「生きづらさ」の時代: 香山リカ×上野千鶴子+専大生 (SI Libretto 4)
- 専修大学出版局 (2010年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784881252499
作品紹介・あらすじ
心理と社会の双の視座から日本人の「生き心地」を学者・論客、現役大学生らがいま、熱く両断する。
感想・レビュー・書評
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香山リカと上野千鶴子の対談ときたら読むしかないでしょ。入手しづらかったので図書館で借りて読みました。心理学と社会学の外側、内側から現実社会での今の問題を読み解くアプローチは引き込まれます。時折ナイフのごとくスパッと切り込む上野千鶴子に対して、風の流れるような香山リカの対談はやはり満員御礼であったようです。
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配置場所:摂枚普通図書
請求記号:361.04||I
資料ID:95110328 -
なかなか濃い二人だなと思ったものの、シンポジウムでの講演をベースにしているためさらっと読める。ネオリベラリズムと境界性パーソナリティという二つの軸、さらに無条件の承認という三つを軸に論が展開。現状把握向き。
専大生の座談会は正直必要なのだろうか、と思わなくもなかったが本書で取り扱っていた「生きづらさ」の問題が主に若者を焦点としていた(……が、実際会場には若者以外も多かったため介護の話にも言及)ため必要だったのだろう。座談会という性質からか、上澄みだけのような感じもする。 -
専修大学で行われたシンポジウムがもとになっている。「生きづらさ」を心理の問題として捉えるのと、社会の問題として捉えるという2つの視点から語ってもらうという意図から、香山リカと上野千鶴子がパネリストとして呼ばれている。
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生きづらさの原因、人間や社会について知れば、多少なりとも乗り越えていける。
上野先生が全部答えを言っちゃってる感じ。そうしたんだから、こうなるのは必然でしょって。 -
講演も学生の座談会もとっても面白く、勉強になった。
が、ボリュームが足らん。
特に座談会。
あと、学生の座談会に対する香山さんや上野さんの感想も聞いてみたかったかな。 -
上野千鶴子さんの話が最も説得力があって興味深かった。さらに深い話を聞いてみたい。若干物足りない内容。ただ、女性の労働力の話や、自己容認の水準の高さ、幼稚性な話について理解できたとともに、まさにその通りだと思った。もちろん私たちが生きてるこの社会全体が生きづらくしている原因なのだろうが、自分自身で生きづらくしている面も少なからずあると思う。少し視点を変えてみて、生きづらさについて考えられるくらい生活にも精神的にも余裕があるんだ、自分で自分はこのくらいできれば充分なんだ、と考えられるようになれれば、もっと楽に生きていけるんじゃないかなあ。
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講演内容をまとめたものだから読みごたえはないな。
可もなく不可もなく。
今更「生きづらさ」ってタイトルにするか…?という気もしなくもない。
後半は、学生の座談会が収録されてます。 -
いつもながら、上野千鶴子の語り口はスパッとしてて、おみそれしました~って感じ。無条件の存在承認などこの世にない。いるとしたらそれは神でしかない。安全や信頼のために「無条件の存在承認」なんてなくてもええやないかと。そこそこ、ほどほど、の承認さえあればいい。
今の若者が弱くなった原因ははっきりと少子化。少子化の結果の幼児化。幼生化。低い自己肯定感ど高い自己実現欲求の組み合わせ。無力感と全能感の組み合わせ。これこそは幼児性の特徴。
成熟しなくても生きていける社会をつくったのが文明の証。