仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理 ~マネーの時代を生きる君たちへ~ -原田武夫の東大講義録-
- ブックマン社 (2007年1月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784893086433
感想・レビュー・書評
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米国には隠れた支配層、「奥の院」があるという。米国の国内において、実は(半永久的に)支配する者と支配される者との関係が固定化しているという。大統領や政府高官、有名大学教授、芸能人(セレブリティー)など役割を任せられているだけの表向きの「支配層」を、あたかもチェスの駒のように動かすことができる米国の本当の支配集団がいて、それを「奥の院」と著者は本書で命名しています。また本書が出版された2007年(今から15年前)の時点でアメリカによる情報操作が日本のマスメディアに及んでいると著者は述べていますが、日々得る情報(インフォメーションという意味での)についてよく吟味して鵜呑みにしてはならないとあらためて感じました。
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時事問題の情報活用能力の基礎力強化本。
単なる陰謀・トンでも本ではないというところが、原田大先生のウリなのだっ。 あなどるなかれ、東大の単位認定講義の講義録だ。
既知の事実だが、新聞等メディアは広告主に逆らえないという宿命を負っている。 だから、読み手は、これらの情報を読み取り・活用する手立てを用意する必要がある。 メディアからの情報は、ただそれだけでは何も生まない。 いわゆる情報リテラシーってやつだ。
異論反論、あるかもしれませんが、情報リテラシーを身に付ける入門本として、お勧め中のナンバーワン。
見開き、左ページが読み物、右ページが用語解説になっていて、予備知識ゼロでも読みこなせるよう配慮されている。 -
大学1年生の時に読んだ本だが改めて読んでみたのでレビューをば。
アメリカという国が日本(というより他国)に対し、どのようなスキームで富を奪い、アメリカという国が世界の頂点に立つためにどのようなことをしたのか?そして、我々は富を奪われないために何をすべきなのか、を説明した1冊。
アメリカの戦略の種は、数々あるが、ルールを創る、情報・地位を掌握する。などがあるという事だ。例えば、IMFなりであろう。
日本人に必要なものは何か?それは、
?金融資本主義の理解
?情報リテラシーの習得
?ネットワーク分析の活用
の3つがある。
少し古い本なので、リーマンショックなどの金融資本主義の崩壊?に対する事は記述されていないが、この本にあるアメリカの基本戦略「創造と破壊の連鎖」に照らし合わせた場合、また新たに何かを起こす前兆なのかもしれない(リーマンショックが意図的ならば、だが)。
こんな授業を受けられる東大生がうらやましい。。 -
構造改革とは、米国が日本から国富を移すために仕掛けた一連の工作の一つ、すなわち、米国が日本人の個人資産を様々な金融商品を使って効率的に収奪するための仕組み作りだった。(郵政民営化、350兆円)
”年次改革要望書”
パブリックディプロマシーによる世論操作
”創造と破壊のプロセス”を国家ビジネスとして米国が各国にしかけることで、世界の潮目が生ずる。 -
最近の日米関係を通して綴る金融経済入門。右ページが全て用語解説となっていて初心者でもわかりやすい構成。著者は元外務官僚で、政治の舞台裏からアメリカの意図を読み解いている。尚、この講義は正規単位として認められている。アメリカの巧妙な手口は、最終的に狙った国を「焼畑農業」状態にする。日本の近現代史にも触れており、目が行き届いている。
<a href="http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20080516/p1" target="_blank">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20080516/p1</a> -
パブリックディプロマシーによる世論操作 郵貯簡保350兆円 郵政民営化 アメリカによる日本の国富奪取の一つ 年次改革要望書 次のアメリカのねらい 教育と医療 奥の院 informationとintelligence メディアリテラシー メディアも一企業にすぎず、誰の意志を代弁しているかという点においては不透明さを内在している 有事の金、ドル、スイスフラン ネットワーク分析 走狗と死して走狗にらる ウサギを狩るために使われていた猟犬は、獲物であるウサギを捕まえると、今度は自分が狩人に料理されてたべられてしまう。
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近年の日本の凋落は冷戦時に資本主義の防波堤とシンボルのポジションが冷戦後には必要なくなり、米国が搾取に入っているという著者の主張。確かにそういった考えもあるかもしれないが、全て著者の言うところの<奥の院>つまり米国を支配する支配層が指示している戦略だという事らしい。
万が一にも著者の主張が正しいとしても・・・全て<闇の院>で理論を片付けられては、ちんけな陰謀論本と変わらない。がっかりしました。。。 -
下手な陰謀論とは一線を画した一冊。今日本で何が起きているのか、そして日本はこれからどうなっていくのかについて分かりやすく(同様の内容は以前に彼が書いた本にもあったが)書かれている。スケールの大きさに圧倒されそうになるが、得た内容をいかに自分の人生と結び付けていくかが重要だ。ただし疑問もある。彼が米国の蔭の支配層「奥の院」についてかなり具体的に言及しているものの、依然としてそれがブラックボックスであることは否めないと思う。まぁ書けないこともあるんだろうけど笑。それから彼がどんなに主張してもその主張を受け入れ咀嚼し自分のものに出来る人間がどのくらいいるかということ。本書は彼の今までの著書の中では一番わかりやすい。普通の社会人なら容易に理解できるものだと思う。しかし完璧に実践できる人がどれほどいるだろうか?つまり「アメリカの論理」を分かったつもりになっていても実はこの本の内容がある程度流布することを想定した「奥の院」の餌食となる可能性は否めないのではないだろうか?