- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784875684398
感想・レビュー・書評
-
読み物として十分面白い。これ一冊で体系的に文学史が理解出来る。ただ、芥川とか個人として有名どころの作家には触れられていないので残念だった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
近代日本文学に絞った文学史を扱った大学受験参考書だが、講義調ということもあり大変分かりやすい。
単調に知識を羅列するのではなく、たとえば森鷗外の『舞姫』や漱石の『こころ』は、やたらページを割いて熱く語られる。筆者の文学史感に基づいて主観も交えつつ書かれているのが読みやすさにつながっているのだろう。
近代日本文学の大きな流れが整理できるためすでに読んだ作品の位置づけが理解できる。また、本書に紹介された作品の中から読んでみたいと思わせられたものも少なくなく、読書案内の役割も果たしている。
文学史をきちんと学ぶには次の段階の書物が必要だろうが、入門書としては十分である。受験生のみならず、広く一般に薦められる良書。
蛇足ながら、昔、筆者の参考書や音声講義で現代文を学んだことを懐かしく思い出した。 -
2020.5.5読了
文学とは何か。
この問いへの明確な回答を求めて藁にもすがる思いで手に取った一冊。
大学入試対策の受験本だか、多くの示唆を受けた。
近代文学の流れ、啓蒙期、写実主義、擬古典主義、浪漫主義、自然主義、反自然主義、プロレタリア、芸術派についてと、その中にあって作家が目指したもの、各作家の特徴や主な作品などが、丁寧にわかりやすく説明されていて腑に落ちる。
結局、ただ読者を楽しませたい、というエンタメとは違い、小説の形式を使って自分の大切な何かを訴えようとする切実な思いそのものが「文学」なのだと思った。
だから、価値観が揺らいだり、世界の見え方が変わったり、今立っているこの盤石なはずの足元がくらくらと揺れ始めたり、頭がぐわんぐわんしたりといった読書体験を生み出すことができるのだと思った。 -
近代文学の基本事項を確認しておきたいと思って読んでみた。予備校のカリスマ講師による講義が再現されたものだが、それぞれの文学について「物語る」ことで、無味乾燥な暗記事項が頭に入ってきやすいように構成されている。読者としては受験生のみでなく大学生や社会人も想定されている。
著者の姿勢は終始、文学の本当の面白さを熱っぽく、しかも分かりやすく説明しようとするものだ。それぞれの文学についての説明も面白いため、短時間で読み切ってしまった。学習参考書だが読み物としても楽しめるため、社会人にもお薦めだと思う。 -
* 購入日20171203
* Amazonで購入した。 -
理解本。
書店で立ち読みして
引き込まれるように買った。
文学史のジャンルで
堅苦しくなく
分かりやすく書かれている本は
珍しい。 -
読み物として十分面白い。これ一冊で体系的に文学史が理解出来る。ただ、芥川とか個人として有名どころの作家には触れられていないので残念だった。
-
受験参考書の中でも文学史の実況中継・講義録モノって、他に類書は見当たらないんじゃないかと思います(少なくとも私は見たことがありません)。
本書が扱うのは近代日本文学史。主に戦前までの文学史を4ブロックに分けて説明してあります。
国語便覧の文学史の解説だとどうしても硬くなって著者名と作品名の羅列になりがちですが、そこは実況中継シリーズ。明治からの時代の流れや西洋化とリンクさせ、物語のように流れがつけてあり読みやすいです。しかも、尾崎紅葉・森鴎外・夏目漱石などの作家やその他の作品については比較的厚く語られていて、読んだことのない作品についても「へぇ~そんな作品なんだ」と知らず知らずのうちに読んでみようと思わされます。
特に印象に残っているのが『舞姫』と『こころ』の解説。僕はどちらもあんまり良い印象を持っていなかったのですが、『舞姫』については自分が今の価値観でもってズレた評価をしていたこと、『こころ』についてはもっと深い読み方や解釈が可能であることを教えられました。高校時代の現代文の授業でも、こういうところをもうちょっと押さえた解説をして欲しかったなぁ…
近代文学に何となく興味はあるんだけど、同時に何となく手を出しにくいとも思っている人に読んで欲しい一冊です。受験生じゃなければ内容を全て覚える必要も無いので気負わず読めますし、そこで引っかかってきた作品を読んでみるのもいいと思います。 -
この本で覚えたことは入試には結局出なかったけど(笑)
読みものとして面白かった: )
読みたい作品が見つかるはず。