インテル戦略転換

  • 東京アカデミー七賢出版
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883043330

感想・レビュー・書評

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  • これが約20年前に書かれた本だとは信じられない。鳥肌立つ。一度アンディに会いたかった。
    Only the Paranoid Survive.
    何かが変わった。10xの変化
    影響を与える6つの力。戦略転換点。われわれの手で。シグナルかノイズか。カオスに統治させる。カオスの手綱を取る。インターネット。
    Keep learning.

  • TOPPOINTビジネス名著20選より。


    事業の成功の陰には、必ず“”崩壊の壁が潜んでいると。
    そのために経営者は、常に外部からの攻撃に備える必要がある。
    それが最も重要な責務だと。


    著者はインテルの会長兼CEO。

  • Only the Paranoid Surive。
    インテルのアンディグローブによる業界が非連続的に変化するときの戦略転換点が生まれる理由、対処の仕方について実体験をもとに解説した本。すばらしい内容でまさにメモリからマイクロプロセッサーに戦略転換した彼にしか書けない内容。

    遅かれ早かれ、あなたの業界の基礎的要因に変化が起きる12
    戦略転換点とは企業の障害において基礎的要因が変化しつつあるタイミング。その変化は企業が新たなレベルにステップアップするチャンスでもあるかもしれないし、終焉に向けての第一歩ということも多分にありうる。
    何がどうかわったかは見えにくい。ただ、何かが変わったということだけはわかるのである13
    経営者は変化を受け入れることをよう語る。しかし戦略転換点は単なる変化とは異なる。普通の川と激流ほどの違い。36
    戦略転換点は1既存の競合企業、2供給業者、3顧客、4潜在的競合企業、5事業の手法が変わる可能性(たとえばデジタルメディアによるメディアの変化など)、6補完関係にある企業の力(たとえばPCとソフトウェア)の企業を取り巻く6つの力の何かが大きく変化し10Xの変化になるときに生まれる。40
    戦略転換点とはさまざまなバランスが変化しこれまでの構造、これまでの経営手法、これまでの競争の方法が、新たなものへと移行してゆく点42
    二次曲線の傾きのかわるあたり。当事者にはその点にきてるかわかりにくい。ハイキングでどこで道にまよったかはっきりしないような感じ。43
    戦略転換点においてはタイミングこそすべて。科学的アプローチよりも直感と個人的判断しか頼れるものはない。戦略転換点という乱気流に巻き込まれたら悲しいことに使えるものは直感と判断しかないのだ。46
    コンピュータ業界はバリューチェーンで横割り構造になった(1995年頃)。もともとは縦割りだったのがいつ横割になったのかの戦略転換点ははっきりはわからない。モーフィングみたいなものだ。53ー54
    戦略転換点はハイテク業界特有の現象ではなく、誰のみにも降り掛かる66
    テクノロジーの基本ルールは「技術的に可能なことは、いつの日か必ず実現される76
    あらゆる業界で戦略転換点が観察される。それが訪れると必ず勝者と敗者が生まれる(図)93
    頭上の敵機96
    (メモリ事業が苦境になったとき)「もしわれわれがおいただれて新しいCEOがきたら何をするか?」「メモリ事業からの徹底だろうな」「気持ちを切り替えてわれわれでやろうじゃないか」105
    新しい経営者が前任者より能力があるとは限らない。一つだけ前任者より確実に優れている点がありそれが非常に重要なのだ。新しい経営者には思い入れやしがらみがない110
    戦略転換点の前兆のシグナルか/それともノイズか?。ピストルに一発しか弾がなくてどの競争相手をしとめるためにとっておくか?みんなが違う回答をいいはじめたら要注意。転換点が近いかも。(126)
    組織の中のカサンドラは戦略転換点を認識する上で頼もしい存在となってくれる128
    会社のまわりで起きていることを把握しなさい、と、会社で起きていることを把握しなさい、はまったく意味が異なる130
    初期バージョンの罠。新しく何かがでたときはたいていたいしたことがない。でもレーダーのスイッチをきってはいけない。インターネットでさえ最初はたいしたことなかった132
    ある特定の展開が戦略転換点なのかどうかを見極めるために最も重要なことは、広く意見を集めて集中的にディベートすることだ135
    議論や論争をするときは常にデータを用意せよと教えている137
    企業がどのように戦略転換点を乗り越えていくかはとてもウェットで感覚的144
    戦略転換点にある企業の経営者は喪失感がある145
    戦略転換点のトップに求められるのは経営手腕や指導力よりも過去のしがらみがないこと148
    スポーツ同様、タイミングがすべて153
    不十分かつ手遅れシンドローム155
    何を追求するかだけでなく何を追求しないかを明確にすることが重要だ160
    組織が変貌するときにもっとも必要とされる重要な行動は旧来の考え方で配置されていた経営資源を新しい考え方にあわせて根本的に再配置すること166
    あなたがリーダー的立場にいるとしたらその時間の使い方はおおきな象徴を意味する。何が重要で何がそうでないか?を雄弁に物語る。戦略転換がはじまるのはトップからだけでなくスケジュール表からもはじまる168
    資源再配置のジレンマ。早すぎると遅すぎるの間の最適なタイミングを狙う。しかしほとんどの場合は遅すぎることが多い。遅すぎるより早すぎるほうがまだ手のうちようがある171
    戦略転換をするときによく生じる問題の一つは一つの戦略目標にすべてをかけるのか、ヘッジをするのか。Mトゥエインの「一つのバスケットにすべての卵を入れて、そのバスケットから目を離すな」が正解。しぼること。173
    競争相手が追ってくれば(たいていは追ってくる。だからこそ「パラノイアだけが生き残れる」。
    会社が迷走しているときには、経営陣は混乱しているものだ。経営陣が混乱すると何もかもがうまくいかなくなる。社員が皆、無気力になるからだ。こういうときこそ、進路を決めてくれる力強いリーダーが必要。ベストである必要すらない。ただ力強くはっきりしたものであればいい。175
    混乱をさらに悪化させるもう一つの要因は矛盾した発言にある。175
    最も大事なことは、あなた自身が新しい戦略のモデルにならなければいけないということだ176。戦略と一貫性のある事柄だけに関心を示しそれ以外は切り捨てる。自分の行動ももっている象徴的な意味合いが組織の中で影響を与えていくことを認識し、ややオーバーに行動を(戦略転換に)、修正すること。自分のスケジュールがもっとも大きな武器になる177
    重要なことは、方向を選ぶときや覚悟を決めるときは、ヘッジすることができないということ178
    縦軸にトップダウンが強い、弱い、横軸にボトムアップが強い弱い。右上のどっちも強いがいい。これをトップダウンとボトムアップの動的な相互作用がうまくはたらいている状態184
    断言してもいいだろう。戦略転換点という死の谷を通ることは、組織が耐えなければいけない試練の中でも最大のものだ。けれども10Xの力が降り掛かってきたときに選べる道は変化に立ち向かうか、必然的な衰退を受け入れるかの二つに一つだ。まさに選択の余地はないのだ189


    形のない転換点を相手に、どのようにしたら企業や個人のキャリアを救うための適切な処置を講じるタイミングがわかるのだろうか。残念ながら、これといった方法はないのだ。
    しかし、わかるようになるまで待つわけにはいかない。タイミングがすべてだ。もし企業に余力があり、既存の事業で経営を維持しながら新しい事業展開を試せるのであれば、今の社員や戦略的ポジションといった会社が持っている力の大部分を救うことができるだろう。しかしそれは、全体像が見えず、データもそろっていない時点で行動を起こすということを意味する。科学的なアプローチによる経営を信条としている人であっても、このときばかりは直感と個人的判断しか頼れるものはない。戦略転換点という乱気流に巻き込まれたら、乗り切るために使えるものは、悲しいことに直感と判断しかないのである。

  • インテル社の元CEO、アンドリュー・S・グローブの名書。
    "極度の心配性"と副題が掲載されているだけあって、内容が壮絶です。。

    主にインテルの、事業での分岐点は
    どのようなキッカケで、どのような
    プロセスを通じ意思決定されていたのか、怖いくらいの迫力で描いております。環境変化に最も早く気づいた組織が、中長期的に勝つのでは無いのかと
    気づかされました。

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