前作「仕事は楽しいかね?」が素晴らしい一冊で、本作の存在を知ってしまった私は手にすることに躊躇はありませんでした。
悩み多き管理職である私にとって本作のテーマ「部下と上司の理想の関係とは?」はまさに教科書。
本作で登場する「私」を私自身に置き換え、読みながら大切な気付きを与えてくれました。
〝ほんもの〟の上司に出会ったことはあるかね?
こんな一言から始まる本作。
以下、大切な気付きを備忘録として。
いいかい、きみは自分の部署の神になろうとしているんだよ。
そりゃあ大変だろうさ、神様になるなんて。
〝他社に負けない給料というのは、〝ふつう〟で、平均的で、ほかのみんなと同じくらい〟ということだ。
最高の人が働くにふさわしい最高の場所
指図ではなく信頼するんだ。
信頼に書類は必要ない。
優れた上司は、常にお役所的な体制と戦っている。
優秀な管理職の基本的な仕事は、管理することじゃない。
革新を宣言することと、独創性を伸ばす方法や独創的な思考を促す方法を考え出すことは、まったくの別物なんだよ。
自分がしたいと思わない仕事を、なぜほかの人がしたいと思うだろう?
給料よりももっと大切なもの、つまりチャンスと変化が得られることをね。
並の上司:明確な規則と規範を決める。
優れた上司:規則ではなく高い基準を決める。
一つの基準は千回の会議に匹敵するんだ。
並の上司:お役所的な体制の中でどう振る舞えばいいかを理解している。
優れた上司:お役所的な体制の外でどう仕事をすべきかを知っている。
〝違う〟ものにして初めて〝より良い〟ものにたどりつける。
並の上司:答えを教える。
優れた上司:質問を投げかける。
(部下に答えを見つけさせることのほうが、答えそのものより大切である)
もっといい方法はないか?
これがきみにできる最善のことか?
並の上司:部下の時間と努力を得る。
優れた上司:助力を得る。
ビジネスの哲学は、〝手助け〟というたった一つの言葉の中に凝縮されている。
〝はい〟のひとことですませるよりずっといい答えが必ずある。
並の上司:部下の成長について、感知しない。
優れた上司:進歩という個人的な梯子をのぼる部下を、次の段に押し上げてやる。
部下がのんきに構えていれば、それは変化を与える合図だ。
権限を手放すことも、優れた上司の特徴だ。
それも、ただ手放すんじゃなく、だれかの手にポンとゆだねるんだ。
並の上司:チームプレーヤーを探す。
優れた上司:同志を探す。
実際、有能な上司と部下が手を取り合うと何がすごいって、上下関係が一切なくなって一つになることなんだよ。
優れた部下は上司より高いレベルでできることを何か一つは持っていて、ときとして上司の仕事をチェックしてくれるんだ。
有能であることを自覚していないより、無能であることを自覚しているほうがいい。
仕事選びの大切な基準は〝今より幸せになれること〟なんだ!
ずば抜けた人材はね、ずば抜けた環境に惹きつけられるんだよ。
有能な部下は、探すことより探されることのほうがずっと多いんだ。
あなたが、ほしいものを手に入れるお手伝いをしよう。
自由を百パーセント、興奮を百パーセント上乗せしてごらん。
でもそれこそが、お役所的な組織で働きつつお役所的な考え方をしない人間なんだよ。
労働移動率が二十パーセントの企業のほうが十パーセントの企業よりずっと健全だということもある。
解雇と採用を利用して新しい基準を設定できる、つまり自分の目指すものを部下に伝えることができる。
優れた上司を選べば確実に才能を伸ばしていける。
そして、自分が仕事をしていく上で大切な役割を引き受けてくれる生涯の同志を得られるんだ。
優れた長所があってこそ、人は能力を発揮する。
強みにこそ焦点を当てるべきだね。
仕事は楽しくなくちゃだめだ。
職場から笑い声が聞こえてこなければ、きみのやり方は間違っているということだろうね。
説明
内容紹介
上司と部下の理想の関係とは?
マックス老人との出会いで、自分が望む以上に出世してしまった主人公に、今度は中間管理職としての悩みが襲っていた。
彼は、再びマックス老人にアドバイスを求める。
本書は、『マックス・メモ』(2001年刊行)を改題、再編集したものです。
商品説明
前作のマックス老人との出会いで、自分が望む以上に出世してしまった「私」に今度は中間管理職としての悩みが襲う。彼は再びマックス老人にアドバイスを求めるが――。
ベストセラー『仕事は楽しいかね?』待望の続編、『仕事は楽しいかね?2』は、主人公がマックス老人とともに上司と部下の理想の関係を探った1冊。部下の能力はそれを育む上司の能力にかかっているし、上司の仕事の成果は部下にかかっている。仕事の楽しさも同様である。となれば、仕事を楽しむためにはやはり、上司と部下の関係を考えてみる必要がある。
本書に登場する中間管理職の「私」は、部下の問題を解決するのに毎日時間を費やしており、ほとほと疲れている。そんな「私」にマックス老人は、「“ほんもの”の上司に出会ったことはあるかね」と、例の口調で問いかける。ポルシェ社の元CEO、ピーター・シュッツをはじめ、成功を収めた上司たちのエピソードを交えながら語られる「ほんもの」の上司は、「管理者」などといった野暮な日本語のイメージとは程遠く、「自由」と「変化」と「チャンス」を重んじる人物である。マックス老人によると、これら3つの要素は、同時に優れた部下が求める要素でもあり、それゆえ優れた上司の下には優れた部下が集まるのだという。上司たちは、「仕事になどいつでもつけるし、お金を稼げることも知っている」優れた人材が望むことを知っており、また「有能な部下は、探すことより探されることのほうがずっと多い」ということを知っている。結果として彼らは、部下を育て、やる気にさせ、助力を得ることができるというのだ。もちろん、そのために具体的に何をすればいいのかも、豊富なエピソードとともに語られている。
基本的には管理職、あるいは管理職をねらう若い人向けの内容だが、自分の能力を伸ばしてくれる上司ややりがいのある職場を探す際のヒントとしても読める。部下が本書に書かれた基準で自分を見るようになったら、要注意である。(土井英司)
内容(「BOOK」データベースより)
上司と部下の理想の関係とは?マックス老人との出会いで、自分が望む以上に出世してしまった主人公に、今度は中間管理職としての悩みが襲っていた。彼は、再びマックス老人にアドバイスを求める。『仕事は楽しかね?』第2弾。
内容(「MARC」データベースより)
マックス老人との出会いで自分が望む以上に出世してしまった主人公に、今度は中間管理職としての悩みが襲っていた。彼は再び、マックス老人にアドバイスを求める。2001年刊「マックス・メモ」の改題改訂。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ドーテン,デイル
アリゾナ州立大学大学院(経済学)卒業後、スタンフォード大学大学院で学ぶ。1980年、マーケティング・リサーチ専門会社、リサーチ・リソーセス(Research Resources)を起業し、マクドナルド、3M、P&G、コダックなど大手優良企業を顧客に持つ全米でもトップ・レベルの会社にまで成長させる。1991年、新聞に執筆したコラムが好評を博し、執筆活動を開始。現在米国を代表する人気コラムニスト。執筆するコラムは、100社以上の新聞社に配信され、毎週1000万人以上に愛読されている。執筆活動のかたわら、企業講演、従業員訓練やキャリア・セミナーを主催し、意思決定論、人材育成、キャリア・アップによる能力開発や成功をテーマに独自の理論を展開している。部門担当社長
野津/智子
獨協大学外国語学部フランス語学科卒業。在学中に、外国語を日本語に表現し直すおもしろさを知り、翻訳の勉強を開始。現在は、ノンフィクションやビジネス書を中心とした出版翻訳に日々奮戦している。芸術関係の字幕翻訳も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)