(坂の上の雲では分からない) 日露戦争陸戦

著者 :
  • 並木書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890632497

作品紹介・あらすじ

日本軍大勝利で終わった日露戦争。その勝因はさまざまにいわれてきた。司馬遼太郎は『坂の上の雲』で、日本軍は兵力において劣ったが、作戦計画能力で上回ったためと書いたが、それは全く事実に反する。開戦時、陸軍には事前の作戦計画と呼べるものはなく、陸戦の開始は開戦から八〇日も遅れた。ではどうして陸軍は勝つことができたのか?それは、参謀本部の独りよがりの作戦計画を、現場の実情にあわせて修正し、自ら戦機をつかんで勝利に導いた各級の指揮官と献身的な兵士がいたからだ。日露開戦の経緯から終戦交渉に至るまで、新たな視点から日露陸戦勝利の実相を描く。

感想・レビュー・書評

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  • NHKドラマ『坂の上の雲』は、司馬遼太郎が懸念していた通り、戦争が美化されすぎているのではないだろうか? そのことが知りたくてこの本を読んだ。そのことを知ることができるが、この本はけっこう難解だったりする。うーん、つづきはブログで・・・
    http://pinvill.cocolog-nifty.com/daybooks/2011/12/post-060b.html

  • 別宮氏による日露陸戦解釈。
    全体的な流れとしては、日露戦争の勝因は、優秀な兵卒が、欠陥の多い上層部の戦争指導を支えたため、となる。
    特に満州軍総司令部ができてからの戦争指導には疑問点が多いとする。総司令部の井口、松川両参謀は、戦術のなんたるかを知らず、参謀本部あって国を知らない姿勢が、稚拙な作戦指導をさせたのだという。第二次大戦における参謀の暴走はこの時点が始まりだったという。こうした参謀の暴走を児玉源太郎などが何とかまとめ上げたのだという。しかし、その児玉にしろ、大山巌にしろ、軍人と言うよりは政治家であり、作戦指導という面では問題が多かったという。
    伊藤博文が開戦賛成派だったこと、奉天会戦以後の日本軍の進出の不活発は国力以前に進出する意志がなくなったこと、など新知見もあった。
    現代の官僚制度の弊害がこの時期からすでにあったとするほんの内容は、十分にうなずけるものがある。

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