーグルはどのようなアプリを好むでしょうか?我々がアップルやグーグルやマイクロソフトだったら、どんな物を探すでしょうか?我々ができることと、彼らが探しそうな物の間に共通する点があるでしょうか(アップルの最新テクノロジーを取り入れたアプリを一番に出すなど)
    ・ コミュニティメンバーはほかのメンバーとの会話が大好きです。しかしもちろん、メンバーはあなたから語りかけられることも大好きです。あなた自身もエヴァンジェリストたちと交流し、彼らの日々の活動に感謝し、尊重していることを伝えましょう。
    ・ 強力なコミュニティの鍵は、エヴァンジェリストを育て、権限を与えること。そして、エヴァンジェリストやコミュニティメンバー間の交流を深めることも有効

  • この本の良いところは、具体的な19のチャネルを紹介して、どれがこの本を読んでいる人にとって有益であるかについて述べていることだ。

    ちゃんと、その時々の企業のフェーズにより、どのチャネルが有効であるかが移り変わっていくこと。それを管理すること。が述べられている。

    19のチャネルに関しては、サラッと紹介されており、自分で追加で学んでいく必要はあるが、基礎は抑えてある感じ。やりながら覚えよ。と、やった人が自分で伸びる余地もある。

  • 「トラクション獲得」と「製品開発」にはほぼ同程度の重要性があり、均等に50%/50%でリソースを割り当てるべき。
    失敗したスタートアップのほとんど全ては製品やサービスを持っている。持っていないのは、十分な数の顧客。

  • ・YouTubeやredditは埋め込みボタンやウィジェットによるバイラル
    Webページに動画を埋め込むためのコード

    ・バイラル係数 =ユーザー一人あたりの招待数×CVR
    CVRをあげるにはバイラルサイクルを短くすることが最も大事
    ①コンバージョンの緊急性を高める
    ②サイクルを短縮するインセンティブを与える
    ③コンバージョンファネルをシンプルにする

    増幅する
    ①コミュニティサイトに投稿する(reddit,hacker newsとか)
    ②SNSで共有する
    ③業界の影響力をもつ人に記事をおくってコメントを求める
    ④業界のブログに連絡し、話題になってる記事であることを伝える

    規格外PR
    ・パブリシティスタント
     duckduckgoがプライバシーに関する広告をgoogle本社の前に出す→メディアに取り上げられて話題に
    ・バイラル動画
     will it blend? 自社ブレンダーでゴルフボールとかiPhoneを次々破壊した動画
    ・顧客への感謝
     hipmunk(旅行予約サイト)がサイトをツイッターで紹介してくれた人にスーツケースにつけるネームタグと手書きのカードを送る
    ・カスタマーサポート
     zappos

    例:Grasshopper.comへの社名変更(オンライン電話サービス)
    プレスリリース発行と共にバッタがかかれたチョコと起業家たちがどのように世界を変えられるかのメッセージをインフルエンサーに送付
    →ただの電話サービスではなく起業家を支援するサービスという位置づけにする
    →大物起業家にRTされバズる→メディアに取り上げられた
    ※その時の時流である起業家支援メッセージを発したことでも、メディアに取り上げられやすくなった


    例2:ChargifyのSXSWハック
    ・1.5万ドルのスポンサー料をSXSWで払う
    →会場で巨大な緑の牛を走らせる
    スタントマンがマスコットキャラクターで握手したりバク宙して認知をとる4,

  • TwitterでRT企画するくらしか能がなかったので勉強になった

  • どんなに俊逸なビジネスモデルでもどんなに優れた製品でも売れなきゃ意味がない。その超基本的な原則をお座成りに事業を始めるスタートアップは思いのほか多い。そんな方に向けた顧客を獲得するための19のトラクションガイドラインだ。本書発刊後もInstagramやTikTokなど、トラクションは日々進化・変化しているが、ベースラインとして自分の事業を顧客に向けてどう拡げればいいのかイメージしながら読むのがよいだろう。

  • 事業立ち上げ時に頭を悩ます初期顧客の獲得。その方法が網羅的に記載されている。視野狭窄にならず当たる施策の探索ヒントになる。19のチャネルが紹介されているがここの説明はあっさり。

    事例やチャネルごとに紹介されるプレイヤーはが全てアメリカのものなのでそこは自分の頭で日本にローカライズして読む必要がある。



  • メモ
    ・19のトラクションチャネル
    バイラルマーケティング。PR。規格外PR。SEM。ソーシャル/ディスプレイ広告。オフライン広告。SEO。コンテンツマーケティング。メールマーケティング。エンジニアリング活用。ブログ広告。ビジネス開発。営業。アフィリエイトプログラム。webサイト、アプリストアSNS。展示会。オフラインイベント。講演。コミュニテイ構築。

    ・パートナーシップの種類
    業務提携。ジョイントベンチャー。ライセンス供与。販売店契約。供給パートナーシップ。戦略的ビジネス開発。

    ・ブルズアイフレームワーク
    有効なトラクションチャネルをみつける。
    そのために可能性を洗い出し、評価をし、検証をした上でリソースを集中させる

  • チャネルを体系的に理解できる本

    19のトラクションチャネル

    1バイラルマーケティング
     バイラル係数・バイラルサイクル時間を理解

    2PR
     RP戦略:KOLがリンクを拡散しているブログにコンタクトを取る

    3規格外PR
     パブリシティスタント
     顧客への感謝

    4SEM
     クリックスルー率・CPC・CPA・コンバージョン率
     キーワード調査

    5ソーシャル/ディスプレイ広告

    6オフライン広告
     デモグラフィック属性が重要

    7SEO
     ファットヘッド戦略
     ロングテール戦略

    8コンテンツマーケティング

    9メールマーケティング

    10エンジニアリングの活用

    11ブログ広告

    12ビジネス開発(パートナーシップ構築)

    13営業
     SPIN営業術でのアプローチ
     1S
     2P
     3I
     4N

    14アフィリエイトプログラム

    15Webサイト、アプリストア、SNS

    16展示会
     重要:前年度に訪問者として参加し、様子を観察

    17オフラインイベント

    18講演
     自分が狙う2つの顧客グループを思い描く

    19コミュニティ構築
     最初のオーディエンスを築く


    ・トラクションチャネルの選定のため、ブルズアイフレームワークの実施
    1ブレスト

    2ランク付け

    3優先順位付け

    4低予算によるテスト

    5リソースの集中


    ・50%ルール:製品開発とトラクション獲得は同程度の重要性あり→50%のリソースを割くべき


    ・トラクション獲得の観点から見た製品開発のフェーズ
    初期:スケールしないもの。講演など。KOLの一回のツイートや、100人程度のミートアップでの講演

    成長期:
    成熟期:

  • BtoBマーケティングの手法が分かりやすく纏まっている。何から始めればいいか手探りな人は、この19チャネルはとても参考になる。

  • 新規事業のユーザー拡大を考える際に、どんな選択肢があったっけ?と振り返るのには有用。

  • トラクション≒顧客獲得。最近だとリードジェネレーション、リードナーチャリングとかリード獲得のが近いかもしれない。(この辺の表現は流行り廃りあるので何でも良い)

    オンライン・オフライン、無料・有料、色んな種類のチャネルそれぞれにある特長を掴んで、ともかく色々試しながらも効果の高い施策に絞り込んでいく手法の紹介本。

    施策の種類が豊富で特長を学べるので入門書として良書だと思います。

  • 顧客をつかむチャネルを19に分けて紹介。

  • 50%ルールというプロダクト開発だけでなく、もう50%はディストリビューションに割くべきという点が非常に重要なポイントだと感じました。Startupがなくなるのは、プロダクトが問題だったからではなく、プロダクトを届けるべき人に到達しなかったからであるというのをしっかりと認識して事業を進めたいと思います。

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著者プロフィール

インターネット検索エンジン「DuckDuckGo」のCEO兼創設者。MIT物理学士およびMIT技術政策プログラム修士取得。『トラクション ―スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル』(オライリージャパン)の共著者。

「2020年 『超一流が実践する思考法を世界中から集めて一冊にまとめてみた。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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