エストニアの政治と歴史認識

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  • 三元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883032402

作品紹介・あらすじ

独立回復とその後の国民国家としての社会統合にあたって、エストニアほど歴史認識と言語が重要な役割を果たした例は少ない。本書は、「歌う革命」とソ連邦からの独立回復、EU加盟にむかう政治過程をふり返るなかで、歴史認識・叙述がいかに政治に結びつきその政策を正当化してきたか、そして集団間の摩擦・衝突を引き起こしたかを検証し、歴史とシティズンシップの関係をさぐる。

感想・レビュー・書評

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  •  エストニアにおける歴史認識について鳥瞰的に、また通史的にまとめた著作。通史的と言っても問題意識は独立後のエストニアを主対象とし、それ故にソヴェトとの関係、そしてロシア系住民との関係が中心にある。なお、個別的に思った事は色々とあるが、ロシア系住民を中心とした問題やソヴェトからの独立を目指した時期、あるいは実際に独立した後のエストニアにおける国籍法や言語法、居住権等々についての記述は、先行研究でロシア研究者がロシアやモスクワから見た視点で論じている事に反論しており、その点でどちらの視点が正しいかは別にして(個人的にはこの著者の見方に同意するが)学術的な意義(論争のアリーナを設け、そこに読者も参加させる)はあると思う。時々、関係ない国の歴史や政治を見ると意外な共通点や相違点に興味を抱く。

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著者プロフィール

京都大学地域研究統合情報センター 准教授

「年 『Enduring States』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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