赤い紙

  • 彩流社
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本棚登録 : 9
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882022824

作品紹介・あらすじ

スペインで130万部を越すロングセラー。カスティーリャ地方を舞台に、妻と死別し、友人も次々と先立ち、自慢の息子も都会へ出て行った定年退職後のエロイ老人の孤独感を、お手伝いの田舎娘デシーとの日常生活を通じて描く。

感想・レビュー・書評

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  • ☆☆☆2019年10月☆☆☆


    定年退職したエロイ老人と、女中デシーととの日々を描いた物語。以前読んだ短編にしてもそうだが、スペイン文学は以外と悲哀を描いた小説が多い気がする。
    この物語も、いつも「温もり」を求めていたのに一人、また一人と大事な人をなくしていく老人の悲しみが伝わってくる。デシーも、貧しい村に生まれ育ち都会に出てきた少女で悲しみを背負っている。
    バリャドリードと思しき街が舞台。時代背景はスペイン内戦前後かな?国王の名がしきりに出てくるから内戦前だろう。

  • わたしにはタバコの巻き紙に赤印が出たんだ。わたしの人生は残り5枚……。カスティーリャの小都市を舞台に、妻と死別し、友人にも先立たれた、定年退職後のエロイ老人の孤独感を、お手伝いの娘デシーとの日常生活を通じて描く。
    原題:La hoja roja
    (1959年)

  • わたしにはタバコの巻き紙に赤印が出たんだ。わたしの人生は残り5枚…。
    カスティーリャの小都市を舞台に、妻と死別し、友人にも先立たれた、定年
    退職後のエロイ老人の孤独感を、お手伝いの娘デシーとの日常生活を通じて
    描く。

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著者プロフィール

Miguel Delibes Setién (1920-2010)
20世紀のスペインを代表する作家の一人。『糸杉の影は長い』(1947年:岩根圀和 訳、2010年、彩流社)でナダル賞を受賞し文壇登場。自然の中で伸び伸びと生きる子どもたちを描いた『エルカミーノ(道)』(1950年:喜多延鷹 訳、2000年、彩流社)で確固たる地位を得た。以後、家族・子ども・自然・死をテーマに、独自のスタイルで数多くの作品を発表し、セルバンテス賞を始め、多くの文学賞を獲得した。時期的にはフランコの厳しい検閲(1940-1975年)と重なるが、検閲を巧みにかわし抵抗した『ネズミ』(1962年:喜多延鷹 訳、2009年、彩流社)や『マリオとの五時間』(1966:岩根圀和 訳、2004年、彩流社)などの作品もある。その他の邦訳された作品に、『そよ吹く南風にまどろむ』(喜多延鷹 訳、2020年、彩流社)、『落ちた王子さま』(岩根圀和 訳、2011年、彩流社)、『翼を失った天使』(ミゲル・デリベス 著、近藤勝彦 訳、2007年、私家版)『異端者』(岩根圀和 訳、2002年、彩流社)、『灰地に赤の夫人像』(喜多延鷹 訳、1995年、彩流社)、『赤い紙』(岩根圀和 訳、1994年、彩流社)、『好色六十路の恋文』(喜多延鷹 訳、1989年、西和書林)がある。



「2023年 『無垢なる聖人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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