金子文子:自己・天皇制国家・朝鮮人

著者 :
  • 影書房
3.67
  • (1)
  • (2)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 45
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877142278

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 夫の朴烈とともに大逆罪で死刑判決を受け、恩赦を拒否して獄中で自殺した金子文子は、被支配民族である朝鮮人の側にたち、徹底的に天皇制権力との対決をつらぬいて、日本の近代思想史の中でも傑出した存在だ。文子の思想形成過程をたどり、日本近代思想史の中に位置づけようとした著作。私は先に『何が私をこうさせたか』の方を読んでいたが、たぶんこちらを先に読んだ方が、文子の思想や行動を全体的に知るにはいいだろう。結論部分では、社会最底辺におかれた女性の位置から植民地主義・帝国主義と一体化していた日本の近代化を相対化しえた文子を、一地域の開発と闘った中から同様の視点をかちとった田中正造とならべて論じており、興味深かった。

  • 金子文子ノート:現にあるものをぶち壊すのが私の職業です
    http://blog.livedoor.jp/chokusuna0210/archives/52504477.html

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1930年埼玉県生まれ。近代日朝関係史。立教大学名誉教授。学校に対する君が代斉唱・日の丸掲揚の強制を憂慮する会・共同代表。著書:『全国戦没者追悼式批判―軍事大国化への布石と遺族の苦悩』『関東大震災時の朝鮮人虐殺とその後―虐殺の国家責任と民衆責任』ほか。

「2016年 『学校に思想・良心の自由を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田昭次の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×