- Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887243842
作品紹介・あらすじ
「自分はなんのために生まれてきたのだろう?」その答えをさがし求めるクローン少年マットに、次々とおそいかかる危機、そして、徐々に暴かれるエル・パトロンのおそるべき陰謀とは?最後まで目がはなせないおもしろさ!全米図書賞受賞近未来冒険ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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長すぎ おもしろいけど長い
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思った以上に好みで非常に面白かった。クローンって重たいのですがテーマ的には凄く好き。主人公が生まれからアイデンティティーへの苦悩を背負っていて、それに葛藤しながら、自分の生きる道を模索していく姿に心うたれる。
世界観、ちょっと不思議な感じで、クローン技術が確立してるほどのテクノロジーあるのに、どこかレトロな雰囲気がありました。大きな芥子畑で奴隷制があるところが、昔のアメリカっぽいな。脳にチップ入れた奴隷とか、クローンの存在意義とか、国境を越えた人の末路とか、矛盾に満ちた洗脳教育とか、そういう設定がエグかったんですけども、そこにリアリティがあって、引き込まれました。緻密に描かれた世界観と、人間の醜悪さなどが、すばらしいと思う。
キャラクターも、主人公のマットの未熟な部分も愛しいし、ボディガードの包容力やヒロインも良かったんですけど、なんといっても、エル・パトロンの邪悪さには惚れました。どぎつくて惚れ惚れする。最後の幕引きも非常に彼らしく、膝を打った。まさに宝を守っていたドラゴンのような人だったのだなと。
そしてストーリーも、マットの成長の過程、偏見や裏切り、そして明かされる真実と脱走劇、芽生える友情、そして大団円! とスピーディで非常に滾るものがあったんですけど、ひとつ難を言えば、最後がけっこうあっさりで、マットが更に逞しく成長する過程など、もっと続きが読みたかった……! 結末に関しては希望が感じられて文句なしなのですが、絶対に、続編あると思ってたのに……!
でも、それを抜きにしても、非常に上質な冒険ファンタジー+SF風味なので、ぜひ、少年が苦難にあいながらも成長する物語が好きならばオススメです。テーマ的にはけっこう重たいのですが、最後まで読めるお話だと思います。 -
麻薬取引によって権力を握り、国まで作ってしまったエル・パロトンのクローンとして生まれたマットの物語。最初は狭かった世界が様々な人に出会うことで広がっていき、喜びや楽しさを知る一方で、クローンに対する差別や迫害を受けることになる。
クローンは人ではない、決して人と同じにはなれない。そんな絶望を抱えながらも逞しく成長していくマット。
「自分は何ものなのか」ということは、ある程度、出生や環境で決められてしまうものなのかもしれない。けれど、そこから何を選び、どうありたいと思うかで何ものであるかと自ら決めていくことを強く感じた作品。
児童書だからかちょっと強引なところもあるけれど、その分楽しく読めた。 -
物語の世界を理解するのに、少し根気がいった。麻薬貿易で王国を築いた長老のクローンとして産まれた少年が、数奇な運命を辿る。クローン人間の倫理を問うと共に、科学ファンタジー要素も取り入れられている。全体的に暗く、壮絶ではあるが、その分現実味があった。
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マットが可哀想・・・
正直言って表紙のマットに惚れて借りた
内容も★五つでしたよ! -
面白い。ボディーガードのタム・リンが印象的。
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とにかく読んでほしい