失敗の中国近代史 [阿片戦争から南京事件まで]

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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890632268

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  • 官僚は合議で決定し、出身組織の利害のみを考え、責任をとらず、国家・国民を省みることはない。▼外交官試験が導入され、試験合格者が外交政策を決めるようになり失敗が続いた。例は幣原喜重郎、有田八郎、佐藤尚武、松岡洋右、東郷茂徳、広田弘毅。失敗例:ワシントン会議。

    中国の官僚・軍人は失敗・敗戦しても、皇帝には「成功・勝利」と報告する。後で、嘘だとばれて激怒される。

    清が朝鮮を単独支配し、その権利をそのままロシアに譲渡せば、日本はロシアから侵略されやすくなる。天津条約に従って、日清が共同で独立朝鮮を支配することが好ましかった。 

    清による日本への宣戦布告。光緒帝「朝鮮は二百年にわたり中国の属国であった。毎年朝貢を欠かさなかった。これは国の内外に知られている」。中国は道義的に優位に立って交渉を有利に進めようとする伝統がある。▼李鴻章は春帆楼で、日本の躍進を称え、日本から同情を誘おうとした。

    辛亥革命。破壊には成功したが、建設には失敗した。

    ※日清戦争では、秀吉の明遠征と同様、朝鮮の貧困、食料調達の困難を見逃していた。
    ※儒学者は軍事的リアリズムを持たず、大義名分を重視。民衆が戦争を欲しても、為政者は敗北必至であれば、止めねばならない。
    ※食料・物資は天津を通って、北京に送られる。北京を占領するには天津を抑えればよい。
    ※麻薬取締官は厚生労働省。警察ではない。
    ※李鴻章は小山豊太郎(自由党の活動家)によって拳銃で襲われ、重症を負う。テロの背景は不明だが、ただ目立ちたかっただけ。終身刑。

  • 別宮氏は資料に基づく自身の見解に面白さ・価値がある

    科挙 時事問題について古典の演繹で政策を競う 
    非現実的 社会の進歩を妨害する側に回る・・・本質的見立て
    中国的思考法 観察や経験ではなく、古文の読書で学ぶ
    西洋は物事の検査を経て、はじめて不易と定める
    「格物致知」事実を調査してから方針を決定する

    日清講和条約
    全権委員 帰国時に斬首される 希望者いない
    全権委任状の要件を満たさず
    「愚かでも何とかなるが、愚かさが悪意と結びつくと不可」

    自由の抑圧・官業の重視は民業不振・経済衰退をもたらす
    官は民間資産の収奪により己を守れるが、
    経済発展は阻害される
    経済発展は自主性を持つ民間人のみがなしうる

  • ── 中国に新しいものなどありはしない。ただ残酷な古代が現在に現れるだけだ

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