推薦文、作家による作家の

著者 :
制作 : 中村邦生 
  • 風濤社
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本棚登録 : 54
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892194528

作品紹介・あらすじ

かつて文学全集華やかなりし頃、その宣伝物たるも百花繚乱をみせた。捨てられる運命のパンフレットを探し出し一堂に会してみれば、驚くべき文化遺産がひろがっていた!
文学者の評伝を読むことが好きな僕は、自分でも一冊書いてみようと思いたったことがあった。選んだ相手は菊池寛。
大江健三郎(『菊池寛全集』)
小川国男の作品には、上質な洋酒のようなさらさらとした切れの良さがある。〈中略〉わたしが単に上質な洋酒などに惹かれるはずがない。漬けてある蝮に惹かれているのだ。(『小川国男作品集』)
ある時間が来ると吉行さんは「ま、今日はこのあたりで」という感じで消えてしまい、あとには読者が(あるいは僕が)ぽつんと残される。 村上春樹【『吉行淳之介全集』】
推せんどころか読まねば手遅れだ。愛読し給え。手にして自慢し給え。君の本だ。 淀川長治【『植草甚一スクラップ・ブック』】
全集内容見本は名文の宝庫。作家が作家に寄せた“推薦文”84作家108篇収録。

感想・レビュー・書評

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  •  作家が作家を紹介する、全集の内容見本の推薦文を集めたもの。武田鉄矢が安吾を推していたのが意外すぎた。あと、吉本ばななの推薦文は推薦文じゃない……勿体ないくらい良い。
     出版社の菊池寛の全集の広告?宣伝?が個性的過ぎてwそもそも寛自身にそういう性格あったらしいので……。
     知らなかった作家も知ることが出来たし、知らなかった関係性も知ることが出来て満足です。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000153089

  • 出版社が販売促進の為に発行されたパンフレットに発行される本の「推薦文」が掲載されている。掲載された推薦文は有名作家が書いたものが多く明文である。しかし、パンフレットであるため保存されることは稀である。著者はこおんほとんど処分されたパンフレットを収集して「推薦文」を集められた。
    大江健三郎が菊池寛全集の推薦文を書いたり、吉本ばななが父親の全集の推薦文を書いている。どちらも感動する名文だった。

  • 作家の皆さまが他の作家の全集の推薦文を書く。それぞれの作家リスペクトが素晴らしい!

  • 読売新聞20181215掲載

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著者プロフィール

1946年、東京都に生れる。立教大学大学院博士課程修了。現在、大東文化大学教授。訳書等に『喜びのおとずれ C.S.ルイス自叙伝 冨山房百科文庫 7』(クライヴ・ステープルズ・ルイス著、早乙女 忠・中村 邦生訳、冨山房、1977年・新装版・1994年、ちくま文庫(筑摩書房)・2005年)、『逃げるが勝ち 文学のおくりもの 26』(ロレンス・ダレル著、山崎 勉・中村 邦生訳、晶文社、1980年)、『さようならの事典』(窪田 般彌・中村 邦生 編著、大修館書店、1989年)、『つまずきの事典 人生の危機から生れた名言・名句』(中村 邦生編著、大修館書店、1993年)、『たのしく読めるイギリス文学 作品ガイド150 シリーズ文学ガイド 1』(中村 邦生他編著、ミネルヴァ書房、1994年)、『罪深き愉しみ 現代アメリカ文学叢書 8』(ドナルド・バーセルミ著、山崎 勉・中村 邦生訳、彩流社、1995年)、『たのしく読める英米青春小説 作品ガイド120 シリーズ文学ガイド 9』(高田 賢一・中村 邦生編著、ミネルヴァ書房、2002年)、『ぼくのうちに波がきた 大型絵本』(キャサリン・コーワン著、マーク・ブエナー画、中村 邦生訳、岩波書店、2003年)、『月の川を渡る』(中村 邦生著、作品社、2004年)、『〈虚言〉の領域 反人生処方としての文学  ミネルヴァ評論叢書〈文学の在り処〉(中村 邦生著、ミネルヴァ書房、2004年)、『風の消息、それぞれの  森への招待-軽井沢浅間山麓-,泣き塾-練馬大泉ジャンクション- 他』(中村 邦生著、作品社、2006年)、『いま、きみを励ますことば 感情のレッスン 岩波ジュニア新書 577』(中村 邦生著、岩波書店、2007年)、『名作はこのように始まる 2 ミネルヴァ評論叢書〈文学の在り処〉 別巻 2』(中村 邦生・千石 英世編著、ミネルヴァ書房、2008年)などがある。

「1995年 『罪深き愉しみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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