- Amazon.co.jp ・本 (92ページ)
- / ISBN・EAN: 9784892386695
作品紹介・あらすじ
本書には、アメリカで活躍したイラストレーターたちの略歴と主要な作品名が、紹介されています。その作品名には、未紹介のものも含まれています。1919年から1994年までの児童図書週間のポスターをながめ、解説を読んでいただければ、アメリカの児童書界が、この75年間に、どんな流れをたどったかが、わかるつくりになっています。
感想・レビュー・書評
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1919年から1994年までの75年間に及ぶ、アメリカの「児童図書週間」のポスターを収録した一冊。
識字率をあげ、読書を奨励し、子どもの本の楽しさを知らせることを目的としていたらしい。
今でこそ子ども向けの本が書店や図書館で選択に迷うほどあふれているが、それを見下げる大人たちというのも確実に存在したわけで、そのあたりの苦労がしのばれるというもの。
一般の人々を啓蒙するためにも、訴求力のあるポスターが求められたことだろう。
描いた人々の名前を見ると実にそうそうたるメンバー。
作品の横には画家の名と略歴が載っているのだが、知らない名前でも「コールデコット賞受賞」とか、著名な作品などが解説されている。
「かいじゅうたちのいるところ」を描いたモーリス・センダックは1960年の作品。
「ゆきのひ」や「ピーターのくちぶえ」を描いたキーツは1965年の作品。
「シンデレラ」や「雪の女王」を描いたマーシャ・ブラウンのてがけたポスターも。
トミー・アンゲラーの作品もあるし、アーノルド・ローベルもあるし(これが一番好き)
ウィリアム・スタイグやマーゴット・ツェマックもある。
面白いもので、知っている名前が登場すると、その作品との共通点を見つけては何だか嬉しくなったりする。
年代を追うにつれて色調が明るくなるが、当然のことながら1938年頃から暗い作品となる。
子どもたちは登場しなくなり、ダークな色彩で圧迫感が強い。
読書の楽しさを言う前に、安心して本を読める日常を大人が造りあげないとね。
識字率が高い日本の子どもたちだが、本に込める願いには日米で差があるように思える。
「実益」先行の現代でこそ、ゆったりと想像の翼を広げる読書を子どもたちに楽しんでもらいたいものだ。 -
1919年から1994年までのアメリカにおける児童図書週間ポスター集。
本書は1998年発行。
「すべての子どもに良い本を提供し、知識ばかりでなく楽しみのための読書を奨励しようという基本理念」(Children's Book Council からひとこと より)は、アメリカはもとより、日本においても変わらない高尚な理念である。
今、日本では読書をしない人が増えているというが、実にもったいないことだ。
ネットやスマホを批判したいのではない。
ただ多面的なものの見方、調査方法などを身につけるために読書という方法を残して欲しいし、アナログな時間の全てが無駄な時間ではないと知って欲しいだけだ。
本書は、日本では馴染みのないイラストレーターも多いが、『ぞうのババール』や『ムナーリの機械』『かいじゅうたちのいるところ』等、日本でも有名な本の画家がポスターを書いている年もある。
それだけでも一見の価値ありだ。
各ポスターの解説も面白いので、そこも是非。
各標語に時代を感じ(例えば戦時中の1942「進め、本とともに」1944、1945「本でひとつに」)絵画で表された本の世界に広さを感じる。
1964、1988、1991年は特にお気に入り。
本書出版から20年近く経った。
そしてこの運動が始まって94年が経つ。
本書の出版以降のポスターも見てみたい。
変わっていく本の役割、変わらない願いを感じてみたい。 -
本書には、アメリカで活躍したイラストレーターたちの略歴と主要な作品名が、紹介されています。その作品名には、未紹介のものも含まれています。1919年から1994年までの児童図書週間のポスターをながめ、解説を読んでいただければ、アメリカの児童書界が、この75年間に、どんな流れをたどったかが、わかるつくりになっています。
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烏兎の庭 第一部 絵本 11.2.03
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/yoko/bookweeky.html
このへんはイコールとはならないようですね
このへんはイコールとはならないようですね
うわぁお!これは面白いコメントですね!
想像は、経験の域をなかなか抜け出ませんよね。
それも、思考するときも想...
うわぁお!これは面白いコメントですね!
想像は、経験の域をなかなか抜け出ませんよね。
それも、思考するときも想像するときも言葉に頼ってます。
言葉は、識字率が低いままではボキャブラリそのものが貧困。
独創性も同じでしょう。
3つとも同程度に高いひとに出会えません。不思議です。
そういう人たちも存在すると思いますが、自分が凡人なので出会うチャンスもないのでしょうね。
有名作家に頼ってまで「本を読もう」というポスターを作る国が、ほんの少し羨ましかったです。