個と組織を強くする 部課長の対話力

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887598348

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  • 著者は企業の従業員・公務員を対象に「プロフェッショナルシップ」(一個のプロとしての基盤意識)醸成研修、キャリア教育のプログラムを開発・実施している。

    著書に「いい仕事ができる人の考え方」「ぶれない自分の仕事観をつくるキーワード80」「ギフトからヒットが生まれる」等多数。

    個と組織を根本から強くするのは部課長の「対話する力」である。

    個々のマインドを強くし、組織相対としてのメンタルを強くするためには、職場の部課長が不断に対話を起こし、大人の観を部下にぶつけ、ロールモデルとしての姿を見せることが必要になってくる。

    そのために本書で訴えていることは以下の二つ
    ①部課長よ、自分の考え・答えをしっかり持て。そしてそれを部下にぶつけよ。
    ②語るべき内容を持たぬ部課長は永遠に部下・組織を率いることなどできない。

    上記を軸として以下の5章にわたり構成されている。
    ①個と組織を強くする5つの対話
    ②対話力の基盤となる5つの観
    ③対話を深める5つの心構え
    ④対話を起こすための5つの技法
    ⑤骨太な対話を引き出す5つのツール

    一見理想論ばかりで構成されているように思う本書。しかし、それだけではない。理論だけにとどまらず今の企業が抱える問題の本質をえぐりとるがごとく的確な提言が現場の行動レベルまで落とし込まれて見事に描かれている。

    もやもやとしていた問題もあぁこういうことだったのかとかなりクリアにさせてもらえた。全てが当てはまるというものではないが、各職場においても似たような事象は散見され、かつ解決法についてもかなりの分野においても応用は効くはずである。

    読むべき対象は若手のみならず部課長及び経営者についても読んでおいて損はない一冊である。

    対話が大切。
    誰もが理解できる。しかし、対話が何であり、どのようにしたら良いのかまでは明確に答えることはできなかった。

    今はその大切さ。そしてどのように行なっていくべきかということは理解できた。自分なりに考えて取り入れていこうと思う。

  • 分かりやすくて、部課長に真に必要なことがまとめられている名著。

  • 組織で必要な対話とは?

    →仕事が持つ意味的な広がりを把握し、長期的な時間軸や湧き上がってくる動機軸の方向へ押し広げる
    迷いや揺らぎの中から自分なりの進路をつくりだしていくんだという覚悟が必要
    部を引っ張っていくために、目的をみんなでしっかり持ち合うよう働きかけることであり、目的は目標+意味て表される
    部下は自分ではなく、目的に従わせる
    コミュニケーションとは、状況をつかみその文脈に乗せて、語るべき内容を持ち、もろもろの振る舞いを通して意思疎通を図ること

  • 対話のやり方というよりは、その前段階で知っておくべきことなども含めた広い範囲でのものとなっている。
    お金は血液で、どう生きるかが大切。金儲けは悪ではない。問題はその金を使って何をするか。

  • 今日の日本は、グローバル経済の中で競争力を失い、また会社組織内部を見ても、企業の利益至上主義や成果主義の影響で、労働者は疲弊している。

    そして、このような状況を打開するのが、「部課長の対話力」であるという。

    では、何をどう話したらいいのかといえば、「部課長は、①状況をつかみ、その「文脈」(Context)に乗せて、②語るべき「内容」(Contents)を持ち、③もろもろの「振舞い」(Conduct)を通して、部下に対して意志疎通を図ることが必要だという。

    また、部下と対話する場合に「共有目的」を設定することが必要。「共有目的」とは、分かち合える理念やビジョンといえる。
    一方、成果主義のもとでは、「目標」の設定はされるが、「目的」と「目標」は別物である。

    著者によれば、「目標」とは単に目指すべき方向や状態(定性的・定量的に表される)をいい、「目的」はそこに意味や意義が付加されたものであるという(目的=目標+意味)。

    これは例えば、この目標を達成することは自分自身のキャリアにとってどんな意味があるのかを問うことであり、目的を共有した部課長と部下の対話はこのような形でなされる。

    自分の会社の現状を見ても、確かに部課長と部下との会話が少なく、それ以外にも著者が指摘する組織の問題点が散見されること、また同時に、その中で部課長の果たす役割の大きいことを改めて気づかされた。

  • 自分にとって仕事とは何なのか?
    何のために働くのか?

    そんな事を深く考えるきっかけを与えてくれた本ですね。部課長のみならず、20代の若い人にもぜひ読んで考えてもらいたい、そんな一冊でした。

  • 対話というキーワードで上司・部下のコミュニケーションについて書かれていますが、①指示②会議③折衝④雑談と区別して⑤対話を位置付けており、またこの対話が少ないことで、うまくいかないことが多いとも示しています。高度情報化時代の今、逆にアナログ的な対話が足りないことを痛感させられました。

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著者プロフィール

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。
「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)をはじめ、管理職研修、キャリア開発研修、思考技術研修などの分野で企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。
GCC(グロービス・キャリア・クラブ)主催セミナーにて登壇も多数。
1986年慶應義塾大学・経済学部卒業。プラス、日経BP社、ベネッセコーポレーション、NTTデータを経て、03年独立。94-95年イリノイ工科大学大学院「Institute of Design」(米・シカゴ)研究員、07年一橋大学大学院・商学研究科にて経営学修士(MBA)取得。
著書に、『キレの思考・コクの思考』(東洋経済新報社)、『個と組織を強くする部課長の対話力』『いい仕事ができる人の考え方』『働き方の哲学』(7万部超)(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

「2021年 『キャリア・ウェルネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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