家畜人ヤプー (第1巻) (幻冬舎アウトロー文庫 O 36-1)
- 幻冬舎 (1999年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877287818
感想・レビュー・書評
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劇薬。
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記録
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設定がぶっ飛びすぎていてヤバイ。女性が世界を動かし、男性は奴隷になっている未来の話。
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【要約】
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【ノート】
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日本人は人間ではなく類人、ヤプーである。2千年後の未来では白”神”至上主義の社会が構成されており、黒人は半人間の奴隷、日本人は家畜として扱われている。
稀代のSF&SM小説1巻を読了。よくぞこれだけ緻密な世界観を妄想し描ききったものだと素直に尊敬する。それは日常生活から、日本の神話にまで及ぶ家畜史観。誰もが嫌悪感を露わにするだろう名作の続きが気になる。 -
二千年後の世界では日本人の末裔は家畜人になっているって・・・貴志祐介著『新世界より』のバケネズミを思わせる。人(家畜人ヤプーでは白人のこと)を神と崇めるところも似ている様な。1956年から『奇譚クラブ』に連載がはじまる。長編SF・SM小説という括りらしい。摩訶不思議なおはなしであった。幻冬舎アウトロー文庫版では5巻で完結。
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結婚を控えたドイツ人女性のクララと日本人男性の麟一郎のカップルは、ある日ドイツの山中で未来人の墜落現場を目撃してしまう。帝国EHS(イース)から来たと名乗るその未来人は、アクシデントにより身体が硬直してしまった麟一郎を治すため、二人をイースに連れていく事を申し出る。あらゆる技術が発展したその国は、アングロサクソン系の白人を頂点に、黒人の半人間の奴隷、そして様々な肉体改造を施され字義通りの肉便器や性玩具に身を変えられてしまったヤプーと呼ばれる日本人により形成された完全なる格差社会であった。また、徹底的な女権主義国家でもあり、権力は全て女性が握っていた。そうとも知らず麟一郎と二人、イースに行く事に同意したクララ。初めは麟一郎の容態を気にかけていた彼女だったが、次第に権力と暴力の甘美なる魅力に陶酔していく。知ってはいたけど内容はかなりえげつない。だいぶ人を選ぶので要注意!ヤプーと言われる日本人があらゆる肉体改造を受ける様子や、白黒黄色人種からなる格差社会の様子など、イース文明を科学的文献を参考にしている体でつまびらかにしている。私達が日々家畜に行っている事と、かつて奴隷や穢多非人と呼ばれる人々に対して平気で行っていた(現在も一部行っている)行為の残虐性を思えば、本作で描かれた世界もあながちあり得なくないのかもしれない。どーーーっしても拭えなかった疑問は一つだけ。「ヤプーの加工にそれだけの労力をかける意味はあるのか?!もっと楽な方法あるだろ!」ただ暇で裕福な人間が行い得る悪行の例は歴史の貴族を見れば枚挙にいとまがないので、こちらもあながちあり得なくもないのか…。
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まさに奇書。でも後書きにもあるように時代背景が違うから当時人と同じ感覚では読めていないのだろう。
この版は再編集しているらしく、そのせいなのか前半と後半で濃度が違うように感じる。食傷気味だかもう一巻読み進めてみようかな。 -
誰でも一度は夢想したり、思いついたりするエログロい事。
そんで物書きだったら一度は書いてみようかと思うけど、決して書かない。
そんな内容でした。
この文庫版だと5巻まで出てるみたいだけど、オレはこの一冊でお腹いっぱいです。
白人女性が神のように扱われる遠い未来の世界、
黄色人種は人以下とされ、人体改造によって、便器になったり、椅子になったり、性具になったり、小人になったり、、、そんな世界に連れてこられた現代人?の日本人男性と、白人女性のカップルが、、みたいな話です。
グロ注意 -
三島由紀夫や寺島修司が絶賛したという昭和30年代に書かれた『戦後最大の奇書』を読んでみた。内容は端的に言うとエログロSMスカトロジーSF小説と言った所か。兎に角発想が凄すぎる。数千年後の未来では日本人の末裔が白人に奴隷として家畜的生体家具として改良されているという…。肉便器教育実習の件のくだらなさによくぞここまで設定に凝った!と感嘆の声を上げた。所詮欧米人の家畜という当時の日本人が持つ劣等感を全面に出したコンプレックスの塊の本作品を読み終えると間違いなく疲労感に包まれる。