言わずと知れた名作、イソップ物語。この前読んだ「マイ・ゴール」で、読むべき10冊の中に入っていたので早速読んでみました。
紀元前6世紀にイソップという実在の人物によって書かれたらしいです。彼はギリシャに連れてこられた奴隷だったとか。
今年の目標読書300冊を目指すにあたり、「最近簡単な本しか読んでなくない?」と突っ込まれることが増えてきました。ここで更にイソップ物語なんて、余計に突っ込まれそうですが、イソップ物語を甘く見ちゃいけません。子供向けの絵本と言うイメージで広まっていますが、原文は大人にも響く教訓集となっています。
実際に甘っちょろいファンタジーな雰囲気はありません。決して感動やお涙頂戴の方向に持っていくことなく、淡々と現実世界の有様が描かれています。
それぞれの話は非常に短いですが、色々な解釈ができます。僕は別の解説書も読んだのですが、解説はないほうがいいなと思いました。解釈は人それぞれ。他の人がどの話に興味を持つか知りたくなりました。
僕が好きな話をいくつか紹介します。以下、一部は本書からそのままの引用です。
■カニとカニの子
母さんカニと子供カニたちが一緒に歩いてました。
母さんカニは子供カニがまっすぐ歩かないのが不満で、まっすぐ歩きなさいと言いました。
そしたら子供カニたちが言いました。
「じゃあお母さんがまっすぐ歩いてみせてよ。真似するから。」
■病気のライオン
年老いて体が弱くなったライオンは、洞窟に入って病気のふりをすることにした。そうすれば様子を見に来た動物を食べられるから。
実際にこれはうまくいき、様子を見に来た動物が近づくと、どんどん食べていきました。
ある日、キツネがやってきて、ライオンの届かないところで、ライオンに具合はどうかと尋ねました。ライオンはもっと近くにきてといいました。
するとキツネは、「やめておくよ。この中に入っていく足跡は沢山見たけど、出てきた足跡は一つも見えないからね。」
■二人の旅人とオノ
旅人が二人歩いていると、オノが落ちていました。
一人が、それを拾って言いました。
「見ろよ、おれが見つけたものを!」
その日おそく、大きな男が追いかけてきて、そのオノは自分のもので盗まれたものだと怒って言いました。
オノをひろった旅人が、
「僕たちは困ったことになった。」と心配そうに言いました。
すると、もう一人の旅人が言いました。
「僕たちじゃないだろう。オノは、分け合おうとしなかったのに、困ったことだけ分け合おうなんてふざけろ」