異端思想の500年: グローバル思考への挑戦 (学術選書 73)

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  • 京都大学学術出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784876988730

感想・レビュー・書評

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  • かなり面白かった。表紙はブリューゲルのイカロスの墜落。
    タイトルの「異端思想」は宗教的な意味合いではなく、圧倒多数の常識に反する思考力をもった思想家、ぐらいの意味合い。
    扱っている思想家は、各章で
    オッカムのウィリアム,パドヴァのマルシリウス
    マキアヴェリ,スピノザ
    レーナル,ディドロ
    ランゲ。
    名前ぐらいしか知らない思想家が多く、僕みたいな半可通にはちょうど良い。
    著者ははっきり進歩史観を否定していて、時代の束縛を逃れるほどの強靭な思想であれば、その射程は現代でも有効だと考えている(いわく「永遠の相の下」に考える)。

    オッカムのウィリアムは、もちろん『薔薇の名前』のバスカヴィルのウィリアムのモデルだが、著者もばらなま好きらしく、ちょくちょく話が出てきた。

    レーナルの『両インド史』は、啓蒙主義時代の植民地主義批判の大著で、当時のベストセラーだったそうな。百科全書的な目次だけでも面白かったので、早速最初の一巻だけamazonで買った(定価の1/10ぐらいになってた)。

著者プロフィール

1945年大阪府に生まれる。
甲南大学名誉教授。
専門はヨーロッパ社会思想史。

主な著訳書
『啓蒙主義の辺境への旅』(世界思想社、1986)、『倫理の大転換』(行路社、2012)、『思考の自由とはなにか』(晃洋書房、2012)、『異端思想の500年』(学術選書、京都大学学術出版会、2016)など。
ジャルダン『トクヴィル伝』(晶文社、1994)、フュレ『フランス革命を考える』(岩波書店、1989)、レーナル『両インド史 東インド篇』上下巻(法政大学出版局、2009, 2011)、レーナル『両インド史 西インド篇』上巻(法政大学出版局、2015)、ランゲ『市民法理論』、フリードリヒ二世『反マキアヴェッリ論』、トクヴィル『合衆国滞在記』、ネッケル『穀物立法と穀物取引について』(訳者代表)(以上、近代社会思想コレクション、京都大学学術出版会、2013, 2016, 2018, 2021)など。

「2022年 『異端思想から近代的自由へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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