夢について (幻冬舎文庫 よ 2-3)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877285005

感想・レビュー・書評

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  • 20年位ぶりに、あらためて読みました。以前読んだのは文庫本が発売されてすぐ位だったのでは……ばななさんの最近の作品はどうも身構えて読んでしまうのですが(ただ単に、私がニューエイジっぽいのが苦手だからなんですけど)、この一冊は「夢」というニューエイジっぽくなりがちな題材を扱っているにもかかわらず、素の視点で語られていて、うさんくささを感じないのが、とてもよかったです。

    一番好きなエピソードは「食べるということ」。

  • きっとほんと少し違う立場、違う知り合いかた、違う場所、違う時代に話せたらきっともっと自然に友達になれただろうな、といつも思うのです。

    どんなにすねた気持ちで死んでも、みんな、親しかった人たちが自分の裸より恥ずかしい何ていっても骨、を2人組でおはしで拾ってくれるんです。愛です。日本の葬式は優しい。でも親にそんな悲しい仕事、できればさせないほうがいいです。

    人は人を、本質的には裁けないのですね。
    好いたり、嫌ったり、憎んだり、愛したり信じたりするだけです。

    知恵をしぼり、気をまぎらわせ、生きているうちにただ生を生き抜くしかないんですね。

    自分の思っている自分、というのは自分が意識のスポットを当てている部分の自分であって、ほんの一部分です。しかもそれは人から見た自分、ですらないのですね。

    笑い話になるのも、生きていて、お互いがそのことを話し合えるから。

    年をとるのは美しい思い出を重ねることでもあるのだ。

  • 大半の人もそうだと信じてるけれど、私は夢を見てもすぐ忘れてしまうので、こういう風に1冊の本に出来るのは凄いなぁと心から思う。

    夢だとわかっていても現実離れした設定にドキドキハラハラするし、現実的でない部分がとても面白い。

    一時期気に入りすぎて図書委員としての壁に貼り出す掲示板のおすすめの本として紹介までした1冊。
    思い出深い…

  • 吉本ばななが書くスピリチュアルな小説の世界がなぜ生まれるのか分かった気がする。

    (タイムマシンにお願い)に書かれていた、未来の自分が今の自分にエールを送っているという文がとても好きだ。

    これで明日からも頑張れる。

  • 小さい時目が悪くてオバQを読んでいて
    というエピソードで、
    最近報われたから過去の自分に
    「必ず報われるから頑張れ」って言ってあげたい
    という気持ちはとてもよく分かる。
    誰にでもあるのじゃないだろうか。
    あの時の自分はよく頑張ったな。
    よく乗り越えたな。だから今がある。
    今幸せだから大丈夫だよ、と言いたいこと。
    私にはある。
    その反対に、未来の私が今の私にエールを送っていることがあるのかも。
    なんとなく、その考え方はいいなと思った。

    私は時々、急に周りの空気がざわっと変わって澄んで
    目が急に良くなったみたいに
    寝ていたのが覚めたみたいに、急に景色が生々しく
    はっきりと見える時がある。
    そういうとき、
    誰かが見てくれている。覚えてくれている
    という気持ちになるので
    もしかしたら
    いつかの私や、大事な誰かが送ってくれたエールが
    どんな形であれ届くのだとしたら
    やっぱりちょっと素敵かもしれない。

  • 読みやすい短編集
    よしもとばななさんの世界観に至る吉本さんの性格や考え方が垣間見える。
    人間味あふれる話も多く、読み終わりはほっこりと寂しさを感じた。
    面白い夢や心残る夢を見たら、私はこの本をまた読みたくなるはず。

  • ど直球な恋は良いとは言い切れないらしい

  • 夢の中で見た描写があまりにもリアルで、さすが作家だなぁと感じた。物語を作るように夢も描かれているんだとしたら、日々の暮らしも豊かな感性を持っている人なんだと思う。

  • 私もほんの一時期ですが、夢日記をつけていたことがあります。夢は奇想天外、荒唐無稽なものが多いので、きちんとした文章にまとめるのは、なかなか難しかったことを覚えています。

    吉本ばななさんの夢の話は、まるで本当にあったことのように整った文章で書かれていて、さすが作家さんだなぁと思いました。

    「会いたくなれば、いつでも行って、何年会わなくても同じように会える、それがお店というものです」(本文引用)

    私のお店(雑貨販売とカフェのお店をしています。)もそのようであれたらと思いました。

  • 青だけを使ったイラストが綺麗な本。ぜんぜん古くささがなくて、本当のことばかり書いてあるみたい。
    よしもとばななさんは最近読み始めたけど、この人も漫画好き、わたしも漫画好きなのでなんだか安心して読める気がする。

    6/7/2017 EST

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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