- Amazon.co.jp ・本 (73ページ)
- / ISBN・EAN: 9784875767107
感想・レビュー・書評
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宮沢賢治の童話。
・雨ニモマケズ
・グスゴーブドリの伝記
・オツベルと象
が入っているが、宮沢賢治の描いたお話はやはり深い!
○"グスゴーブドリの伝記"
幼い頃に飢饉の苦しさから両親を亡くしたブドリは、いろんな人の下で懸命に働き、学び、最後は火山局の技師となるが、人々のために犠牲となることを選ぶ。
ブドリに取っては辛い人生だと思うが、当時の東北地方では災害によって、作物が取れないというのは、よくあることだったのだろう。現代の地球環境を予見していたかのような話自体にも驚いたが、自然現象を科学の力でなんとかしようとする発想を1932年時点で賢治が持っていたこともスゴイ!
グスゴーブドリと宮沢賢治が重なるように思えた。
○オツベルと象
自身の欲のために動物から搾取するオツベル。林にいた象の群れが、オツベルに囚われた象を助けに来るシーンは、象の連帯の強さを示していると思う。象に上手く逃げ出して、ハッピーに暮らしてほしい。
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人間社会の縮図を輪廻転生に描いており、美しくもあり哀しい。「雨にも負けず」や「注文の多い料理店」で描いていた宮沢賢治の世界観で読むと少しショックかも。
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「グスコーブドリの伝記」と「オツベルと象」の二編を収録。「オツベルと象」は初めて読んだが、賢治には珍しく荒っぽい語り口調で新鮮だった…。人のためなら命を惜しんではいけません、人を陥れれば罰が下ります、といった賢治らしい教訓が割とダイレクトに伝わってくる二編。「ペンネンネンネンネン・ネネリの伝記」も読んでみたかったなあ
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以前読書会で紹介されて気になっていた一冊。
宮沢賢治自身の人生が投影された自伝的作品といいますが、
まずやはり主人公ブドリの生き方に感銘を受けるとともに、大自然の破壊力に人間が科学技術をもってどう立ち向かうか?という姿勢について考えさせられます。
ストーリー全体から非常に強いメッセージ性を感じられるいい童話です。 -
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【初回】
なだそれ?的なエンディング。また読まなきゃ。 -
東日本大震災を経験した今こそ、読みたい本。人が生きていくために、科学の力が本当に必要だった。そのために命を懸けた科学者たちがいた。生きるためから幸福になるために科学は発展し、さらに利益追求のために、とどまるところを知らず発展を続けた結果が今。ブドリのような科学者たちの努力の上に寝そべり、彼らの祈りを踏みにじるような暮らしではいけない。一人ひとりが、生活を根本から見直さなければならない時期に来ていることに気付かされる。
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もう3度くらいは読んでいる。
子供の頃から家においてあった。作者は宮沢賢治さん。
火山局で働いていたブドリは、
最終的に人のために自らの命を投げ出します。
10歳で飢餓により両親を失い、妹を奪われ、
その後はひたすら働き、勉強して、、
尊敬する教師に出会って、
最後は人の為に死んでいく・・・
こう書くと本当に可哀想な主人公という感じでしょうか。
でも、読んでいると悲惨な感じはしないの。
私の中ではブドリの生き方が、キラキラと光っている。
彼の知識欲と思いやりの深さ。 心に訴えかけるものがありました。
私がこう本の感想を述べた時、ある方が「賢治は仏教者でした。だから、その姿は菩薩であり慈悲のこころなのです。だから温かい。」と教えて下さいました。
そう考えると本当に、あらためて温かさが胸に湧いてきます。