本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877142278
感想・レビュー・書評
-
夫の朴烈とともに大逆罪で死刑判決を受け、恩赦を拒否して獄中で自殺した金子文子は、被支配民族である朝鮮人の側にたち、徹底的に天皇制権力との対決をつらぬいて、日本の近代思想史の中でも傑出した存在だ。文子の思想形成過程をたどり、日本近代思想史の中に位置づけようとした著作。私は先に『何が私をこうさせたか』の方を読んでいたが、たぶんこちらを先に読んだ方が、文子の思想や行動を全体的に知るにはいいだろう。結論部分では、社会最底辺におかれた女性の位置から植民地主義・帝国主義と一体化していた日本の近代化を相対化しえた文子を、一地域の開発と闘った中から同様の視点をかちとった田中正造とならべて論じており、興味深かった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示
全3件中 1 - 3件を表示