石垣りん詩集 表札

著者 :
  • 童話屋
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887471436

作品紹介・あらすじ

「自分の住むところには 自分で表札を出すにかぎる。」
石垣りんは、早くより東京・丸の内で銀行勤めのかたわら詩を書き、一家六人の家族の暮らしを支え、太平洋戦争の頃には多感な二十代を過ごしました。そういった生活苦さえも詩作の糧にしてしまうしたたかさを発揮して、「表札」など文学史にのこる名詩を生んだのです。
日常を鋭く観察した詩や反戦詩は、今生きる私たちに勇気を与え、また反省を促します。2020年に生誕100年を迎え、装いもあらたに、これぞ石垣りんという作品を厳選しました。童話屋の詩文庫・決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 石垣りんさんの詩集ですね。
    2021年8月2日初版。
    『レモンとねずみ』と同じく、童話社刊です。
    大きさも、いっしょです。

    石垣りんさんの代表作『表札など』『レモンとねずみ』
    『私の前にあるお釜と燃える火と』などからの選集です。

    石垣りんの詩は、私にはとても体の中にすいすい入ってきます。
    わかりやすいながら、ぐっと突き刺さる言葉が赤裸々に綴られています。
    まさに、詩と共に人生を歩んだ人の言葉が怖いくらいに語りかけてきます。
    石垣りんには、石垣りんの詩で何時でも会える。
    とても大切な詩集ですね。


  • 天声人語で紹介されててその後図書館に行ったら目に留まり、その場で読みました。詩集を読むのはいつぶり?というくらい。言葉ひとつひとつから、おなまえの通り凛として立つ女性の姿が目に浮かんできました。戦後の作品が中心、今より女性の居場所は狭かったと思いますが、それでも心のありようはずっと広い。決めた生き方を貫く強さが感じ取れました。表題作である表札と、いじわるの詩が印象的でした。

  • 図書館の新刊・おすすめコーナーで発見した本。
    『表札』『雪崩のとき』
    ことばが、すーっと入ってきた。

    詩集は久々に読んだ。
    絵本同様、これは読み続けたい。

    本カバーが渋すぎて、当初借りるのやめようかとおもった。
    中のイラストがふしぎで気になったのと、試し読みの表札に痺れたのが決め手。ふー。

  • 女性の立場から女性を女性として描く詩の数々。生きることの難しさ、辛さ、そういうものにしっかり向き合って咀嚼し消化して詩を生んでいる。

  • 分かりやすく、力強く、グサッと心に突き刺さるような詩だ。こんなにも家族に対する嫌悪感を書いてもいいんだろうかという印象を受けた詩もあった。時に読み返してみたい。

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著者プロフィール

石垣りん一九二〇年東京生まれ。詩人。高等小学校時代から詩作を始め、少女雑誌に投稿する。小学校卒業後、十四歳で日本興業銀行に就職。二十五歳の時に敗戦を迎え、戦後は職場の組合活動にも参加しながら詩作に集中。三八年同人誌「断層」を創刊し福田正夫に師事。五九年第一詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』刊行。六九年第二詩集『表札など』でH氏賞、七一年『石垣りん詩集』で田村俊子賞、七九年『略歴』で地球賞を受賞。二〇〇四年没。

「2023年 『朝のあかり 石垣りんエッセイ集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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